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第五章
始まる悪魔の大会4
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マヤノブッカに明確な支配者はいないが時の支配者層は存在する。
無法地帯に近い町にも関わらず歩いている人に女性がそれなりに見受けられる。
これは現在マヤノブッカにおける実質的な支配者はトゥジュームであるからである。
何かのきっかけで容易に支配者が変わりうるので今現在はトゥジュームであるぐらいの意味しかないが、マヤノブッカでトゥジュームのイベントが行われるのも納得ができる。
各国の法や統制の及ばない都市は奴隷を使ってイベントを開くにはうってつけの場所だとリュードは思った。
「あれは……」
窓から見える巨大な建築物にリュードは目を奪われた。
「あれはコロシアムですね」
「コロシアムだって?」
町の中心の方にある円形の建築物がだんだんと見えてきた。
かなり大きくてどこかでみたことあるような形をしていると思ったがトーイが何なのか教えてくれた。
前世で教科書かなんかで見たことがある古代の円形闘技場に形が似ていたのである。
「ここは昔交通の便の良さから宿場町や娯楽を提供する町として発展しました。けれども今でもそうした側面はありますし、マヤノブッカで提供される娯楽に関しては特に表でできないようなものが主流らしいですけどね」
トーイが軽く説明してくれる間に馬車は町中を進んでいく。
途中まではコロシアムの方に向かっているのかと思ったけどあるところから方向を変えてコロシアムを横に眺めながら移動していった。
「降りるんだ!」
馬車が止まってリュードたちは下された。
そこは宿の前で、そこからもコロシアムのことがよく見えていた。
完全にマヤノブッカの中に入ってしまっている。
これまで町中でリュードたち奴隷を下すことはなかったのだが、マヤノブッカで奴隷を咎める者などいないので堂々と下ろせたようである。
窮屈だった馬車からようやく解放されてリュードは体をグーっと伸ばす。
これ以上進むと他国に入ってしまうような場所に来てしまった。
逃げることも難しいしルフォンたちと合流できる可能性はもっと低くなってしまったとため息しか出てこない。
「昔は合法奴隷だとか剣闘士と呼ばれる戦う専門の人がいて、コロシアムで戦いを見せ物にしていたらしいです。人々が熱狂し、大きなお金が動く場所だったみたいですが今はどうなんでしょうか……?
見たところコロシアムは綺麗そうですし、例え都市が荒れても戦いを見せ物にすることは人気があってやれそうなので、今でもやっていそうですけど」
「なるほどね」
「喋ってないで早く来い!」
まだトーイの説明は続いていた。
大人しく従っているのに話しているだけで苛立ったように命令される。
一々上から目線でイラッとすることこの上ないが、ウロダによると奴隷の扱いとしてはまともで優しい方だと言う。
荒いのは言葉遣いだけで暴力的なことはない。
一々上から目線ではなく一々暴力なクズも奴隷を買う奴には珍しくない。
特に違法な奴隷なら酷い目にあわされることだって可能性としてないものでもないのだ。
合法奴隷なら合法な分保護された権利があるが違法奴隷にそれはない。
貧相でも飯を提供し、荒く怒鳴りつけるが殴りはしない。
良い扱いではないが、奴隷という身分で見ると悪くない扱いなのである。
「お待ちしておりました、レディコルソタス。そちらの方々が今回の参加者でいらっしゃいますか?」
宿の前に変な仮面を付けた男性が立っていた。
仮面の男性はうやうやしくウバに一礼するとその後ろにいるリュードたちにチラリと視線を向けた。
「そうよ」
「複数人の参加者がいらっしゃいますのでお一人、お気に入りの方をお選びください」
「……そうね。あなたよ」
「……俺?」
「そう。若いし体つきもがっしりしてるわ。それに未だに反抗的な目をしている」
お気に入りがなんなのか知らないけれどリュードはお気に入りに選ばれた。
ただお気に入りとは思えない理由で選ばれたなと思った。
リュードたち奴隷一人一人に腕輪が付けられていく。
首輪の次は腕輪かと舌打ちしたい気分を我慢して腕を差し出す。
装飾品ばかり増やさないで是非とも服が欲しいものだと思う。
腕輪には数字が書いてあり、333がリュードの腕輪に刻まれていた。
その数字になんら意味もないものであるはずなのにゾロ目であることに何かの意味を感じてしまう。
腕輪にはいくつかの窪みがあって他の奴隷の腕輪には白い石が一つ窪みに嵌め込まれたが、リュードの腕輪には赤い宝石が一つ嵌め込まれた。
「こちらがお気に入りの証となっております。皆様腕輪や腕輪に嵌め込まれた石は無くさないようお気をつけください」
裸に赤い宝石の腕輪をしていれば嫌でも目立つ。
宝石だけでも外して捨てたいが、これから宝石が意味を持ってくる可能性があるのでそんなことはできない。
上半身裸に首輪、腕輪という前衛的スタイルでももう今は恥ずかしさも感じない。
「始まるまではこちらで待機です」
