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第二章
それぞれの結末3
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「う、腕があ!」
腕を切り落とし、護衛を2人片づけた。
一瞬の出来事にキンミッコまだ自分の腕が切られたことにしか気づいていない。
「な、何を!」
「黙れ」
ウカチルがキンミッコの後ろから首に剣を当てる。
脅しではなく本気で、その証拠に薄くキンミッコの首が切れて血がにじむ。
「バド、血を止めてやれ」
「はっ」
ウカチルが護衛に命じる。
「ぎゃああああ!」
血の止め方は治療とかそんなものではなかった。
バドの手から燃え上がった炎をキンミッコの肩に当てて焼くことで無理やり血を止めた。
かなりの荒療治。
「さて、白状する気にはなったか?」
「し、知らない! 私は何も知らないんだ!」
「これが最後のチャンスでしたが……では聞いてもらいましょうか」
ウカチルは語った。
あの日何が起きたのかを。
ヒダルダがトキュネスに占領される前、この土地ではトキュネスとカシタコウの紛争が長いことが続き、戦う兵士と住んでいる者たちは疲弊していた。
もうすでに得られる利益よりも意地の戦いになっていると察した両国はひっそりと話し合い、和平を結ぶことにした。
トキュネス側の代表者はヒダルダの地に隣接し、紛争を戦ったパノン。
カシタコウ側の代表者はヒダルダの地を治めるミエバシオ。
だが一方で長年の戦いで互いに恨みを募らせていることもまた確かなことだった。
和平交渉をすると言った時に不満に思うものが行動するのか予想ができなかった。
そのために戦いながら裏で和平の交渉を進めることにしたのである。
戦いながらということで交渉は困難を極めたのだが国による後押しもあって和平はほぼ確定となった。
しかしそんな時にキンミッコがミエバシオを討ち取ったのだ。
「お前が、俺の父上を討ち取ったんだ」
「それは……その……」
「言い訳はいい。もうお前が何かを言うターンは終わった」
和平が進んでいたのに何があったのか。
真相はこうであった。
和平交渉も大詰めとなりパノンとミエバシオが直接交渉の場に臨むことになった。
もはや和平は成り立ったも同然で書類を交わして確認するだけとなっていた。
そんな時ヒダルダに兵を出していたキンミッコもパノンかヒダルダに出入りして和平交渉に臨んでいる事を知ったのだ。
キンミッコは激しく嫉妬していた。
なぜあんな若造がと思っていた。
経験も年も上の自分ではなく、若くて戦いで名を上げつつあるパノンが和平交渉を成功させてより盤石な名声を得ることが許せなかった。
長子だからどうにか家督を継いで親の威光を借りて領主をしているようなキンミッコは才能のあるパノンに激しく嫉妬していた。
けれど戦いで足を引っ張れば自分に被害が出るし簡単にバレてしまう。
だから紛争においては部下に任せて嫉妬心を出さないように何も手を出さなかった。
だが和平がまとまり、戦いが終わってパノンの功績が確定してしまうと一生パノンに劣等感を抱き続けたままになる。
そこでキンミッコは考えた。
まだ和平交渉は終わっていない。
どうにか和平の話を潰してしまおうとしたのである。
和平交渉の進捗状況までは秘密裏の交渉なので知らなかったが、キンミッコは偶然にもパノンとミエバシオが和平交渉に臨む日を知った。
それが最後の和平交渉の日だとは知らずに。
いつものように小競り合いをした後に和平交渉を行う予定だった。
キンミッコがいつもより多い部隊の派遣に疑問に思いつつも出してくれたものに疑問を呈することはできなかったパノンはキンミッコの部隊も引き連れて戦いに向かった。
そしてキンミッコは小競り合いが終わって紛争地帯から後退しようとするパノンの部隊を後ろから強襲した。
「ずいぶん卑怯な真似をしてくれたな」
仲間だと思っている部隊に後ろから襲われて混乱しないわけがない。
支援レベルでしか戦ってこなかったキンミッコの部隊と前線で戦うパノンの部隊では疲労度が違っていた。
