人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

文字の大きさ
227 / 550
第四章

手負いの牛肉8

しおりを挟む
「お堅いことだな」

 少なくとも悪人ではないのだろうけど気を使わなさすぎるのも多少は問題であると言えよう。
 あんな性格だからラストの不正を許さないとして派遣されてきたのかもしれない。

「ま、いいや」

 コルトンの愛想の無さは最初からである。
 賄賂をもらってラストに不利なようにする人が来ることに比べてみればしっかりと仕事してくれるのだから文句はなしである。

 そんなことよりもやるべきことがあるとリュードはコルトンがいなくなったことを確認してミノタウロスに目を向けた。

「ふふふっ……」

「どうしたのリューちゃん?」

 妖しい笑みを浮かべるリュードはナイフを取り出した。

「ルフォン、ラスト、ミノタウロスを解体するぞ」

「えっ?」

「こ、これを?」

 2人が驚いた顔をする。
 魔物の解体はこれまでやってきた。

 食べられる魔物も多いので食料の負担を軽くするために倒した魔物を解体して食べることもあったからだ。
 ただ解体したのは小型で簡単に解体できそうなものばかりだった。

 ミノタウロスなんてデカいし解体することも難しそうでリュードが解体しようなんて言い出すのは意外で驚いていた。

「ミノタウロスはな、超高級食材なんだ!」

 ミノタウロスと聞いてリュードが最初に思ったのは“食べてみたい”であった。
 要するに牛であるミノタウロスは超がつく高級食材でありその肉は高値で取引される。

 滅多に現れず、また強力な魔物であるので市場には出回らないのがミノタウロス肉なのである。
 本でミノタウロスのことを読んだリュードは最初から勝って解体して肉にするつもりだった。

 本の中では厚めのステーキにして食べた記述があった。
 今まで食べた肉が革製の靴だったのではないかと思えるほどの美味さを誇るらしい。

「ほら、手伝ってくれよ」

 リュードは魔物の解体の専門家ではないけれど、近くに解体を専門にする業者や解体を引き受けてくれる冒険者ギルドもない。
 大きな町ならそういったところもあるのだけど、小動物しかいない村ではそんなところがないのである。

 個人の解体スペースぐらいはあるだろうけどミノタウロスを解体できるほどの広さがなく、このまま外で解体した方が結果的に楽である。
 自分で解体するしかない。

 町まで持っていったら目立つし、解体してもらうと確実に噂になる。
 ミノタウロスの肉を売ってくれなんて付き纏われたら嫌である。

 一応解体するので素材も分けてみるつもりだけど肉メインなので素材の価値が下がったところでリュードは問題にもしない。

「頭は……捨てようか」
 
 解体が苦手ではないルフォンと嫌な顔をするラストにも手伝ってもらってミノタウロスをいそいそと解体する。
 肉の部位もなんとなくで分けているけど素人なのでそこまで気にしない。
 
 どこまで食べられるのかとかも分からないのでできるだけ多く肉を取って冷凍ボックスに入れておく。
 豚肉ももうほとんどなくなってしまっていたのでいい補充ができたとリュードは鼻歌混じりに肉を切り分ける。
 
 平然とマジックボックスの袋を使っているリュードはすっかり監視が付いていることを忘れていない
 肉はある程度血を抜いて、水が染み込まないように加工された紙で包み込んで大きめのリュックの中にある袋の中に入れておく。

 こうすれば監視から見れば普通にリュックの中にお肉を入れているように見える。

「なかなか解体って難しいな」

 今度機会があるなら解体の仕方というものをしっかり習っておきたいとリュードは思った。
 冒険者学校でも教えてくれていたけれど小型の魔物の解体を軽く座学で教えてくれただけだった。

 ミノタウロスまではいかなくても大型の魔物の解体ぐらいできても損はなさそうだ。

「結構肉は取ったし残りはちゃんと処分しよう」
 
 ある程度解体したら残りの部分は残念ながら土に埋めて火をつけて燃やしたら埋め戻す。
 綺麗めに取れた皮もいくらか確保できたので上出来で割と上手く解体出来のではないかと自画自賛する。

 ただリュードは解体した時に見たミノタウロスの傷跡が気になっていた。
 リュードやラストが付けたもの以外にもミノタウロスの体には傷跡があった。
 
 腕もそうなのだけど、ミノタウロスについていた傷は綺麗なものであった。
 まるでちゃんとした武器で切りつけたようであったとリュードの目にはそう見えた。

「魔物同士で戦ったわけじゃなさそうだよな」
 
 魔物が扱う武器は大体錆びていてしまったりして品質が悪い。
 そんな感じではなくスパッと切れている感じがしていた。
 
 爪や牙で出来ないこともないので断定することは出来ないが、人の手によって傷つけられたのではないかという気がしてならなかった。
 冒険者と戦って逃げてきたと仮定してもおかしな話ではない。
 
 冒険者が追いかけてこなかったことに説明がつけられないけれど、冒険者が追い詰めたミノタウロスを逃してしまった可能性が大きい。
 何にしても推測の域はでない。

「まあいいか」

 かなり楽に大人の試練を終えることができた。
 ついでに肉も手に入れることができた。

 今はそれでいいのである。
 村でもミノタウロスがいなくなって平和が戻ってきてまたのんびりとした日常が帰ってくる。
 
 村人に感謝されつつ家に戻ったリュードたちはミノタウロスの肉で焼き肉パーティーをして楽しんだのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜

大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!? どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...