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第四章
最後の挑戦8
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冷静になれば戦うのも難しいこともない。
リュードは前に出て六体の魔物の注意を引きつけて防御に専念する。
「よっと!」
攻撃を防ぎ、かわし、間を抜けて翻弄する。
体の大きく動きのノロいゴーレムを上手く使って魔物同士をぶつけたり壁にしたりと六体の魔物がリュードもてあそばれる。
反撃まで考えるとリスクがだいぶ出てくるけれど身を守ることだけを考えると無理をしなくても注目を引き続けることはできる。
その間に気配を消していたラストがゆっくりと弓を引いた。
元々ラストが使っていた弓はデュラハンとの戦いで無茶をした時に壊れてしまった。
使っていた弓は特注品で魔力を込めると引きやすくなる技術が使われていて、しかもかなり強めに弦も張ってあった。
そんなものそこらへんに売ってはいないので今は市販品のものを使っていた。
勝手の違いに最初は狙いがうまく定まらなかったけれど、普段から弓を使っているラストはあっという間に普通の弓にも慣れてしっかりと狙えるようになっていた。
矢の方も実は特注だった。
矢に魔力を込めて爆発させるチャージショットは強いのだけど矢がすぐにダメになってしまう。
ここで使うのは弓と一緒に購入した普通の矢。
これなら壊れてもまた買えばいい。
大きく棍棒を振り下ろして隙だらけになったホブゴブリンの頭を狙う。
「はっ!」
「いいぞ、ラスト!」
ホブゴブリンの頭に深々と突き刺さった矢が爆発を起こした。
頭を吹き飛ばされたホブゴブリンは一瞬の間を置いてがくりと倒れて魔力の粒子となる。
魔物もラストには気づいているのだが身近にいるリュードの方を優先してラストの方にはいかない。
遠距離攻撃を先に相手するとか、戦力を分ける知恵を魔物は持っていなかった。
「次は……」
攻撃終わりがやはり隙となる。
向かって大きく口を開けて噛みつこうとしたハイコボルトの攻撃をリュードがかわす。
ギリギリまで引きつけてかわされて体が前に流れたハイコボルトは踏みとどまろうとして動きが止まった。
「ここ!」
リュードが作った隙を狙ってラストが矢を放った。
新しい弓の軌道も自分のものにしているラストはハイコボルトの後頭部に矢を突き刺した。
意図したものでもないけど狙いやすい順に狙っていくと弱い順に狙うことになり、自然と戦った順に倒していくことになった。
ホブゴブリン、ハイコボルトときて、次はカエル、そしてトカゲとラストの弓矢が射抜いた。
1射1殺。
ボスだったのでもしかしたらこれまでの中ボスよりは強かったのかもしれないが、ラストの正確な射撃の前に魔物たちはあっという間に魔力の粒子にされてしまった。
「残るはゴーレムだけだ!」
最後に残ったのはゴーレム二体だけである。
こうなるとひとつ前の階と変わらない。
ゴーレムを倒すにはコアと呼ばれる魔力の集まったところを破壊する必要がある。
ラストの矢でも正確に打ち抜けば倒せないこともないが体のどこにあるのか分からないコアを打ち抜くのは至難の業である。
「ラスト、交代だ!」
「オッケー!」
ここでリュードたちは役割を入れ替えることにした。
リュードが退いてラストが前に出る。
ムチを取り出してゴーレムの体を叩きつけて注意を引きつける。
うまく注意がラストの方に向き、ゴーレムが腕を振り上げてラストに襲いかかる。
動きは重鈍。
十分な広さのあるボス部屋ではラストを捉えることはできない。
「こっちだよ!」
攻撃する意思を見せるためにラストがムチを叩きつける。
ゴーレムに対して大したダメージにはならないが戦うつもりがあって敵であるとしっかり見せつけることができる。
そうしてラストが2体のゴーレムの気を引いてくれている間にリュードが後ろに回る。
リュードが後ろに回ったのを見てラストも単純な回避から少しだけ知恵を働かせる。
敵対せず同じくラストに襲いかかるゴーレムであるがその動きは協力や連携しているものではない。
それぞれのゴーレムが好き勝手に動いてラストに攻撃している。
「ほっ、へへん!」
「ナイスだ!」
ラストは上手くゴーレムの攻撃のタイミングや方向をコントロールして、ゴーレム同士をぶつけた。