さらには戦闘後にそのまま交渉に臨むことになってしまったパノンは部隊に帯同していなかったことも混乱を収められない原因だった。
キンミッコによる一方的な惨殺。
カシタコウに少し入ったところでパノンの部隊は全滅した。
続いてキンミッコはパノンの部隊を全滅させた勢いそのままに交渉場所に向かった。
今は無い小さい村がその舞台だった。
和平の交渉なのでパノンもミエバシオも限られた人員しか連れてきていない。
普通に部隊を連れたキンミッコたちに奇襲されたパノンとミエバシオはなすすべもなく討ち取られた。
最後までキンミッコは知恵を巡らせて抜かりがなかった。
ミエバシオの兵士の鎧を奪い取ったキンミッコの手下は襲撃だと装ってミエバシオの部隊を呼び出した。
キンミッコの部下に誘導されるままに呼び出されたミエバシオの部隊にキンミッコは襲いかかった。
3回目の奇襲。
面白いように誰も疑わず、何が起きたのかを分からないままに死んでいった。
パノン、ミエバシオ、村の人々。
キンミッコは全ての口を塞いで死体を集めて村を燃やした。
そして急いで国に戻ったキンミッコは王に報告を上げた。
『パノンは敵国に寝返ろうとしていました。それを私が看破し、ミエバシオ共々片づけました』
死人に口なし。
キンミッコは自分の都合が良いように報告をでっち上げた。
トキュネスの王も和平交渉が大詰めであったことは知っていた。
まさかパノンを裏切って皆殺しにしたなんて考えもしなかったが、確認しようにもキンミッコ以外に生き残ったものはいない。
同時にキンミッコは噂を流した。
トキュネスでは『パノンがカシタコウ側で略奪していて、ミエバシオに見つかって戦いになって全滅した』と。
カシタコウでは『ミエバシオが戦争のために民から無理やり物資を持っていたりしていたのをパノンが助けようとして戦いになった』と。
他にも『パノンが国を裏切ることを持ちかけて裏切った』や『ミエバシオが裏切ろうとしたパノンを裏切った』など状況を混乱させる噂を部下に広めさせた。
調査や防衛のための名目で兵を出してもらったキンミッコはその兵力を利用し、混乱しているパノンの領地とヒダルダの地をあっという間に占領してしまったのである。
腕を切り落とし、護衛を2人片づけた。
一瞬の出来事にキンミッコまだ自分の腕が切られたことにしか気づいていない。
「な、何を!」
「黙れ」
ウカチルがキンミッコの後ろから首に剣を当てる。
脅しではなく本気で、その証拠に薄くキンミッコの首が切れて血がにじむ。
「バド、血を止めてやれ」
「はっ」
ウカチルが護衛に命じる。
「ぎゃああああ!」
血の止め方は治療とかそんなものではなかった。
バドの手から燃え上がった炎をキンミッコの肩に当てて焼くことで無理やり血を止めた。
かなりの荒療治。
「さて、白状する気にはなったか?」
「し、知らない! 私は何も知らないんだ!」
「これが最後のチャンスでしたが……では聞いてもらいましょうか」
ウカチルは語った。
あの日何が起きたのかを。
ヒダルダがトキュネスに占領される前、この土地ではトキュネスとカシタコウの紛争が長いことが続き、戦う兵士と住んでいる者たちは疲弊していた。
もうすでに得られる利益よりも意地の戦いになっていると察した両国はひっそりと話し合い、和平を結ぶことにした。
トキュネス側の代表者はヒダルダの地に隣接し、紛争を戦ったパノン。
カシタコウ側の代表者はヒダルダの地を治めるミエバシオ。
だが一方で長年の戦いで互いに恨みを募らせていることもまた確かなことだった。
和平交渉をすると言った時に不満に思うものが行動するのか予想ができなかった。
そのために戦いながら裏で和平の交渉を進めることにしたのである。
戦いながらということで交渉は困難を極めたのだが国による後押しもあって和平はほぼ確定となった。
しかしそんな時にキンミッコがミエバシオを討ち取ったのだ。
「お前が、俺の父上を討ち取ったんだ」
「それは……その……」
「言い訳はいい。もうお前が何かを言うターンは終わった」
和平が進んでいたのに何があったのか。
真相はこうであった。
和平交渉も大詰めとなりパノンとミエバシオが直接交渉の場に臨むことになった。
