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第五章
孤独、ではない4
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「本当にあいつがトーイなのか……?」
しかしいざトーイと再び会ってみるとウロダもトーイいうのが同名の別人のことを言っているのではないかと疑いを持つほどに変わり果てている。
ウロダの持つトーイの印象は虫も殺せなさそうな気弱な男であった。
あんな魔法を使える感じもなければリュードと対等に渡り合うことなんてとても出来ないと思っていた。
顔だけはウロダの記憶にあるトーイなのに中身が全然違っている。
「リューちゃん!」
魔法を食らったリュードは咄嗟に後ろに飛んで大きなダメージを避けていた。
ルフォンはマジックボックスの袋の中からリュードの黒い剣を取り出して両手で思いっきり投げた。
「ルフォン、ナイス!」
お前にも会いたかったぜとリュードは手を伸ばして剣を受け取る。
「クッ!」
デルゼウズは飛んでいった剣に手を向けた。
黒い魔力が手から伸びて剣に絡みつくと剣を手まで引き寄せる。
リュードとデルゼウズの剣がぶつかり甲高い音が鳴り響く。
「食らえ!」
リュードがそのまま派手に雷属性の魔法を発動させる。
電撃がリュードの剣を伝い、デルゼウズの剣に伝わり、意思とは関係なくデルゼウズの全身が震える。
「ト、トーイ!」
怯んだデルゼウズをリュードは思い切り殴りつけミュリウォは思わず悲鳴をあげる。
「これどーいう状況なのさ!?」
「リューちゃん探したよ!」
「ははっ、2人とも久しぶりだな! だけど今はあまり話してる時間もないんだ。トーイという奴に悪魔が取り憑いてしまっていて、どうにかしなきゃいけないんだけどアイツ強いんだ!」
デルゼウズが転がっていき、その隙にルフォンとラストがリュードのそばに駆け寄る。
感動の再会といきたいところであるがそうもいかない。
トーイを取り戻したいのでデルゼウズを殺さないように制圧したい。
けれど単純に制圧するにはデルゼウズが強すぎる。
無傷での制圧はとっくに諦めたが、リュードは多少のケガは覚悟で止めるつもりである。
ケガをさせない制約を課して戦うのは厳しいけれど、ルフォンとラストもいればデルゼウズの制圧は可能だろう。
「2人とも手伝ってくれるか?」
「分かった!」
「まだよく分かんないけどオッケー!」
事情は飲み込みきれていないが悠長に説明していられる状況でもないことは分かる。
まずはデルゼウズを倒してから再会を喜ぼうと二人もデルゼウズの方に体を向けた。
「……厄介だな」
リュードを見れば仲間の程度も知れるというもの。
たまに場違いな実力で組んでいるものもいるが、普通は実力の近いものが集まっていることがほとんどである。
中でもリュードは高い実力を持っているだろうがルフォンとラストもただものではないことは見ていて分かる。
ルフォンとラストからは強い魔力も感じていてデルゼウズは内心で少しの焦りを感じていた。
デルゼウズが立ち上がるまでに話終えた3人は動き出した。
リュードが正面を切って接近して、ラストが後ろから弓矢で狙い、ルフォンは機動力を生かして回り込む。
「遊びすぎたな……」
さっさとリュードを殺していれば惜しさを感じることもこんな状況になることもなかった。
そもそも、半ば遊びのつもりで真人族の醜い欲望を持つ愚かな女をそそのかして供物を捧げさせて召喚させたはいいものの、供物の質は悪く実体での召喚まで至らなかった。
さらに奪った体は最低品質で少し力を使うだけでダメージを受けてしまう。
デルゼウズの状況は最悪と言ってよかった。
それでも戦えているのは高い実力を持っているデルゼウズだからであった。
「矮小な魔人族どもが舐めるなよ!」
遊びが故に負けて帰ってもいいのだが、召喚されたのにこんなに短い時間で人目にも触れず何も成せずにおめおめと帰らされてはプライドに傷がつく。
これが他の悪魔にバレて笑いものにでもなってしまった日には怒りで狂ってしまうかもしれない。
デルゼウズはシャドードールを十体出現させる。
やはり1番厄介な相手はリュードなのでリュードを片付ける必要があるとデルゼウズは考えた。
