人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

文字の大きさ
222 / 550
第四章

手負いの牛肉3

しおりを挟む
 面倒なことにラストは大領主なので大人の試練の前に大領主としてのマナーとしてバロワのところにご挨拶に伺う。
 特にラストに興味もなさそうなので挨拶に行かなくてもいいじゃんと文句を垂れながらもラストはすっぽかすこともしない。

 バロワが何も言わなくともプジャンあたりが文句を言ってくるかもしれないからちゃんとしているのだ。

「久しぶりだな、ラスト。元気そうで何よりだ」

「バロワ兄さんもお元気そうで」

 レストは姉なので当然として、プジャンも細目ではあったけれどラストとはどことなく似た感じを受けた。
 兄妹ではあるので似ていたところがあってもおかしくはない。
 
 けれどバロワは少しラストとは違った感じの印象がある。
 兄妹だからと似るものでもないので、似ていないからなんだという話ではあるが似てないなとリュードは思った。
 
 キリッとした顔立ちの偉丈夫で、細身な印象のある血人族の中でもがっしりと体型の男性だった。
 ちょうどどこからか帰ってきたのか大きな剣を背負ったままラストを迎え入れたバロワは確かにラストとそこまでバチバチする雰囲気がない。

「大領主になったがどうだ、楽な仕事ではないだろう?」

「ええ、姉の助けもあってどうにかやれています」

「……姉の、サキュルレストはどうだ? 元気にしているか?」

「はい、おかげさまで」

「そうか、よろしく伝えておいてくれ」

「分かりました」

 プジャンの時とは違って少し言葉を交わす。
 親そうな雰囲気はないが、全く交流を持たない訳でもなさそうであった。

「くれぐれも気をつけろよ」

「……ありがとうございます」

 思っていたよりも悪い人じゃなさそうだ。
 リュードはバロワのことをそう思った。

 ーーーーー

 次の大人の試練は魔物の討伐であった。
 ダンジョンの攻略と並んでこちらも大人の試練としてはよくあるやり方である。

 大体が都市部周辺ではなく、遠く離れた田舎の魔物の討伐が多い。
 弱い魔物が出やすいということだけではない。

 大人の試練であることを口実にして冒険者が少なかったり人手が回らない田舎の魔物を討伐させるのである。
 都市部周辺では冒険者に狩られてしまうということもあるし、色々と都合よく大人の試練だからと使われることもままある話だ。

 今回ラストが赴く場所も遠く、ど田舎であった。
 人がよく通るところにいる魔物というのは人が厄介な敵であることを知っているので道を通っているとあまり襲われることはない。

 けれど田舎の魔物というのはそういうことが分からない魔物も多いのか結構襲いかかってきたりもする。
 人という脅威が少ないために学ばないのである。

 こうした魔物が強いことなんてないのだけれどこんな魔物が大人の試練の対象だったら楽なのにと思ってしまう。
 途中でモノランに会うなどの問題が発生したこともあったけれどリュードもルフォンもそれなりに旅慣れていて、ヴィッツも何でもできる。
 
 最初こそ文句を言っていたラストも手慣れてきたし、移動に関しては黙々と歩く子であった。
 クゼナのことで少しスピードアップしたこともあってギリギリだったスケジュールも少しだけ余裕が出来てきていた。

「お待ちしておりました」

 予定よりも巻いて大人の試練に指定された地点の近くの村までやってこれた。
 村の外ではすでにコルトンが野営をしており、村に近づくラストたちに気づくと頭を下げた。

 先回りして待っているなんて面倒なことをしないで一緒に行けばいいのにと思うのだけどそう出来ない事情でもあるのだろうと考えておく。
 試験官として見届けるのに親しくならないようにしているのかもしれない。
 
 村についたラストが村長に挨拶をしに行く。
 すると以前に出て行った人の家がまだ空いているのでそこに泊まってはどうかと提案してくれた。

 宿代としていくらか村長に渡して安く家に泊まることが出来ることになった。
 行ってみると人がいないと聞いていたけど家は綺麗で泊まらせてもらうのがありがたいぐらいであった。

「それではサキュルラスト様の3つ目の大人の試練の内容についてご説明させていただきます」

 借りた家のリビングにみんなとコルトンが集まっていた。
 魔物の討伐は流動的である。

 いくら気をつけていたって冒険者が倒してしまうこともあるし、魔物同士のナワバリ争いなどが起きてしまうこともある。
 下手すると魔物がいないなんてこともあるので魔物の討伐の試練は直前まで大人の試練の内容は明かされない。

「3つ目の大人の試練はミノタウロスの討伐です」

「はあっ!?」

 コルトンの口から飛び出してきた魔物の名前にラストが驚く。
 いや全員が驚いていた。

「ミノタウロスなんて魔物がどうしてこんなところにいるのよ!」

 半人半牛、牛頭人身とも言われる魔物。
 頭が牛で体が人のような姿をしていて、非常に凶暴で力が強く強靭な肉体を持っている。

 見た目の特徴から分かりやすい魔物ではあるのだけれど能力は高く、頑丈でありながら多少の知恵も持っている。

 ダンジョンにいるならボスクラスの魔物であって簡単な相手ではない。
 むしろ難しい部類に入る魔物である。

 発見されたらギルドの方からすぐにでも討伐の依頼が高ランクの冒険者に出される。
 それほどの危険性があって大人の試練として2人で戦う魔物ではないはずだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜

大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!? どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...