もはや和平は成り立ったも同然で書類を交わして確認するだけとなっていた。
そんな時ヒダルダに兵を出していたキンミッコもパノンかヒダルダに出入りして和平交渉に臨んでいる事を知ったのだ。
キンミッコは激しく嫉妬していた。
なぜあんな若造がと思っていた。
経験も年も上の自分ではなく、若くて戦いで名を上げつつあるパノンが和平交渉を成功させてより盤石な名声を得ることが許せなかった。
長子だからどうにか家督を継いで親の威光を借りて領主をしているようなキンミッコは才能のあるパノンに激しく嫉妬していた。
けれど戦いで足を引っ張れば自分に被害が出るし簡単にバレてしまう。
だから紛争においては部下に任せて嫉妬心を出さないように何も手を出さなかった。
だが和平がまとまり、戦いが終わってパノンの功績が確定してしまうと一生パノンに劣等感を抱き続けたままになる。
そこでキンミッコは考えた。
まだ和平交渉は終わっていない。
どうにか和平の話を潰してしまおうとしたのである。
和平交渉の進捗状況までは秘密裏の交渉なので知らなかったが、キンミッコは偶然にもパノンとミエバシオが和平交渉に臨む日を知った。
それが最後の和平交渉の日だとは知らずに。
いつものように小競り合いをした後に和平交渉を行う予定だった。
キンミッコがいつもより多い部隊の派遣に疑問に思いつつも出してくれたものに疑問を呈することはできなかったパノンはキンミッコの部隊も引き連れて戦いに向かった。
そしてキンミッコは小競り合いが終わって紛争地帯から後退しようとするパノンの部隊を後ろから強襲した。
「ずいぶん卑怯な真似をしてくれたな」
仲間だと思っている部隊に後ろから襲われて混乱しないわけがない。
支援レベルでしか戦ってこなかったキンミッコの部隊と前線で戦うパノンの部隊では疲労度が違っていた。
さらには戦闘後にそのまま交渉に臨むことになってしまったパノンは部隊に帯同していなかったことも混乱を収められない原因だった。
キンミッコによる一方的な惨殺。
カシタコウに少し入ったところでパノンの部隊は全滅した。
続いてキンミッコはパノンの部隊を全滅させた勢いそのままに交渉場所に向かった。
今は無い小さい村がその舞台だった。
和平の交渉なのでパノンもミエバシオも限られた人員しか連れてきていない。
普通に部隊を連れたキンミッコたちに奇襲されたパノンとミエバシオはなすすべもなく討ち取られた。
最後までキンミッコは知恵を巡らせて抜かりがなかった。
ミエバシオの兵士の鎧を奪い取ったキンミッコの手下は襲撃だと装ってミエバシオの部隊を呼び出した。
キンミッコの部下に誘導されるままに呼び出されたミエバシオの部隊にキンミッコは襲いかかった。
3回目の奇襲。
面白いように誰も疑わず、何が起きたのかを分からないままに死んでいった。
パノン、ミエバシオ、村の人々。
キンミッコは全ての口を塞いで死体を集めて村を燃やした。
そして急いで国に戻ったキンミッコは王に報告を上げた。
『パノンは敵国に寝返ろうとしていました。それを私が看破し、ミエバシオ共々片づけました』
死人に口なし。
キンミッコは自分の都合が良いように報告をでっち上げた。
トキュネスの王も和平交渉が大詰めであったことは知っていた。
まさかパノンを裏切って皆殺しにしたなんて考えもしなかったが、確認しようにもキンミッコ以外に生き残ったものはいない。
同時にキンミッコは噂を流した。
トキュネスでは『パノンがカシタコウ側で略奪していて、ミエバシオに見つかって戦いになって全滅した』と。
カシタコウでは『ミエバシオが戦争のために民から無理やり物資を持っていたりしていたのをパノンが助けようとして戦いになった』と。
他にも『パノンが国を裏切ることを持ちかけて裏切った』や『ミエバシオが裏切ろうとしたパノンを裏切った』など状況を混乱させる噂を部下に広めさせた。
調査や防衛のための名目で兵を出してもらったキンミッコはその兵力を利用し、混乱しているパノンの領地とヒダルダの地をあっという間に占領してしまったのである。
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