人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

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第二章

それぞれの結末6

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 後日、キンミッコはヒダルダの地でトキュネスとカシタコウ共同で公開処刑にされることになった。
 ヒダルダで起きたことの真相は大々的に公表された。

 キンミッコは国を裏切り私腹を肥やした大罪人に、パノンとミエバシオは両国を思い和平をなそうとしていた英雄的な扱いになった。
 パノンとミエバシオを批判していたものは恥じるがいいとまでトキュネスの王は言い放った。
 
 その言葉を聞いて多くのものが後ろめたい気持ちになった。
 キンミッコが貯め込んでいた財貨は根こそぎ没収され、領地は召し上げられ、与えられた爵位も剥奪となった。

 ヒダルダはカシタコウに返還となり、再びミエバシオの領地となった。
 そしてウカチルはソードマスターの称号と爵位を与えられた。

 キンミッコが治めていた領地はウカチルがそのまま貰い受けることとなった。

「本当に良かったのか?」

 リュードとルフォン、それにエミナ。さらになぜかヤノチとダカンは共に道を歩いていた。
 どこか吹っ切れたような顔をするエミナにリュードが声をかける。

 処刑の後、エミナのところにトキュネスからの使者が来た。
 是非ともパノンに謝罪とお詫びをしたいと言うことであったのだが、エミナはトキュネスの王からの招待を断ってしまった。

『貴族であったパノンは死に、もはや国に仕えてはいません。今いるパノンはエミナ・パノン1人であって、私は冒険者です。
 冒険者は国に囚われず自由に生きていく人なので、私は自由に生きていきます。だからお帰りください』

  使者にそう言った後不安げで泣きそうな顔さえしなければカッコよかったのにと思うけれどエミナは精一杯勇気を振り絞った。
 行けばどうなるのか分かっている。

 トキュネスはパノンに対して何もできなかったことを認めて、領地と爵位を与えて貴族に復帰させようと考えていた。
 エミナはそれを拒否してトキュネスの使者を追い返してしまったのである。

 わざわざ冒険者として苦労する必要はない。
 貴族として苦労がないこともないだろうが、少なくても命を脅かされる心配は冒険者より少ない。

「いいんです。後悔はしません」

 晴れやかに笑って答えるエミナ。
 トキュネスの王も無理矢理エミナを貴族にしようとは考えておらず、使者は帰ってすぐに代わりにとお金を持ってきた。

 当然エミナはお金もいらないと拒否したのだが、困って泣きそうになっている使者に断りきれずお金は受け取ることになってしまった。
 エミナは貴族になるつもりはなかった。
 
 小さい頃はまた貴族になれることを夢みた日もあったのだが、もはや子供ではないのだ。
 一から領地経営を学び、貴族の作法を練習して、国に仕えて責務を果たすなんて面倒なことしていられない。
 
 そんなことに慣れている間におばあちゃんになってしまう。
 お金はもらったのだし、もはや未練などない。

 ウソではないと分かる笑顔にリュードもこれ以上聞くことをやめた。

「それで、どこに行くんですか?」

 ヤノチがリュードに聞く。
 目的地も知らずとりあえずリュードたちに付いていっていた。

「次に行くのはここからだと南にあるへランドだ。俺たちに個人的な用事があってな」

 なぜエミナはともかく、ヤノチとダカンまでいるのか。
 理由は簡単で、エミナとヤノチがトキュネスとカシタコウで有名になりすぎてしまったからである。

 蔓延る噂と偏見を一掃しようとしてかなり脚色して話を広めた部分もあった。
 瞬く間にパノンとミエバシオの話が広まった。

 トキュネスとカシタコウそれぞれでパノンとミエバシオはそれぞれ英雄的にまでなってしまって悪い噂は一掃された。
 代わりに活動することが困難なほどに知られてしまったのである。

 冒険者として活動しようにも周りの目が気になる。
 仲間を探そうにも名前ばかりが大きくなってしまった。

 トキュネスで冒険者として活動することをエミナは諦めたのであった。
 エミナのおばあちゃんについてはお金も渡したし周りに悪く言う人もいなくなったのでエミナは落ち着いて活動できる場所を探すことにしたのだ。
 
 おばあちゃんを置いていくのはまだ心配な部分はあるけれど国が保護もしてくれるというので任せた。
 もうちょっとリュードたちといられるなんてことも思いながら。

 ヤノチも似たようなことになっているのだが少し事情は異なっている。
 エミナと違ってウカチルが貴族に復帰することになったのでヤノチも貴族に復帰することになった。

 ウカチルはソードマスターで今現在英雄的扱いなミエバシオの息子。
 ヒダルダの土地は肥沃で経済的にも価値が高い。

 ウカチルには貴族に復帰した直後から求婚の誘いが舞い込み続けている。
 同様にそのようなウカチルと縁を結ぼうとヤノチにも求婚の話が来ていた。

 領地の安定など忙しいと言い訳をつけて断ってはいるけれどいつまでも断り続けられるものでもない。
 結婚するしないに関わらず会う必要ぐらいは出てくるだろう。

 特にヤノチが領地経営に関わるわけではないのでヤノチの求婚を断り続けるのは難しい。
 貴族的な後ろ盾のないウカチルでは限界がある。

 なのでウカチルとヤノチは相談して家を出ることにした。
 ウカチルは元々ヤノチの好きにさせてやるつもりだったので簡単に家を出ることが決まった。

 エミナが冒険者をやると聞いてヤノチもすっかりその気になっていてしまったことも大きな関係がある。
 すっかり仲良くなったエミナとヤノチは冒険者として共に活動することを考えているようだった。

 ダカンは見張りというか護衛というか。
 実際はヤノチが心配で付いてきていることがバレバレ。

 3人でパーティーを組むなら悪くはないとリュードは思う。
 ヤノチもダカンも剣を扱い、前衛になる。

 エミナは魔法使いでバランスは良いので連携が取れればそれなりに戦えるだろう。
 ただし1番先輩になるのがエミナなのがちょっと心配である。

 次の目的地はへランド。
 トキュネスからはそんなに遠くない。

 とりあえずヤノチとダカンにも冒険者としての心得を教えながらヘランドまで向かうことになったのであった。
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