人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

文字の大きさ
340 / 550
第五章

遊びの代償1

しおりを挟む
 一瞬、本当に一瞬だけどリュードだった。
 ミュリウォはリュードのことを知らないし、一瞬だったので見えていなかったがルフォンとラストには分かった。

 思わず立ち上がったルフォンに視線が集まってしまい、慌てて席に座る。
 でも絶対に見間違いではない。

「ルフォン……」

「ご、ごめんね……」

「ううん、私も同じようなものだから」

 ルフォンが立って視線を集めていなかったらラストが大声で騒いでいたところだった。
 今は映像はブラックアウトしていて何も映っていない。

 司会の話によると映っていた映像はこのコロシアムの中のものではなく別の場所のものらしい。
 ジッとスクリーンを見ていると時折映っては暗くなったり別の映像に移り変わったりと安定しない。

 視界の説明によると初めて使われるものだから色々と調整が必要で安定するまで我慢して欲しいとのことだった。
 他の映像を見た感じではリュードと他の奴隷は同じ場所にいるっぽそうなことが分かる。
 
 こんなに集中してスクリーンを見てるのはルフォンを置いて他にいない。

「あっ!」

「どうしたの?」

「い、今トーイが映ったような……」

 短い時間で映る景色が入れ替わっていく。
 その中でトーイに似た人がいたのをミュリウォも見つけた。
 
 ミュリウォは2人ほど動体視力も良くない。
 リュードほど特徴的でもないトーイは一瞬では判別が難しい。
 
 けれど婚約者を見間違うはずがない。
 わずかな時間であったがそれがミュリウォの目にはトーイが見えたのである。

「きっとトーイさんだよ!」

 好きな人のことを見間違えるはずがないのでトーイだとラストは思う。

「申し訳ございませーん! なんせこちらも初めてなものでして少々乱れておりましたが、もう大丈夫です。それではごゆっくりご覧ください!」

 そうしていると映像が安定して一人の人が映し出される。
 その後大きな一枚の映像が分割されて別々の映像が同時に映し出された。

 よく見るとやや下から見上げるように撮っている映像になっている。
 不思議な角度で映された人たちはなぜなのか上半身が裸で、男の人しかいなかった。

「うぇ~」

 なんの興味もない男性たちの上半身裸姿を見せられても気持ちが悪いだけである。
 ラストは映し出された奴隷の姿を見て怪訝そうな顔をする。

「い、いや……そんなに悪くも……はっ!」

 対してミュリウォは顔を赤くしながらも映像を食い入るように見ていた。
 女性の国トゥジュームにおいて、肉体派な男性は少ない。

 ミュリウォもお年頃なので興味がないとは言えない。
 ルフォンやラストは特に興味なくてもミュリウォはぼうっと男性の体を見ていてしまった。

 とんでもないことを口走ったと慌てて目線を逸らすがもう遅い。

「まあ、趣向はそれぞれだからね」

「違うんです!」

「いいんだよぅ~」

「も、もう! トーイがいないか見ていただけです!」

 ミュリウォは顔を真っ赤にして否定するけれど興味があったことは隠しきれていない。
 ラストだってツバサが好き、そこから派生して生えてなくても背中が綺麗だと目を引かれてしまうところがあるのでミュリウォが男性の体に興味があっても別に良いと思う。

 上半身裸なのは武器を隠したりしないような保安上の理由もあるけれど、こうした見せ物とする時に鑑賞的にする意味合いもある。
 トゥジュームが主催な以上観客も多くが女性になる。

 映像が移り変わって良さそうな人が出るたびに黄色い歓声が上がったりしている。
 この人がいい、あの人がいいと品評会のような声も聞こえてきている。

「うむむ……」

 そんな空気に晒されてかラストもどんな体つきがいいかを考える。
 そんなにムキムキしていなくてもいい。

 もっと引き締まったような体だけど鍛えていることがわかって、しなやかで均整の取れた体が好ましい。
 もう誰かの体を想像してしまっている。

 一緒に旅をしていれば上半身ぐらい見てしまうこともある。
 基本的にはテントがあるからテントの中で着替えるのだが魔物との戦いの直後などで汚れた時なんかはリュードはサッと服を脱いでしまうこともあった。

 旅の途中なんかで汚れるとテントを立てて着替えるのも馬鹿らしいので隠れるように着替える。
 だがしかしラストもウブな少女ではない。

 たまには着替えているリュードの方に視線を向けてしまうこともある。
 ラストは顔を赤くした。
 
 どんな体がいいか考えて、結局リュードのことばかりを考えている。

「リューちゃんだ!」

 今度は冷静に声のトーンを落としたルフォン。
 分割された映像の一つにリュードが映し出されていた。

 周りがざわつき、女性たちの黄色い声が飛ぶ。
 リュードに対する評価が飛び交い始める。

 個人の好みがあるので評価が分かれることはしょうがないのだがリュードに対してはおおむね肯定的な意見が多い。
 体つきも良く、顔もいいので高評価でマダムたちに特に人気があった。

 珍しく槍を持っているリュードは洞窟のような場所を慎重に進んでいる。
 首と腕に変なものを付けたリュードは少し広い場所に出てきた。

「……あっ!」
 
 少し部屋の中を見渡したリュードはいきなり降ってきた男に襲われた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜

大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!? どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...