人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

文字の大きさ
88 / 550
第二章

旅のお仲間

しおりを挟む
 自由だ!と叫びたい気持ちだった。
 ヴェルデガーの出した条件を見事にクリアして冒険者になった。

 これで正真正銘自由に旅ができる。
 多少の事件はあったものの、何があったかはもう過去のものだしどうでもいい。

 呼び出されたギルドから3人で上機嫌で宿に戻り、おばちゃんに卒業できたことを報告すると自分のことのように喜んでくれた。
 夜にはお祝いだと言っておばちゃんは豪華な料理を振る舞ってくれまでした。

「お2人はこれからどうするんですか?」

 食事をしながら会話をしていると自然と今後の話へと話題が移った。
 まだ次の目的地は決まっていない。
 
 行ってみたい国、訪れてみたい場所などは色々ある。
 そもそも旅に出るというがどこに行くという目的などがあったのではない。

「私はアレを返してあげたいかな……」

「あー、アレか。確かに早く行った方がいいな」

 ルフォンの言うアレをすぐにリュードも理解する。
 アレとはリュードたちが旅に出る前に出会った幽霊船のスケルトンたちに託された遺品たちのことである。

 彼らが亡くなってから何年経っているのか分からないけれど白骨化して魔物になるのは決して短い時間ではない。
 それでも若い人だったら親なんかが生きている可能性もある。

 もしかしたら直接の関係者が生きているかもしれないので早く向かった方がいい。

「じゃあヘランドか」

 リュードは目をつぶって頭の中に地図を思い起こす。
 村があった森周辺の大体の国関係は頭に入っている。

 ヘランドは森から見て西にある国になる。
 ルートとしては大きく3つある。
 
 村のある森を突っ切って山脈を越えていくルート、南下して船に海路で向かうルート、それと森を囲むように存在する山脈に沿っていくようにして陸路を進んでいくルートがある。
 現実的に考えてわざわざ森に戻って山脈を越えていくのはナイ。

 村に帰ることになるし山脈を越えていくのは過酷すぎるのだ。
 南下して海を越えていくルートは比較的安全だ。
 
 お金の払い具合如何によっては快適な海の旅にも出来る。
 ただ旅を始めたばかりでいきなり船旅とは不粋だ。

 クラーケンのせいでやられた人たちの遺品を持っていくのに海を渡るのはなんだか縁起が良くないかもしれないとリュードは思った。
 それにちょっと船がダメな理由もある。

 最も旅っぽくて現実的なルートは陸路でのんびりと旅することだろう。
 今いる国は森の東にあるルーロニアという国でヘランドは森の西側なのでグルリと回っていくことになるけれどそれもまた旅である。
 
 やはり徒歩でのんびりと旅をするのが1番だ。

「ヘランドだと……トキュネスを通っていくことになるな」

 トキュネスとはエミナが来た国になる。
 西のヘランドと北側にある国の間、森から見て北東ら辺にある小国がトキュネスである。

 エミナから国の前を聞いていたので通りそうだと口に出したらエミナの顔がパッと明るくなった。
 何を考えていたのか一目瞭然。

「そ、その、せっかく一度組んだパーティーですし、途中まで向かうところが一緒ということでしたら、そのままご一緒しませんか?」

 勇気を振り絞ったエミナのお誘い。
 リュードとしてはトキュネスの名前を出した時点でそうするつもり満々だった。

 エミナが言わなきゃリュードが誘っていたくらいで二つ返事でオーケーなのだけど、ここは1人だけの判断で勝手に決めてはいけない。

「ルフォンはどうだ?」

 ちゃんとルフォンにも意見を聞く。

「私は一緒に行けるなら嬉しいな」

 分かりきっていた返事。

「エミナは逆に大丈夫なのか?」

「何がですか?」

「俺の姿を見てあんなに泣いてたじゃないか」

「あ、あれはリュードさんがいきなり変なことを言ったからです!」

 ボッとエミナの顔が赤くなる。

「いや、結構怖かったんじゃないかと思ってな」

「あの時はパニックだったから訳がわからなくなってああなってしまっただけで、あの姿、その……か、カッコよかった、ですよ……」

「エ、エミナちゃん?」

「い、いや、そうじゃなくて! ルフォンさんの危機に颯爽と駆けつけた姿とかちょっと王子様みたいで、ってこれじゃ何にもフォローになってないですよね。
 ええと別に好きとかそんなんじゃなくて……ってこんな風に言うと逆に好きっぽく聞こえちゃったりしますよね! だからといってリュードさんのことが嫌いなわけじゃなくてそれも友達としてと言いますか……」

「……落ち着け、ほれ」

 水を差し出してやるとエミナは一気に飲み干す。
 それでも顔の火照りは取れなくて、これ以上なんて言ったらわからなくて、顔が上げられなくなってしまった。

「やっぱりダメって言うのはなし……かな?」

 エミナからリュードに対する不穏な気持ちを感じる。
 これは危険かもしれないと思ったけれど今更ダメだと引っ込めることもできなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。 選んだ職業は“料理人”。 だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。 地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。 勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。 熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。 絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す! そこから始まる、料理人の大逆転。 ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。 リアルでは無職、ゲームでは負け組。 そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

処理中です...