200 / 550
第四章
愚かなる目論み3
しおりを挟む
そんな風にルフォンは魔物を見たことはないのだけれどリュードはそんな風に魔物を見ている。
これも前世の影響、転生したことが関わっている。
生まれた時から魔物は敵で恐ろしい存在であるとこの世界の人は認識を持っている。
脅威になりうるし倒すことが必要になるのでどんな姿であれあまり良い印象で見ることがない。
リュードは前の記憶があるので魔物相手であってもどこか動物的な感覚でも魔物を見ていた。
そもそも世界が違っていても生き物のフォルムはそんなに大きく変わらず、向こうの世界での動物チックな見た目をした魔物も非常に多かった。
イタチと聞いてリュードは地球でのイタチをふわりとイメージした。
割とデカい生き物が好きだったリュードはデカいイタチは可愛いのではないかと思っているのだ。
リュードがそんな、この世界では変な思考を持っていることはルフォンは承知している。
真面目な顔して何を考えているのかお見通しである。
魔物になんか嫉妬しない。
でも最近めっきりと頭を撫でてもらう機会が減って気がしていたと考えていた。
以前はもっと気軽に撫でてくれていたけどルフォンもなんだか少し照れ臭く思えてきて、前ほど積極的にいけなくなってしまった。
嫉妬じゃないけど黒くて可愛いのならここにいる。
思いつきに身を任せて頭を差し出してみたはいいものの、なんだかとても恥ずかしかった。
「……確かにそうだな」
流石に可愛くても魔物では撫でられない。
チャンスがあれば試してみたい気もするけどケガのリスクを負ってまで試す気はない。
それに身近にこんな風に撫でて欲しがる可愛い子がいるのだ、十分ではないか。
リュードはルフォンの気持ちを察して頭を撫でる。
そういえば最近こんな風にはしていなかったなと思う。
歩幅を合わせて歩きながらケモミミを巻き込むようにゆっくりと撫でる。
髪の部分とケモミミの部分では手触りが違う。
どちらも撫でていて心地が良く、2つの感触があって飽きがこない。
「…………」
「私が撫でて差し上げましょうか」
「なんでよ!」
「昔はよくそうしておりましたではありませんか」
「ちっちゃい頃の話でしょ!」
「そうでございますが、今お撫でしてもおかしくはありません。なんならリュード様にお頼み申してはいかがですか?」
「な、何言ってるのよ!」
そんなリュードとルフォンの様子をじっと見つめるラスト。
その視線の感情がなんなのかはラスト自身にはわかっていないがヴィッツには分かった。
ヴィッツから見ればリュードはだいぶ小慣れているように見える。
言えばさらりと撫でてくれるのではないか、なんてことも思う。
仲睦まじい2人を見ているとヴィッツも愛しい人に会いたい感情が湧いてくるような気分だった。
「ここに焚き火の跡があるな。もういい時間だしここにするか」
変わり映えのしない景色だが日だけはどうしても移動して落ちてくるものだ。
そろそろ野宿するための場所を考えなきゃいけないところだった。
ただずっと緩やかに坂になっていてために寝るにはあまりふさわしくなく、どこかいいところでもないかと探していた。
まず目に入ったのは黒く焼けた地面だった。
過去に誰かが焚き火をした跡。
他の人も同じようにそうしてきたのではっきりと跡が残っていた。
そこだけ狭いけど平らになっていて、みんなおそらくこの場所で一夜を過ごしてきたのだろう。
少しばかり早い時間ではあるがこの先に平らな場所があるとは限らない。
無理をして進むよりも確実なところで判断を下すことも旅には必要である。
「山の上だからか少し冷えるね」
昼間は暖かいし動いているのでそれほどでもなかったが
、夜になって気温が下がってきて動かなくなると寒さを感じ始めた。
ラストが膝を寄せて焚き火に手をかざす。
「リューちゃん大丈夫?」
「まだこれぐらいなら平気だよ」
リュードは寒さに弱い。
竜人族全体が寒さに強くない種族なのである。
もちろんそのことも知っているルフォンはピタリとリュードにくっつく。
昔は寒い時にルフォンは良くリュードにくっついていた。
人狼族は体温が高めで寒さに強い。
逆に暑さに弱いのだけど魔人化した姿の影響が普段の姿にも多少表れているのだ。
ルフォンはリュードに近づきたい。
リュードは寒いので温かいルフォンがそばにいるとありがたい。
ウィンウィンなのである。
見ているとまたヴィッツに冷やかされそうなのでラストはリュードたちの方を見ないで焚き火を見つめていた。
「危ない!」
ヴィッツがラストの前に手を伸ばした。
その指の間にはナイフ。
暗くなってきたどこからかラストに向けてナイフが飛んできた。
それをヴィッツがいち早く察してキャッチしていたのだ。
敵襲。
各々が武器を取り、焚き火を背にするように周りを警戒する。
「敵は3人、散らばっております」
血人族も人狼族と同じく闇に強い一族。
リュードは暗くなった周りの様子があまり分かっていないがリュード以外の3人には周りの様子が見えていた。
敵の気配は感じるが黒い格好をしている敵の姿は闇に溶け込んでいてリュードの目には映らない。
「来ます、気をつけてください!」
これも前世の影響、転生したことが関わっている。
生まれた時から魔物は敵で恐ろしい存在であるとこの世界の人は認識を持っている。
