人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

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第四章

不死の軍団3

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「ただ今回は危険も予想されます」

 偵察の話ではスケルトンの上位種であるスケルトンメイジやスケルトンナイトもいて、その後ろにはダンジョンのボスであるデュラハンもいたらしい。
 今回現れたデュラハンは大きな剣を持ち、黒い鎧でできたような馬に乗っていた。
 
 黒いオーラにも見える魔力をまとい、通常のデュラハンよりも強そうであったとのことだった。

「単純なスケルトンといかないのもな……」
 
 野良で発生するスケルトンは武器を持っていないこともある。
 近くに武器があると使うようだけど何もないもただ素手で殴りかかってくるモンスターになるのだ。

 だが今回のスケルトンたちはダンジョン産であり、武器を持っている個体も多い。
 なぜかダンジョンで生まれるスケルトンは最初から武器を与えられているのである。

 良い武器ではなくボロボロのものだがあるのとないのでは大きく差が生まれる。
 危険度は普通のスケルトンを相手するよりも上になってしまう。

 進行の速度から見てスケルトンが到着するのは夜が明けた頃になると予想された。

「……ラストのせいじゃない」

 こうなったのは大人の試練のせいだ。
 大人の試練として使うためにダンジョンが閉鎖されたのでダンジョンブレイクが起きた。
 
 閉鎖したために町に滞在している冒険者も少なく最悪の状況。
 ラストの顔を見れば何を考えているのかリュードには分かった。

「でも……」

「少し封鎖したからってダンジョンがブレイクはない。ラストの責任じゃなく何かあるんだ」
 
 勝手に責任を感じて暗い顔をしているラストの肩に手を置く。
 これはラストのせいではないというのはただの慰めではない。
 
 ダンジョンを国やギルドで管理していることの意味はこういった事態を起こさないようにするためである。
 仮に封鎖しているとしても中の魔物を狩ったりしてダンジョンの維持は行う。
 
 それに全く放置していたとしても何十年と放置されているわけでなければダンジョンブレイクなんて簡単に起こるものではない。
 町の様子を見るにそんなに長いこと封鎖していたものではないようだし、大人の試練で短期間放置したからダンジョンブレイクが起きたと考えるのは無理がある。
 
 何かダンジョンブレイクを短期間で引き起こした原因があるとリュードは考えていた。
 ダンジョンに何かをしようとした、あるいは何かをしていた。

「何をしたのかは分からないけれど多分失敗したんだろうな」

 まさかラスト憎さに自分の領地でベギーオがダンジョンブレイクを起こさせることも考えにくい。
 ダンジョンに手を加えようとして失敗したのではないかなんてことを思っている。

 理由はダンジョンは人がそう簡単にコントロールできるものではないからだ。
 ただ多少の手心は加えることができるのでどこかの段階でやりすぎた可能性があった。

「くっ……」

 報告を受けてジグーズは考えた。
 防衛し切るのは難しいかもしれない。

 外はまだ暗いけれど手遅れになる前に町の人を避難させ、戦力は減るけどいくらか冒険者を道中に置いて町の人を警護させて近くの町まで引かせることを決断した。
 たとえ逃げるのが難しくてもこのまま町に留め置いたら甚大な被害が出てしまうと感じたのである。

 逃げるようにとアナウンスし始めて、町の人が一斉に動き出した。
 事前に準備をしていて、最初のアナウンスから多少の時間が経っていたせいか町の人たちはそれほどパニックにもならなかった。
 
 冷静にではなかったけれど大きな問題もなく持てる荷物を持ってスケルトンたちが迫る方とは逆の門から続々と出ていった。
 ただ避難できない人や避難をしないと残る人もいる。
 
 町を捨てて逃げるわけにもいかないし、みんながしっかりと逃げるまでの時間を稼ぐ必要がある。
 冒険者や衛兵たちは覚悟を決めた。
 
 見込みは少なくとも様々なもののためにチッパに籠城することを。
 空が明るんできた頃、城壁の上からでも真っ白の軍隊が見え始めた。

「閉門せよ! 何があっても我々の方から門を開けることはない!」
 
 同じくその頃ようやく最後の町を離れる人が門から出発して、チッパの町の門は固く閉ざされた。
 死者の軍隊と誰かが形容した。
 
 一体一体大したことのないスケルトンでも地面が白く見えるほどに集まってみせるとバカにできない。

「デュラハンの姿はありません!」
 
 見えるスケルトンの中にデュラハンはいない。
 相当後方にいるのか、まだダンジョン付近にでも留まっているのか。
 
 ただデュラハンがいなくて少しだけ負担は軽くなった。
 しかしチッパの防衛力は高くないので厳しいことに変わりはない。
 
 城壁に囲まれて一見して防御力が高そうな町に見えるのだけれど、言い換えれば城壁があるだけである。
 かつてはダンジョンが近くにあるからとしっかりと城壁を管理維持していたのだが、過去に一度もダンジョンブレイクなんて起きたことはなくお飾りの城壁になってしまった。
 
 その役割を果たしたことのない城壁は劣化が進んでおり、見た目ほどの耐久性はない。
 またそうした城壁を生かせるだけの備蓄や装備もチッパにはなかった。
 
 ただ耐え抜くだけというのはいうのは簡単でも実際にはとても難しいことである。

「頼むぞ……」

 城壁を頼りにただ耐え抜くだけでは厳しいのでチッパの方から攻撃することも考えていた。
 先頭を歩くスケルトンが生ける人の存在に気がついた。
 
 偵察にも出てくれた足に自信のある獣人族の冒険者の男性だった。
 一人チッパの城壁の外でスケルトンの大群の前に立ちはだかっていた。
 
 無謀な単独行動でも英雄気取りでも何でもない。
 誰も男を止めようともしない。
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