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第四章
手負いの牛肉2
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苛立ちは募っていく。
早く助けたいと焦る気持ちがラストを苛立たせるのだ。
せめてもう少し待ってくれとクゼナに伝えたかった。
けれど何度もクゼナのところに出入りするのもまた目をつけられる可能性高めてしまう。
時間も惜しいのでそのまま移動してきていた。
「それでバロワってのはどんな奴なんだ?」
敵を知れば百戦危うからずともいう。
バロワが敵かは知らないけど知っておいて損はない。
次もプジャンにみたいに何かしてくる相手なら警戒は怠れない。
強硬な手段を取ってくるのか、回りくどい手を好むのかでも変わってくる。
リュードに聞かれたラストはあごに手を当ててバロワのことを考える。
「私から見るとバロワ兄さんは……あんまり分からない人」
「分からないってなんだ?」
「プジャン兄さんやベギーオ兄様はあからさまに私のことを敵視している感じがするけどバロワ兄さんからはあんまりそんな感じがしないの。中立って感じだけど、だからといって私が何かされてもバロワ兄さんは何もしない。攻撃も手助けも何もしないの」
敵意のある目で見られた記憶はない。
だからといって味方してくれた記憶もなかった。
「プジャン兄さんやベギーオ兄様がやっていることをただ黙って見ているという点では敵だけど、直接何かされことはないかな。
どっちかっていうとお姉ちゃんの方が関係は近いのかな? 確かほとんど同い年で、2人は挨拶ぐらいしてたと思う」
ラストとは表面的な挨拶を交わすぐらいだけどレストと会話しているところは見たことがあることを思い出した。
レストもあまり他の兄弟とは仲が良くなく会話する方ではないのに珍しくバロワとは話していたから覚えている。
ただバロワが敵対しないのはラストに対してだけではない。
他の兄弟に対しても敵対しないのである。
妨害や監視をつけることはないけれど、他の人が領内でそのような行為をしていてもバロワは特に気に留めることもないだろうとラストは思う。
「じゃあこのままプジャンの監視がついてても……」
「気にしないかもしれない」
バロワの領地に差し掛かっても相変わらず監視の目の存在を感じていた。
バロワが気にしないならこのままリュードたちの監視を続けるつもりなのだろう。
自分の領内でコソコソする奴がいても気にしないとはそれでいいのかと多少不快感をリュードは感じていた。
監視がなくなれば楽だったのにとリュードは内心舌打ちをしたい気分だった。
とりあえずはバロワの領地に治療薬を作るための設備があることを願うのみである。
監視がついている弊害は大きい。
監視と言いながらも手を出してこない保証なんてものもないので気を抜くことが出来ず、常に見られている感覚がある。
旅の最中なので気を抜いていられはしないのだけど、いつもよりもひとつ上の警戒を求められるので精神的に疲れてしまう。
「ふぅ……あれ使えたらなぁ」
見られている事によって色々と制限もある。
気は抜けなくても気兼ねなくやりたい事ぐらいいくつかあるのだけどそうしたこともできないでいる。
「確かにな」
1番負担なのはマジックボックスの袋が使えないことである。
実は先祖返りは特に秘密でもなかったので先祖返りのことをバラすのはラストとリュードたちにとってフェアじゃないと思ってマジックボックスの袋のことをバラしていた。
秘密を教え合うということで仲を深める目的もあるけれどマジックボックスの袋を使いたかったということも大きい。
やっぱりマジックボックスの袋が使えると便利なのである。
二人にも教えたのである程度の荷物はマジックボックスに移している。
しかし監視の目がある前でいきなり知らない荷物を出すわけにはいかない。
多少の荷物は誤魔化しながらマジックボックスに出し入れすることはできるのだけど、ルフォンご自慢の香辛料やコンロといった大きな物は誤魔化せない。
その他の持っているように見えないアイテムも出すことが出来ない。
目に見える物は持って歩かなきゃいけないのだ。
「あとは体ぐらい洗いたいなぁ……」
女性用にテントを張っているけれどそれでも人の目があることは気になってしまう。
簡単な水浴びすらも出来ない。
ラストとは違う理由でルフォンも苛立っていた。
綺麗好きなルフォンはリュードがシャワーやお風呂部屋を作る魔法で部屋を作って周りから姿を隠して外で体を綺麗にしたりする。
しかしいくら壁を作っても覗かれるかもしれないと思いながらそんなことするつもりにはなれなかった。
プジャンの領地も離れたしどこかで監視役を消してしまってもいいかもしれないとも思い始めた。
ただ監視から隠れる場所が少なくてバレないように監視に接近するのも難しい。
監視側も隠れられるように距離を空けているので遠いこともまた状況が良くない。
確実に倒せる時でなければ逃げられてプジャンに報告されてしまう。
まあ監視がバレましたと報告する以外に何を報告することもないのでバレてしまっても構わない気もする。
クゼナを早く助けたいラストと監視にイラつくルフォン。
状況は着実に前に進んでいるはずなのに雰囲気は少々よろしくなかった。
早く助けたいと焦る気持ちがラストを苛立たせるのだ。
せめてもう少し待ってくれとクゼナに伝えたかった。
けれど何度もクゼナのところに出入りするのもまた目をつけられる可能性高めてしまう。
時間も惜しいのでそのまま移動してきていた。
「それでバロワってのはどんな奴なんだ?」
敵を知れば百戦危うからずともいう。
バロワが敵かは知らないけど知っておいて損はない。
次もプジャンにみたいに何かしてくる相手なら警戒は怠れない。
強硬な手段を取ってくるのか、回りくどい手を好むのかでも変わってくる。
リュードに聞かれたラストはあごに手を当ててバロワのことを考える。
「私から見るとバロワ兄さんは……あんまり分からない人」
「分からないってなんだ?」
「プジャン兄さんやベギーオ兄様はあからさまに私のことを敵視している感じがするけどバロワ兄さんからはあんまりそんな感じがしないの。中立って感じだけど、だからといって私が何かされてもバロワ兄さんは何もしない。攻撃も手助けも何もしないの」
敵意のある目で見られた記憶はない。
だからといって味方してくれた記憶もなかった。
「プジャン兄さんやベギーオ兄様がやっていることをただ黙って見ているという点では敵だけど、直接何かされことはないかな。
どっちかっていうとお姉ちゃんの方が関係は近いのかな? 確かほとんど同い年で、2人は挨拶ぐらいしてたと思う」
ラストとは表面的な挨拶を交わすぐらいだけどレストと会話しているところは見たことがあることを思い出した。
レストもあまり他の兄弟とは仲が良くなく会話する方ではないのに珍しくバロワとは話していたから覚えている。
ただバロワが敵対しないのはラストに対してだけではない。
他の兄弟に対しても敵対しないのである。
妨害や監視をつけることはないけれど、他の人が領内でそのような行為をしていてもバロワは特に気に留めることもないだろうとラストは思う。
「じゃあこのままプジャンの監視がついてても……」
「気にしないかもしれない」
バロワの領地に差し掛かっても相変わらず監視の目の存在を感じていた。
バロワが気にしないならこのままリュードたちの監視を続けるつもりなのだろう。
自分の領内でコソコソする奴がいても気にしないとはそれでいいのかと多少不快感をリュードは感じていた。
監視がなくなれば楽だったのにとリュードは内心舌打ちをしたい気分だった。
とりあえずはバロワの領地に治療薬を作るための設備があることを願うのみである。
監視がついている弊害は大きい。
監視と言いながらも手を出してこない保証なんてものもないので気を抜くことが出来ず、常に見られている感覚がある。
旅の最中なので気を抜いていられはしないのだけど、いつもよりもひとつ上の警戒を求められるので精神的に疲れてしまう。
「ふぅ……あれ使えたらなぁ」
見られている事によって色々と制限もある。
気は抜けなくても気兼ねなくやりたい事ぐらいいくつかあるのだけどそうしたこともできないでいる。
「確かにな」
1番負担なのはマジックボックスの袋が使えないことである。
実は先祖返りは特に秘密でもなかったので先祖返りのことをバラすのはラストとリュードたちにとってフェアじゃないと思ってマジックボックスの袋のことをバラしていた。
秘密を教え合うということで仲を深める目的もあるけれどマジックボックスの袋を使いたかったということも大きい。
やっぱりマジックボックスの袋が使えると便利なのである。
二人にも教えたのである程度の荷物はマジックボックスに移している。
しかし監視の目がある前でいきなり知らない荷物を出すわけにはいかない。
多少の荷物は誤魔化しながらマジックボックスに出し入れすることはできるのだけど、ルフォンご自慢の香辛料やコンロといった大きな物は誤魔化せない。
その他の持っているように見えないアイテムも出すことが出来ない。
目に見える物は持って歩かなきゃいけないのだ。
「あとは体ぐらい洗いたいなぁ……」
女性用にテントを張っているけれどそれでも人の目があることは気になってしまう。
簡単な水浴びすらも出来ない。
ラストとは違う理由でルフォンも苛立っていた。
綺麗好きなルフォンはリュードがシャワーやお風呂部屋を作る魔法で部屋を作って周りから姿を隠して外で体を綺麗にしたりする。
しかしいくら壁を作っても覗かれるかもしれないと思いながらそんなことするつもりにはなれなかった。
プジャンの領地も離れたしどこかで監視役を消してしまってもいいかもしれないとも思い始めた。
ただ監視から隠れる場所が少なくてバレないように監視に接近するのも難しい。
監視側も隠れられるように距離を空けているので遠いこともまた状況が良くない。
確実に倒せる時でなければ逃げられてプジャンに報告されてしまう。
まあ監視がバレましたと報告する以外に何を報告することもないのでバレてしまっても構わない気もする。
クゼナを早く助けたいラストと監視にイラつくルフォン。
状況は着実に前に進んでいるはずなのに雰囲気は少々よろしくなかった。
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