脅威になりうるし倒すことが必要になるのでどんな姿であれあまり良い印象で見ることがない。
リュードは前の記憶があるので魔物相手であってもどこか動物的な感覚でも魔物を見ていた。
そもそも世界が違っていても生き物のフォルムはそんなに大きく変わらず、向こうの世界での動物チックな見た目をした魔物も非常に多かった。
イタチと聞いてリュードは地球でのイタチをふわりとイメージした。
割とデカい生き物が好きだったリュードはデカいイタチは可愛いのではないかと思っているのだ。
リュードがそんな、この世界では変な思考を持っていることはルフォンは承知している。
真面目な顔して何を考えているのかお見通しである。
魔物になんか嫉妬しない。
でも最近めっきりと頭を撫でてもらう機会が減って気がしていたと考えていた。
以前はもっと気軽に撫でてくれていたけどルフォンもなんだか少し照れ臭く思えてきて、前ほど積極的にいけなくなってしまった。
嫉妬じゃないけど黒くて可愛いのならここにいる。
思いつきに身を任せて頭を差し出してみたはいいものの、なんだかとても恥ずかしかった。
「……確かにそうだな」
流石に可愛くても魔物では撫でられない。
チャンスがあれば試してみたい気もするけどケガのリスクを負ってまで試す気はない。
それに身近にこんな風に撫でて欲しがる可愛い子がいるのだ、十分ではないか。
リュードはルフォンの気持ちを察して頭を撫でる。
そういえば最近こんな風にはしていなかったなと思う。
歩幅を合わせて歩きながらケモミミを巻き込むようにゆっくりと撫でる。
髪の部分とケモミミの部分では手触りが違う。
どちらも撫でていて心地が良く、2つの感触があって飽きがこない。
「…………」
「私が撫でて差し上げましょうか」
「なんでよ!」
「昔はよくそうしておりましたではありませんか」
「ちっちゃい頃の話でしょ!」
「そうでございますが、今お撫でしてもおかしくはありません。なんならリュード様にお頼み申してはいかがですか?」
「な、何言ってるのよ!」
そんなリュードとルフォンの様子をじっと見つめるラスト。
その視線の感情がなんなのかはラスト自身にはわかっていないがヴィッツには分かった。
ヴィッツから見ればリュードはだいぶ小慣れているように見える。
言えばさらりと撫でてくれるのではないか、なんてことも思う。
仲睦まじい2人を見ているとヴィッツも愛しい人に会いたい感情が湧いてくるような気分だった。
「ここに焚き火の跡があるな。もういい時間だしここにするか」
変わり映えのしない景色だが日だけはどうしても移動して落ちてくるものだ。
そろそろ野宿するための場所を考えなきゃいけないところだった。
ただずっと緩やかに坂になっていてために寝るにはあまりふさわしくなく、どこかいいところでもないかと探していた。
まず目に入ったのは黒く焼けた地面だった。
過去に誰かが焚き火をした跡。
他の人も同じようにそうしてきたのではっきりと跡が残っていた。
そこだけ狭いけど平らになっていて、みんなおそらくこの場所で一夜を過ごしてきたのだろう。
少しばかり早い時間ではあるがこの先に平らな場所があるとは限らない。
無理をして進むよりも確実なところで判断を下すことも旅には必要である。
「山の上だからか少し冷えるね」
昼間は暖かいし動いているのでそれほどでもなかったが
、夜になって気温が下がってきて動かなくなると寒さを感じ始めた。
ラストが膝を寄せて焚き火に手をかざす。
「リューちゃん大丈夫?」
「まだこれぐらいなら平気だよ」
リュードは寒さに弱い。
竜人族全体が寒さに強くない種族なのである。
もちろんそのことも知っているルフォンはピタリとリュードにくっつく。
昔は寒い時にルフォンは良くリュードにくっついていた。
人狼族は体温が高めで寒さに強い。
逆に暑さに弱いのだけど魔人化した姿の影響が普段の姿にも多少表れているのだ。
ルフォンはリュードに近づきたい。
リュードは寒いので温かいルフォンがそばにいるとありがたい。
ウィンウィンなのである。
見ているとまたヴィッツに冷やかされそうなのでラストはリュードたちの方を見ないで焚き火を見つめていた。
「危ない!」
ヴィッツがラストの前に手を伸ばした。
その指の間にはナイフ。
暗くなってきたどこからかラストに向けてナイフが飛んできた。
それをヴィッツがいち早く察してキャッチしていたのだ。
敵襲。
各々が武器を取り、焚き火を背にするように周りを警戒する。
「敵は3人、散らばっております」
血人族も人狼族と同じく闇に強い一族。
リュードは暗くなった周りの様子があまり分かっていないがリュード以外の3人には周りの様子が見えていた。
敵の気配は感じるが黒い格好をしている敵の姿は闇に溶け込んでいてリュードの目には映らない。
「来ます、気をつけてください!」
46
あなたにおすすめの小説
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜
大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!?
どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる