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第五章
あの人を追いかけて2
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「さて……招かれざるお客様よ、私はカディア。情報ギルドサドゥパガンの支部長さ」
光の加減によっては黒にも見えるカディアの深いグリーンの瞳がルフォンを見据える。
「本来なら何の紹介もなく情報の取引はしないんだけどね」
あれだけの金額を積めるなら手段を選ばなければ欲しい情報にいつかは辿り着けるだろう。
知らぬ存ぜぬを貫いてもよかったが、売ってもよさそうな情報だし何よりルフォンに興味を持ってしまった。
正体やどうしてそんなお金を持っているのか気になるが、なぜお金を積んでまで貴族の集まりについて知りたいのかが気になる。
「それで何について知りたいのかもう一度聞かせてもらえるかい?」
「今この国では貴族たちが奴隷を集めて何かをしていると聞きました」
「あぁ、あの趣味の悪い催し物だね」
「その大会についての情報が欲しいんです」
「ふぅん、あれについてね。どこまで知りたいんだい?」
参加している貴族について知りたいというなら情報料も調べる時間も相当かかる。
貴族の情報を調べるのには大変だし、リスクも伴ってくる。
「大会の場所と時間、それに参加する奴隷に特徴が一致する人がいないか調べてほしいんです」
「奴隷をかい?」
予想外の方を調べてほしいと言われた。
貴族ではなく奴隷の方を調べてほしいとは思いもしなかった。
「それと最近話題になっている人攫いについても調べてほしいんです」
「……人攫いについて、ね」
ここまで聞いたら事情は察することができる。
なぜ貴族の大会の情報を欲しがるのか話が見えた。
「ふぅむ……大会の場所と時間はすぐに教えてあげるよ。けれど参加する奴隷とか人攫いについては今すぐってわけにはいかないね。奴隷の方は難しくないだろうけど人攫いの方はどうだろうね」
奴隷の調査については問題ない。
けれど人攫いの方は楽な仕事じゃなさそうだ。
冒険者ギルドの方に圧力がかかっていることは情報ギルドも当然把握している。
無理に調べて国や貴族に目をつけられるのは嫌なので情報ギルドとしては人攫いについては手を出してこなかった。
「調査してもいいけどそうだね、金貨で五枚、銀貨なら百五十枚払うってなら引き受けても……」
「はい、お願いします」
ルフォンはすぐさま懐から金貨を五枚出してデスクに置いた。
「……調べさせてもらうよ」
初めてカディアの顔が驚きにひきつった。
五枚の金貨は見たのでまだ持っているだろうとは思っていたが、かなりの金額なのにためらいもなく出してくるなんて想像していなかった。
カディアは金貨を手に取ると拡大鏡を使って金貨が本物か確認する。
これはかなりふっかけた金額だった。
値引き前提の金額でルフォンが多少なりとも渋ることを予想した上で提示していた。
少しでも渋ればすぐに値引きしてそれを相手に押し付けて、この話し合いの立場を優位に進めようと思っていた。
それなのにルフォンはポンと言い値の額を払ってしまった。
カディアは焦った。
優位に立とうとして不利になってしまったと。
ルフォンにそんなつもりはなくてもルフォンは優位な立場となったのだ。
かなり高めのふっかけた金額をルフォンが払ってしまった。
情報ギルドが得をしたように聞こえる話だが少し高いどころでない金額を受け取ってしまった。
言った金額を払われてしまった以上は引き受けるしかなくなった。
今更お金を返して断ることもできず、ふっかけているとバレてなくても完璧な仕事をしなきゃいけなくなった。
金貨は見た限り本物である。
多少は出し渋りもするはずだと軽率に金額を提示してしまったことにカディアは後悔した。
全く意図しないところでルフォンはカディアの仕掛けた心理戦を押し返していたのであった。
金貨五枚も払ったと聞いたらリュードも呆然とするだろうがルフォンはリュードのためなら全財産はたいてもいいと考えている。
「……きっと奴隷全部を知りたいんじゃなくて、特定の誰かを知りたいんだろう?」
情報取引には何より信頼が大事だ。
相手を見誤り下手な手を打って意図せぬ大金を受け取ることになってしまった。
ならば全力を尽くすしかない。
相手が望む情報、欲しい情報を得て少しでも受け取った金額に見合うものにしなければならない。
わずかに迷ったルフォンだが探している人物をカディアに伝えた。
探すのは二人。
リュードとトーイである。
リュードの方は見た目にも特徴的で分かりやすいのでカディアとしても助かるがトーイの方は正直難しい。
写真もなく、一般人が肖像画も持っているはずがない。
顔や身体的特徴はごく普通の一般人で挙げられた特徴で人を探せばどれほど見つかることだろう。
区別化が難しい相手なので多少料金的には上乗せとなり、仕事の価値が金貨五枚に少しだけ近づいたことに安堵する。
