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第四章
試練に出発2
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把握するつもりはないけどリュードだってルフォンのスリーサイズを知ってはいない。
幼い頃からずっと一緒にいるけれどそんなこと知ろうと思ったこともないのだ。
リュードが聞けば恥ずかしさがあっても教えてはくれそうだけど紳士はそんなこと聞かない。
「現在少しばかりボリューム不足なところもございます。本人も気にはしておられるのですが、将来のことはこの私にも分かりません。
サキュルレスト様を見ておりますと期待は持てるのですが奥様はそれはもう控えめなお方でしたのでどうなるかは……生まれた時からお仕えしていても分かりません」
やめろ、その決め台詞っぽいやつとリュードは苦い顔をした。
それに人の胸部の事情は軽々しく口にしてはいけないものだとリュードは師匠であるウォーケックから習った。
ルーミオラもそういうスタイル的にスレンダーな感じの人で、かつてウォーケックはやや口が軽い時があったのでひどい目にあったことがあった過去があるのだ。
「執事ジョークは置いておきまして。お聞きになられたいことは何でございますか?」
あれを執事ジョークで片付けていいのか疑問符が付くけど深く突っ込むと藪蛇になりかねない。
ここはジョークということで片付けておくのがスマートなやり方である。
「本当にサキュルラストの兄や姉が邪魔して手を出してくると思いますか?」
試練そのものとなるダンジョンの攻略や魔物の討伐は慎重さを持って事に当たれば問題はないと考えている。
無理をしなければ失敗する可能性は低い。
問題があるならそれに人の手が加わった時である。
ダンジョンそのものに何かしてくることができるのかリュードは知らないけれど、少なくともダンジョンは閉鎖的な空間になる。
逃げ場のない空間で何かされるのは非常に面倒なことになる。
相手が何をしてくるのか分からないということはもしかしたらルフォンにも手を出してくることも十分考えられる。
そう考えるとルフォンを置いて来た方がよかったなんてことも思わなくないけど、宿で待っていたから安全というわけでもない。
「何かしてくることはほぼ確実にあると見てよろしいでしょう。直接出てきて手を出してくることはないでしょうけれど、何かしらの策を弄してくるのは目に見えております」
「……なぜ、そんなことをするんだ?」
兄弟姉妹での争いは全く理解が及ばない話ではない。
骨肉の争いなんて言葉があるぐらいだし身内同士で争うことがある。
ただしリュードの価値観では争いはしても命の危機にまで瀕するような手の出し方はしない。
前世の価値観を引きずっていることもあるけど村ではみんな仲良しだった。
薄ら暗い喧嘩するぐらいならみんなが見ている前で戦う方が普通だった。
サキュルラストが領主としてよほどダメなんてこともなさそう。
周りも良く手助けして本人も机仕事を頑張っていた。
町に行くまでサキュルラストの領地を通ってきたけど荒れているとか放置されて困っているところもなく、搾取しているような雰囲気もなかった。
サキュルラストの性格というものがうかがえる。
めんどくさいお嬢様気質なところはあるけれど決して悪人じゃないのだ。
殺すような相手ではなく最悪の場合に死んでもいいと思えるほど仲が悪い理由が分からなかった。
「……恐れているのです」
「恐れている?」
「領主様のお力を、将来性をです。今はまだお若いので発展途上ですが先祖返りが持つ力は計り知れません。他のご領主様や兄姉の方々はサキュルラスト様が力をつけ、ひいてはこの国の王になられるかもしれないことを恐れていらっしゃるのです」
くっだらない権力争い。
パッとリュードはそう考えた。
ただ当人にとっては大切でくだらなくないのかもしれない。
けどそんなことに固執して命を狙ったり狙われたりするのはリュードにとってはあまり意味のあることに思えなかった。
実際すでに先祖返りなことの影響はある。
年齢や実務的な能力で見るとサキュルラストよりも姉であるレストの方がふさわしい。
ひとえに妹であるサキュルラストの方が大領主になっているのは先祖返りだからである。
いかに魔人族であっても国の規模になれば単純に力が強いだけの問題にならなくなってくるにも関わらずサキュルラストが領主となった。
先祖返りとしての将来性や魔力が政治的なところにも影響を及ぼしているのである。
だから自分が王となりたい兄弟たちはサキュルラストのことを殺すほどに恐れているのだ。
「悲しい話だな」
力を持っているが故に命を狙われる。
身を守ることにもなる力のせいで逆に命の危機になるなんて何とも皮肉なもの。
先祖返りのサキュルラストがこの先に順当に力をつけていくことになると間違いなく権力に執着するような兄姉では敵わないほど強くなる。
政治的な能力の方も地頭が良さそうなので今後も期待できる。
加えて単純にはいかなくても魔人族的な力があるものが偉い価値観はどうしても根底にある。
力的な能力が伸びてきてしまえばなんだかんだで魔人族であるサキュルラストは偉い立場になることだろう。
今だって大領主。
これからさらに偉い立場になるということは王である。