そしてリュードたちは今度は宿の部屋に閉じめられることになった。
ーーーーー
無法地帯に近い町にも関わらず歩いている人に女性がそれなりに見受けられる。
これは現在マヤノブッカにおける実質的な支配者はトゥジュームであるからである。
何かのきっかけで容易に支配者が変わりうるので今現在はトゥジュームであるぐらいの意味しかないが、マヤノブッカでトゥジュームのイベントが行われるのも納得ができる。
各国の法や統制の及ばない都市は奴隷を使ってイベントを開くにはうってつけの場所だとリュードは思った。
「あれは……」
窓から見える巨大な建築物にリュードは目を奪われた。
「あれはコロシアムですね」
「コロシアムだって?」
町の中心の方にある円形の建築物がだんだんと見えてきた。
かなり大きくてどこかでみたことあるような形をしていると思ったがトーイが何なのか教えてくれた。
前世で教科書かなんかで見たことがある古代の円形闘技場に形が似ていたのである。
「ここは昔交通の便の良さから宿場町や娯楽を提供する町として発展しました。けれども今でもそうした側面はありますし、マヤノブッカで提供される娯楽に関しては特に表でできないようなものが主流らしいですけどね」
トーイが軽く説明してくれる間に馬車は町中を進んでいく。
途中まではコロシアムの方に向かっているのかと思ったけどあるところから方向を変えてコロシアムを横に眺めながら移動していった。
「降りるんだ!」
馬車が止まってリュードたちは下された。
そこは宿の前で、そこからもコロシアムのことがよく見えていた。
完全にマヤノブッカの中に入ってしまっている。
これまで町中でリュードたち奴隷を下すことはなかったのだが、マヤノブッカで奴隷を咎める者などいないので堂々と下ろせたようである。
窮屈だった馬車からようやく解放されてリュードは体をグーっと伸ばす。
これ以上進むと他国に入ってしまうような場所に来てしまった。
逃げることも難しいしルフォンたちと合流できる可能性はもっと低くなってしまったとため息しか出てこない。
「昔は合法奴隷だとか剣闘士と呼ばれる戦う専門の人がいて、コロシアムで戦いを見せ物にしていたらしいです。人々が熱狂し、大きなお金が動く場所だったみたいですが今はどうなんでしょうか……?
見たところコロシアムは綺麗そうですし、例え都市が荒れても戦いを見せ物にすることは人気があってやれそうなので、今でもやっていそうですけど」
「なるほどね」
「喋ってないで早く来い!」
まだトーイの説明は続いていた。
大人しく従っているのに話しているだけで苛立ったように命令される。
一々上から目線でイラッとすることこの上ないが、ウロダによると奴隷の扱いとしてはまともで優しい方だと言う。
荒いのは言葉遣いだけで暴力的なことはない。
一々上から目線ではなく一々暴力なクズも奴隷を買う奴には珍しくない。
特に違法な奴隷なら酷い目にあわされることだって可能性としてないものでもないのだ。
合法奴隷なら合法な分保護された権利があるが違法奴隷にそれはない。
貧相でも飯を提供し、荒く怒鳴りつけるが殴りはしない。
良い扱いではないが、奴隷という身分で見ると悪くない扱いなのである。
「お待ちしておりました、レディコルソタス。そちらの方々が今回の参加者でいらっしゃいますか?」
宿の前に変な仮面を付けた男性が立っていた。
仮面の男性はうやうやしくウバに一礼するとその後ろにいるリュードたちにチラリと視線を向けた。
「そうよ」
「複数人の参加者がいらっしゃいますのでお一人、お気に入りの方をお選びください」
「……そうね。あなたよ」
「……俺?」
「そう。若いし体つきもがっしりしてるわ。それに未だに反抗的な目をしている」
お気に入りがなんなのか知らないけれどリュードはお気に入りに選ばれた。
ただお気に入りとは思えない理由で選ばれたなと思った。
リュードたち奴隷一人一人に腕輪が付けられていく。
首輪の次は腕輪かと舌打ちしたい気分を我慢して腕を差し出す。
装飾品ばかり増やさないで是非とも服が欲しいものだと思う。
腕輪には数字が書いてあり、333がリュードの腕輪に刻まれていた。
その数字になんら意味もないものであるはずなのにゾロ目であることに何かの意味を感じてしまう。
腕輪にはいくつかの窪みがあって他の奴隷の腕輪には白い石が一つ窪みに嵌め込まれたが、リュードの腕輪には赤い宝石が一つ嵌め込まれた。
「こちらがお気に入りの証となっております。皆様腕輪や腕輪に嵌め込まれた石は無くさないようお気をつけください」
裸に赤い宝石の腕輪をしていれば嫌でも目立つ。
宝石だけでも外して捨てたいが、これから宝石が意味を持ってくる可能性があるのでそんなことはできない。
上半身裸に首輪、腕輪という前衛的スタイルでももう今は恥ずかしさも感じない。
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そしてリュードたちは今度は宿の部屋に閉じめられることになった。
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