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第四章
愚かなる目論み1
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「ダメです。通せません」
「どーしてさ!」
「この先で崩落事故があったのです。原因究明や復旧作業のためにしばらくは通行止めとなっております。ですので誰であれ危険なので通すことができないのです」
二つ目の試練に向けて旅を続けてプジャンの領地に入った。
早速ダンジョンに向かってさっさと終わらせるといきたいところなのだがそうもいかなかった。
まずは大領主であるプジャンに挨拶をしてからじゃないといけないのである。
一般の大人の試練を受ける人ならわざわざそんなとこしなくてもいいのだけどラストは大領主である。
面倒ではあっても大領主としての作法というか体面のために必要な行為がある。
だからプジャンのいる町に向かっていたのだけれどその途中で足止めを食らった。
「なんだか雲行きが怪しいな」
「そうだね」
これまでは自然が豊かな草原を歩いてきたのだけど、草が減り始め、赤っぽい地面が露出してきた山岳地帯に入ってきた。
次の町に行くのには大きな渓谷を抜けていくのがよかったのだけれど、渓谷に続く道を兵士が塞いでいた。
話を聞いてみると渓谷の一部が崩れてしまい、岩が道を塞いでいるらしく通行止めになっていると言うのだ。
他の崩落の危険性もあるし岩をどかすのにも時間がかかるからしばらく通行することができないと言われてラストは怒り心頭である。
「じゃーどうしろってのさ?」
「この先に行きたければ戻って迂回するか、あちらにある道を通って山を越えていってもらうしかありません」
兵士が教えてくれた道は2つだった。
一度戻って渓谷を大きく迂回していく道、もしくは渓谷の横にある山を越えていく道である。
「復旧すんのにどれぐらいかかるの?」
「まだ見込みは不明です」
「ムーッ!」
都合が良すぎる崩落のタイミングに怪しい気配もする。
兵士は自分の仕事をしているだけだろうから関係ないだろうが、本当に崩落があったのかも疑わしく思えてくる。
「どうする?」
ただ兵士を押し退けて無理矢理進めない。
通行止めになっている以上兵士の言うような道を行くしかない。
この旅はラストの大人の試練のためのものなのでラストの判断に任せる。
どちらのルートにも一長一短がある。
迂回ルート。
これはまず平坦な道を行けることがメリットである。
さらに迂回ルートはラストの領地にも近いところを行くことになるので安全を考えると迂回ルートの方が高いと思われる。
デメリットは遠いこと。
一度戻ることになるし迂回するために本来のルートよりもかなり時間を要してしまうことになる。
距離だけ考えると面倒ではある。
続いて山越えルート。
これのメリットは迂回ルートよりも早いことである。
距離的には迂回ルートよりも早く、渓谷よりは遅いけど大きく時間的に取られることはない。
デメリットは山登りなこと。
道としては平坦な迂回ルートよりも体力を使う山登りになってしまうことが挙げられる。
「うぅー、いいパートナーを探してたからあんまり時間がないんだよね」
安全な遠回りルートがいいのではないかと思うのだけど事情もある。
それなりに長期間の期限のある大人の試練なのであるが無制限に時間があるわけでもない。
いつでもいつまででも試練ができるものではなく、この期間にやってくれと言われ、その期間に大人の試練を終わらせないと失敗となってしまう。
ラストは1人選べる同行者が中々見つからずにずっと探していた。
ようやくリュードが手伝ってくれることになって出発したのであるが残りの期限はあまり余裕のあるものではなかった。
ラストが取れる選択肢なんてあるようでなかったのである。
遠回りルートは時間的に厳しいものがあるのだ。
「……俺たちは山登りでも構わないけど何か問題でもあるのか?」
なのにラストはあまり山登りに乗り気でないようにリュードには見えた。
時間がない中で別のルートがあるだけありがたいと思っているのだけどラストは複雑そうな顔をしていて理由が気になった。
しかしもう遠回りルートを選んでいられる時間がないので、一度渓谷の手前にある町に戻って山越えの準備を整えたリュードたちは山に登り始めた。
渓谷よりも過酷だし、時間もかかるので食料など万全の備えはしてきた。
歩きながらリュードはラストが渋っていた理由を聞いてみる。
「この山には化け物が住んでいる、と言われているの」
リュードの疑問にラストは答える。
化け物と聞いてリュードが眉を寄せた。
「化け物?」
「いつからいるのかは知らないけどこの山には賢種の魔物がいて、この国にとっては頭痛の種になっているの」
「ペラフィランという魔物でして、この山を根城にしているそうです。元々何の魔物だったのか分からないぐらいに強いそうですが手を出さない限りはあちらからも手を出してはきません。向こうは大量の食料を要求し、こちらがそれに応えている限りは、らしいですが」
ラストの説明をヴィッツが引き継ぐ。
「賢種の魔物か」
「賢種ってなに?」
「賢種ってのは文字通り頭のいい魔物のことだよ」
人の言語を話すことができる魔物のことを賢種と呼ぶ。
賢種の魔物の中には人と交流があるものもいて、魔人もどきなんて言われる魔物もいる。
「一般的には人の言葉を話せるような知恵がある魔物のことなんだけど一部ではまたちょっと違う意味もあるんだ」
賢種という魔物の括りの中には2つの種類がある。
1つは長年生きて強さと知恵を持ち、人の言葉を話すことができるようになった魔物。
もう1つは弱くても単に人の言葉を話すことができる知恵のある魔物。