もしかしたら王にするための道筋として大領主にさせられているのかもしれない。
何であれサキュルラストが王になるという話は夢物語ではないのだ。
幼い頃からずっと一緒にいるけれどそんなこと知ろうと思ったこともないのだ。
リュードが聞けば恥ずかしさがあっても教えてはくれそうだけど紳士はそんなこと聞かない。
「現在少しばかりボリューム不足なところもございます。本人も気にはしておられるのですが、将来のことはこの私にも分かりません。
サキュルレスト様を見ておりますと期待は持てるのですが奥様はそれはもう控えめなお方でしたのでどうなるかは……生まれた時からお仕えしていても分かりません」
やめろ、その決め台詞っぽいやつとリュードは苦い顔をした。
それに人の胸部の事情は軽々しく口にしてはいけないものだとリュードは師匠であるウォーケックから習った。
ルーミオラもそういうスタイル的にスレンダーな感じの人で、かつてウォーケックはやや口が軽い時があったのでひどい目にあったことがあった過去があるのだ。
「執事ジョークは置いておきまして。お聞きになられたいことは何でございますか?」
あれを執事ジョークで片付けていいのか疑問符が付くけど深く突っ込むと藪蛇になりかねない。
ここはジョークということで片付けておくのがスマートなやり方である。
「本当にサキュルラストの兄や姉が邪魔して手を出してくると思いますか?」
試練そのものとなるダンジョンの攻略や魔物の討伐は慎重さを持って事に当たれば問題はないと考えている。
無理をしなければ失敗する可能性は低い。
問題があるならそれに人の手が加わった時である。
ダンジョンそのものに何かしてくることができるのかリュードは知らないけれど、少なくともダンジョンは閉鎖的な空間になる。
逃げ場のない空間で何かされるのは非常に面倒なことになる。
相手が何をしてくるのか分からないということはもしかしたらルフォンにも手を出してくることも十分考えられる。
そう考えるとルフォンを置いて来た方がよかったなんてことも思わなくないけど、宿で待っていたから安全というわけでもない。
「何かしてくることはほぼ確実にあると見てよろしいでしょう。直接出てきて手を出してくることはないでしょうけれど、何かしらの策を弄してくるのは目に見えております」
「……なぜ、そんなことをするんだ?」
兄弟姉妹での争いは全く理解が及ばない話ではない。
骨肉の争いなんて言葉があるぐらいだし身内同士で争うことがある。
ただしリュードの価値観では争いはしても命の危機にまで瀕するような手の出し方はしない。
前世の価値観を引きずっていることもあるけど村ではみんな仲良しだった。
薄ら暗い喧嘩するぐらいならみんなが見ている前で戦う方が普通だった。
サキュルラストが領主としてよほどダメなんてこともなさそう。
周りも良く手助けして本人も机仕事を頑張っていた。
町に行くまでサキュルラストの領地を通ってきたけど荒れているとか放置されて困っているところもなく、搾取しているような雰囲気もなかった。
サキュルラストの性格というものがうかがえる。
めんどくさいお嬢様気質なところはあるけれど決して悪人じゃないのだ。
殺すような相手ではなく最悪の場合に死んでもいいと思えるほど仲が悪い理由が分からなかった。
「……恐れているのです」
「恐れている?」
「領主様のお力を、将来性をです。今はまだお若いので発展途上ですが先祖返りが持つ力は計り知れません。他のご領主様や兄姉の方々はサキュルラスト様が力をつけ、ひいてはこの国の王になられるかもしれないことを恐れていらっしゃるのです」
くっだらない権力争い。
パッとリュードはそう考えた。
ただ当人にとっては大切でくだらなくないのかもしれない。
けどそんなことに固執して命を狙ったり狙われたりするのはリュードにとってはあまり意味のあることに思えなかった。
実際すでに先祖返りなことの影響はある。
年齢や実務的な能力で見るとサキュルラストよりも姉であるレストの方がふさわしい。
ひとえに妹であるサキュルラストの方が大領主になっているのは先祖返りだからである。
いかに魔人族であっても国の規模になれば単純に力が強いだけの問題にならなくなってくるにも関わらずサキュルラストが領主となった。
先祖返りとしての将来性や魔力が政治的なところにも影響を及ぼしているのである。
だから自分が王となりたい兄弟たちはサキュルラストのことを殺すほどに恐れているのだ。
「悲しい話だな」
力を持っているが故に命を狙われる。
身を守ることにもなる力のせいで逆に命の危機になるなんて何とも皮肉なもの。
先祖返りのサキュルラストがこの先に順当に力をつけていくことになると間違いなく権力に執着するような兄姉では敵わないほど強くなる。
政治的な能力の方も地頭が良さそうなので今後も期待できる。
加えて単純にはいかなくても魔人族的な力があるものが偉い価値観はどうしても根底にある。
力的な能力が伸びてきてしまえばなんだかんだで魔人族であるサキュルラストは偉い立場になることだろう。
今だって大領主。
これからさらに偉い立場になるということは王である。
もしかしたら王にするための道筋として大領主にさせられているのかもしれない。
何であれサキュルラストが王になるという話は夢物語ではないのだ。
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