バランスが崩れ、ゴーレムは大きくふらついた。
リュードが後ろから大きく剣を振った。
狙うはスノーゴーレム。
メルトロックゴーレムよりも柔らかく、切りやすいから先に倒してしまおうと考えた。
袈裟斬りにされたスノーゴーレムは上半身と下半身がズレていき、二つに分かれて地面に倒れる。
脅威にならないラストと脅威になるリュード。
すぐさまメルトロックゴーレムはリュードの方を敵とした。
「下半身!」
「分かった!」
ターゲットから外れたラストはジッとスノーゴーレムの倒れた体を見ていた。
大きくてもゴーレムはゴーレムなので倒すにはコアを狙わなきゃいけない。
ただ二つにしただけでは倒したことにならず、魔力の粒子となって消えもしない。
最初は動かなかったスノーゴーレムだけど見ていると足がズズズと動いているのをラストは見逃さなかった。
下半身が動いて再生しようとしている。
つまりコアは下半身にあるということになる。
何もない状態からコアの正確な位置を把握するのはリュードとラストにはできない。
真魔大戦ぐらいの頃にいた魔法が得意で感知能力に長けた人なら大まかな場所は感知することができただろう。
けれどコアの場所を大体把握する方法がある。
ゴーレムはコアがある部分から再生する能力があり、コアがある部分はまだ動くことができる。
その能力を逆に利用して少しずつ破壊して再生の具合や動きからコアの場所を絞り込んでいくのだ。
「おりゃ!」
リュードはメルトロックゴーレムの攻撃の間を縫って倒れたスノーゴーレムの下半身をさらにそれぞれの足に両断する。
コアの場所が判別できないからやたらめったらと攻撃してコアに当たることを期待するのはナンセンスだ。
「左!」
「おう!」
今度は左足が動き、コアの場所が段々と特定されていく。
再生力も高くないので切って観察を繰り返し、手のひら大までスノーゴーレムはリュードに切り刻まれた。
そろそろ出てきてもいいと思いながらさらにスノーゴーレムを切り裂くと剣が固いものにぶつかる感触があった。
みると白い断面に丸い琥珀色の断面も混ざっている。
上手いことゴーレムの核も一緒に叩き切ったのである。
途端に残っていたスノーゴーレムのバラバラにされた体が溶けていき、そして魔力の粒子となる。
リュードは前に出て六体の魔物の注意を引きつけて防御に専念する。
「よっと!」
攻撃を防ぎ、かわし、間を抜けて翻弄する。
体の大きく動きのノロいゴーレムを上手く使って魔物同士をぶつけたり壁にしたりと六体の魔物がリュードもてあそばれる。
反撃まで考えるとリスクがだいぶ出てくるけれど身を守ることだけを考えると無理をしなくても注目を引き続けることはできる。
その間に気配を消していたラストがゆっくりと弓を引いた。
元々ラストが使っていた弓はデュラハンとの戦いで無茶をした時に壊れてしまった。
使っていた弓は特注品で魔力を込めると引きやすくなる技術が使われていて、しかもかなり強めに弦も張ってあった。
そんなものそこらへんに売ってはいないので今は市販品のものを使っていた。
勝手の違いに最初は狙いがうまく定まらなかったけれど、普段から弓を使っているラストはあっという間に普通の弓にも慣れてしっかりと狙えるようになっていた。
矢の方も実は特注だった。
矢に魔力を込めて爆発させるチャージショットは強いのだけど矢がすぐにダメになってしまう。
ここで使うのは弓と一緒に購入した普通の矢。
これなら壊れてもまた買えばいい。
大きく棍棒を振り下ろして隙だらけになったホブゴブリンの頭を狙う。
「はっ!」
「いいぞ、ラスト!」
ホブゴブリンの頭に深々と突き刺さった矢が爆発を起こした。
頭を吹き飛ばされたホブゴブリンは一瞬の間を置いてがくりと倒れて魔力の粒子となる。
魔物もラストには気づいているのだが身近にいるリュードの方を優先してラストの方にはいかない。
遠距離攻撃を先に相手するとか、戦力を分ける知恵を魔物は持っていなかった。
「次は……」
攻撃終わりがやはり隙となる。
向かって大きく口を開けて噛みつこうとしたハイコボルトの攻撃をリュードがかわす。
ギリギリまで引きつけてかわされて体が前に流れたハイコボルトは踏みとどまろうとして動きが止まった。
「ここ!」
リュードが作った隙を狙ってラストが矢を放った。
新しい弓の軌道も自分のものにしているラストはハイコボルトの後頭部に矢を突き刺した。