そのために賢種の魔物というと人と話すことができて交流のある魔物という意味と強い魔物という意味の2つの意味がある。
「どーしてさ!」
「この先で崩落事故があったのです。原因究明や復旧作業のためにしばらくは通行止めとなっております。ですので誰であれ危険なので通すことができないのです」
二つ目の試練に向けて旅を続けてプジャンの領地に入った。
早速ダンジョンに向かってさっさと終わらせるといきたいところなのだがそうもいかなかった。
まずは大領主であるプジャンに挨拶をしてからじゃないといけないのである。
一般の大人の試練を受ける人ならわざわざそんなとこしなくてもいいのだけどラストは大領主である。
面倒ではあっても大領主としての作法というか体面のために必要な行為がある。
だからプジャンのいる町に向かっていたのだけれどその途中で足止めを食らった。
「なんだか雲行きが怪しいな」
「そうだね」
これまでは自然が豊かな草原を歩いてきたのだけど、草が減り始め、赤っぽい地面が露出してきた山岳地帯に入ってきた。
次の町に行くのには大きな渓谷を抜けていくのがよかったのだけれど、渓谷に続く道を兵士が塞いでいた。
話を聞いてみると渓谷の一部が崩れてしまい、岩が道を塞いでいるらしく通行止めになっていると言うのだ。
他の崩落の危険性もあるし岩をどかすのにも時間がかかるからしばらく通行することができないと言われてラストは怒り心頭である。
「じゃーどうしろってのさ?」
「この先に行きたければ戻って迂回するか、あちらにある道を通って山を越えていってもらうしかありません」
兵士が教えてくれた道は2つだった。
一度戻って渓谷を大きく迂回していく道、もしくは渓谷の横にある山を越えていく道である。
「復旧すんのにどれぐらいかかるの?」
「まだ見込みは不明です」
「ムーッ!」
都合が良すぎる崩落のタイミングに怪しい気配もする。
兵士は自分の仕事をしているだけだろうから関係ないだろうが、本当に崩落があったのかも疑わしく思えてくる。
「どうする?」
ただ兵士を押し退けて無理矢理進めない。
通行止めになっている以上兵士の言うような道を行くしかない。
この旅はラストの大人の試練のためのものなのでラストの判断に任せる。
どちらのルートにも一長一短がある。
迂回ルート。
これはまず平坦な道を行けることがメリットである。
さらに迂回ルートはラストの領地にも近いところを行くことになるので安全を考えると迂回ルートの方が高いと思われる。
デメリットは遠いこと。
一度戻ることになるし迂回するために本来のルートよりもかなり時間を要してしまうことになる。
距離だけ考えると面倒ではある。
続いて山越えルート。
これのメリットは迂回ルートよりも早いことである。
距離的には迂回ルートよりも早く、渓谷よりは遅いけど大きく時間的に取られることはない。
デメリットは山登りなこと。
道としては平坦な迂回ルートよりも体力を使う山登りになってしまうことが挙げられる。
「うぅー、いいパートナーを探してたからあんまり時間がないんだよね」
安全な遠回りルートがいいのではないかと思うのだけど事情もある。
それなりに長期間の期限のある大人の試練なのであるが無制限に時間があるわけでもない。
いつでもいつまででも試練ができるものではなく、この期間にやってくれと言われ、その期間に大人の試練を終わらせないと失敗となってしまう。
ラストは1人選べる同行者が中々見つからずにずっと探していた。
ようやくリュードが手伝ってくれることになって出発したのであるが残りの期限はあまり余裕のあるものではなかった。
ラストが取れる選択肢なんてあるようでなかったのである。
遠回りルートは時間的に厳しいものがあるのだ。
「……俺たちは山登りでも構わないけど何か問題でもあるのか?」
なのにラストはあまり山登りに乗り気でないようにリュードには見えた。
時間がない中で別のルートがあるだけありがたいと思っているのだけどラストは複雑そうな顔をしていて理由が気になった。
しかしもう遠回りルートを選んでいられる時間がないので、一度渓谷の手前にある町に戻って山越えの準備を整えたリュードたちは山に登り始めた。
渓谷よりも過酷だし、時間もかかるので食料など万全の備えはしてきた。
歩きながらリュードはラストが渋っていた理由を聞いてみる。
「この山には化け物が住んでいる、と言われているの」
リュードの疑問にラストは答える。
化け物と聞いてリュードが眉を寄せた。
「化け物?」
「いつからいるのかは知らないけどこの山には賢種の魔物がいて、この国にとっては頭痛の種になっているの」
「ペラフィランという魔物でして、この山を根城にしているそうです。元々何の魔物だったのか分からないぐらいに強いそうですが手を出さない限りはあちらからも手を出してはきません。向こうは大量の食料を要求し、こちらがそれに応えている限りは、らしいですが」
ラストの説明をヴィッツが引き継ぐ。
「賢種の魔物か」
「賢種ってなに?」
「賢種ってのは文字通り頭のいい魔物のことだよ」
人の言語を話すことができる魔物のことを賢種と呼ぶ。
賢種の魔物の中には人と交流があるものもいて、魔人もどきなんて言われる魔物もいる。
「一般的には人の言葉を話せるような知恵がある魔物のことなんだけど一部ではまたちょっと違う意味もあるんだ」
賢種という魔物の括りの中には2つの種類がある。
1つは長年生きて強さと知恵を持ち、人の言葉を話すことができるようになった魔物。
もう1つは弱くても単に人の言葉を話すことができる知恵のある魔物。
そのために賢種の魔物というと人と話すことができて交流のある魔物という意味と強い魔物という意味の2つの意味がある。
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