「貴族の大会はマヤノブッカって都市で行われる。開催そのものはいつってのが明確じゃなくて、人が集まり次第開始みたいな感じだが、集まり始めるのはあと数日後くらいからだ。そんなに先じゃない」
「マヤノブッカ……ですね」
「会場はマヤノブッカにあるコロシアムで行われるが入場には参加者になるか、招待客か、チケットが必要だ。サービスだ、こちらでチケットも探しておこう」
実際にはそんなサービスなんか普段はしない。
サービスではなく受け取った料金分の働きをしようと思うとそれぐらいはやらなきゃいけないのだ。
光の加減によっては黒にも見えるカディアの深いグリーンの瞳がルフォンを見据える。
「本来なら何の紹介もなく情報の取引はしないんだけどね」
あれだけの金額を積めるなら手段を選ばなければ欲しい情報にいつかは辿り着けるだろう。
知らぬ存ぜぬを貫いてもよかったが、売ってもよさそうな情報だし何よりルフォンに興味を持ってしまった。
正体やどうしてそんなお金を持っているのか気になるが、なぜお金を積んでまで貴族の集まりについて知りたいのかが気になる。
「それで何について知りたいのかもう一度聞かせてもらえるかい?」
「今この国では貴族たちが奴隷を集めて何かをしていると聞きました」
「あぁ、あの趣味の悪い催し物だね」
「その大会についての情報が欲しいんです」
「ふぅん、あれについてね。どこまで知りたいんだい?」
参加している貴族について知りたいというなら情報料も調べる時間も相当かかる。
貴族の情報を調べるのには大変だし、リスクも伴ってくる。
「大会の場所と時間、それに参加する奴隷に特徴が一致する人がいないか調べてほしいんです」
「奴隷をかい?」
予想外の方を調べてほしいと言われた。
貴族ではなく奴隷の方を調べてほしいとは思いもしなかった。
「それと最近話題になっている人攫いについても調べてほしいんです」
「……人攫いについて、ね」
ここまで聞いたら事情は察することができる。
なぜ貴族の大会の情報を欲しがるのか話が見えた。
「ふぅむ……大会の場所と時間はすぐに教えてあげるよ。けれど参加する奴隷とか人攫いについては今すぐってわけにはいかないね。奴隷の方は難しくないだろうけど人攫いの方はどうだろうね」
奴隷の調査については問題ない。
けれど人攫いの方は楽な仕事じゃなさそうだ。
冒険者ギルドの方に圧力がかかっていることは情報ギルドも当然把握している。
無理に調べて国や貴族に目をつけられるのは嫌なので情報ギルドとしては人攫いについては手を出してこなかった。
「調査してもいいけどそうだね、金貨で五枚、銀貨なら百五十枚払うってなら引き受けても……」
「はい、お願いします」
ルフォンはすぐさま懐から金貨を五枚出してデスクに置いた。
「……調べさせてもらうよ」
初めてカディアの顔が驚きにひきつった。
五枚の金貨は見たのでまだ持っているだろうとは思っていたが、かなりの金額なのにためらいもなく出してくるなんて想像していなかった。
カディアは金貨を手に取ると拡大鏡を使って金貨が本物か確認する。
これはかなりふっかけた金額だった。
値引き前提の金額でルフォンが多少なりとも渋ることを予想した上で提示していた。
少しでも渋ればすぐに値引きしてそれを相手に押し付けて、この話し合いの立場を優位に進めようと思っていた。
それなのにルフォンはポンと言い値の額を払ってしまった。
カディアは焦った。
優位に立とうとして不利になってしまったと。
ルフォンにそんなつもりはなくてもルフォンは優位な立場となったのだ。
かなり高めのふっかけた金額をルフォンが払ってしまった。
情報ギルドが得をしたように聞こえる話だが少し高いどころでない金額を受け取ってしまった。
言った金額を払われてしまった以上は引き受けるしかなくなった。
今更お金を返して断ることもできず、ふっかけているとバレてなくても完璧な仕事をしなきゃいけなくなった。
金貨は見た限り本物である。
多少は出し渋りもするはずだと軽率に金額を提示してしまったことにカディアは後悔した。
全く意図しないところでルフォンはカディアの仕掛けた心理戦を押し返していたのであった。
金貨五枚も払ったと聞いたらリュードも呆然とするだろうがルフォンはリュードのためなら全財産はたいてもいいと考えている。
「……きっと奴隷全部を知りたいんじゃなくて、特定の誰かを知りたいんだろう?」
情報取引には何より信頼が大事だ。
相手を見誤り下手な手を打って意図せぬ大金を受け取ることになってしまった。
ならば全力を尽くすしかない。
相手が望む情報、欲しい情報を得て少しでも受け取った金額に見合うものにしなければならない。
わずかに迷ったルフォンだが探している人物をカディアに伝えた。
探すのは二人。
リュードとトーイである。
リュードの方は見た目にも特徴的で分かりやすいのでカディアとしても助かるがトーイの方は正直難しい。
写真もなく、一般人が肖像画も持っているはずがない。
顔や身体的特徴はごく普通の一般人で挙げられた特徴で人を探せばどれほど見つかることだろう。
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