意図したものでもないけど狙いやすい順に狙っていくと弱い順に狙うことになり、自然と戦った順に倒していくことになった。
ホブゴブリン、ハイコボルトときて、次はカエル、そしてトカゲとラストの弓矢が射抜いた。
1射1殺。
ボスだったのでもしかしたらこれまでの中ボスよりは強かったのかもしれないが、ラストの正確な射撃の前に魔物たちはあっという間に魔力の粒子にされてしまった。
「残るはゴーレムだけだ!」
最後に残ったのはゴーレム二体だけである。
こうなるとひとつ前の階と変わらない。
ゴーレムを倒すにはコアと呼ばれる魔力の集まったところを破壊する必要がある。
ラストの矢でも正確に打ち抜けば倒せないこともないが体のどこにあるのか分からないコアを打ち抜くのは至難の業である。
「ラスト、交代だ!」
「オッケー!」
ここでリュードたちは役割を入れ替えることにした。
リュードが退いてラストが前に出る。
ムチを取り出してゴーレムの体を叩きつけて注意を引きつける。
うまく注意がラストの方に向き、ゴーレムが腕を振り上げてラストに襲いかかる。
動きは重鈍。
十分な広さのあるボス部屋ではラストを捉えることはできない。
「こっちだよ!」
攻撃する意思を見せるためにラストがムチを叩きつける。
ゴーレムに対して大したダメージにはならないが戦うつもりがあって敵であるとしっかり見せつけることができる。
そうしてラストが2体のゴーレムの気を引いてくれている間にリュードが後ろに回る。
リュードが後ろに回ったのを見てラストも単純な回避から少しだけ知恵を働かせる。
敵対せず同じくラストに襲いかかるゴーレムであるがその動きは協力や連携しているものではない。
それぞれのゴーレムが好き勝手に動いてラストに攻撃している。
「ほっ、へへん!」
「ナイスだ!」
ラストは上手くゴーレムの攻撃のタイミングや方向をコントロールして、ゴーレム同士をぶつけた。
バランスが崩れ、ゴーレムは大きくふらついた。
リュードが後ろから大きく剣を振った。
狙うはスノーゴーレム。
メルトロックゴーレムよりも柔らかく、切りやすいから先に倒してしまおうと考えた。
袈裟斬りにされたスノーゴーレムは上半身と下半身がズレていき、二つに分かれて地面に倒れる。
脅威にならないラストと脅威になるリュード。
すぐさまメルトロックゴーレムはリュードの方を敵とした。
「下半身!」
「分かった!」
ターゲットから外れたラストはジッとスノーゴーレムの倒れた体を見ていた。
大きくてもゴーレムはゴーレムなので倒すにはコアを狙わなきゃいけない。
ただ二つにしただけでは倒したことにならず、魔力の粒子となって消えもしない。
最初は動かなかったスノーゴーレムだけど見ていると足がズズズと動いているのをラストは見逃さなかった。
下半身が動いて再生しようとしている。
つまりコアは下半身にあるということになる。
何もない状態からコアの正確な位置を把握するのはリュードとラストにはできない。
真魔大戦ぐらいの頃にいた魔法が得意で感知能力に長けた人なら大まかな場所は感知することができただろう。
けれどコアの場所を大体把握する方法がある。
ゴーレムはコアがある部分から再生する能力があり、コアがある部分はまだ動くことができる。
その能力を逆に利用して少しずつ破壊して再生の具合や動きからコアの場所を絞り込んでいくのだ。
「おりゃ!」
リュードはメルトロックゴーレムの攻撃の間を縫って倒れたスノーゴーレムの下半身をさらにそれぞれの足に両断する。
コアの場所が判別できないからやたらめったらと攻撃してコアに当たることを期待するのはナンセンスだ。
「左!」
「おう!」
今度は左足が動き、コアの場所が段々と特定されていく。
再生力も高くないので切って観察を繰り返し、手のひら大までスノーゴーレムはリュードに切り刻まれた。
そろそろ出てきてもいいと思いながらさらにスノーゴーレムを切り裂くと剣が固いものにぶつかる感触があった。
みると白い断面に丸い琥珀色の断面も混ざっている。
上手いことゴーレムの核も一緒に叩き切ったのである。
途端に残っていたスノーゴーレムのバラバラにされた体が溶けていき、そして魔力の粒子となる。
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