ルフォンとラストに5体ずつシャドードールを向かわせて、デルゼウズ自身がリュードを相手取る。
抜けた肩やリュードに殴られた顔は魔力で無理矢理治して、貧弱な体も魔力で無理矢理強化する。
「ダークニードル」
剣を振り下ろしながら魔法を使う。
リュードの後ろから黒い魔力で作られた針がリュードを串刺しにしようと飛び出してくる。
「くっ!」
前からは剣が、後ろから魔法が迫る。
両方を同時に対処はできない。
リュードは前に出る。
剣の使い方を忘れたのかというぐらいに強く叩きつけるように剣を振るう。
「この……馬鹿力が……」
荒々しいリュードの攻めにデルゼウズが後退してなんとか魔法から逃れることができた。
悪魔の力にトーイの体が追いついていないということをリュードは薄々勘づいていたのである。
デルゼウズは魔法を使いながら同時に体を動かして攻撃してくる。
これは実はとんでもないことをやっているのだ。
魔法を使いながら剣でも攻撃することは全く異なることを同時にやっているのと同じで、かなり高等なことであった。
リュードでも単に剣を振り弱い魔法を使うだけなら出来るけれど戦いとなるとレベルは違う。
連続した行為としては剣を振り魔法を扱えはするが、剣を振りながら魔法を使うことは負担がかかるのでそうそうできることでない。
にもかかわらずデルゼウズは左手で魔法を使いながら、右手で剣を振る。
二人を同時に相手しているようで、剣を手にして出来た余裕が吹き飛んでしまう。
しかもデルゼウズはルフォンとラストが戦っているシャドードールまで維持しながら戦っている。
しかしいざトーイと再び会ってみるとウロダもトーイいうのが同名の別人のことを言っているのではないかと疑いを持つほどに変わり果てている。
ウロダの持つトーイの印象は虫も殺せなさそうな気弱な男であった。
あんな魔法を使える感じもなければリュードと対等に渡り合うことなんてとても出来ないと思っていた。
顔だけはウロダの記憶にあるトーイなのに中身が全然違っている。
「リューちゃん!」
魔法を食らったリュードは咄嗟に後ろに飛んで大きなダメージを避けていた。
ルフォンはマジックボックスの袋の中からリュードの黒い剣を取り出して両手で思いっきり投げた。
「ルフォン、ナイス!」
お前にも会いたかったぜとリュードは手を伸ばして剣を受け取る。
「クッ!」
デルゼウズは飛んでいった剣に手を向けた。
黒い魔力が手から伸びて剣に絡みつくと剣を手まで引き寄せる。
リュードとデルゼウズの剣がぶつかり甲高い音が鳴り響く。
「食らえ!」
リュードがそのまま派手に雷属性の魔法を発動させる。
電撃がリュードの剣を伝い、デルゼウズの剣に伝わり、意思とは関係なくデルゼウズの全身が震える。
「ト、トーイ!」
怯んだデルゼウズをリュードは思い切り殴りつけミュリウォは思わず悲鳴をあげる。
「これどーいう状況なのさ!?」
「リューちゃん探したよ!」
「ははっ、2人とも久しぶりだな! だけど今はあまり話してる時間もないんだ。トーイという奴に悪魔が取り憑いてしまっていて、どうにかしなきゃいけないんだけどアイツ強いんだ!」
デルゼウズが転がっていき、その隙にルフォンとラストがリュードのそばに駆け寄る。
感動の再会といきたいところであるがそうもいかない。
トーイを取り戻したいのでデルゼウズを殺さないように制圧したい。
けれど単純に制圧するにはデルゼウズが強すぎる。
無傷での制圧はとっくに諦めたが、リュードは多少のケガは覚悟で止めるつもりである。
ケガをさせない制約を課して戦うのは厳しいけれど、ルフォンとラストもいればデルゼウズの制圧は可能だろう。
「2人とも手伝ってくれるか?」
「分かった!」
「まだよく分かんないけどオッケー!」
事情は飲み込みきれていないが悠長に説明していられる状況でもないことは分かる。
まずはデルゼウズを倒してから再会を喜ぼうと二人もデルゼウズの方に体を向けた。
「……厄介だな」
リュードを見れば仲間の程度も知れるというもの。
たまに場違いな実力で組んでいるものもいるが、普通は実力の近いものが集まっていることがほとんどである。
中でもリュードは高い実力を持っているだろうがルフォンとラストもただものではないことは見ていて分かる。
ルフォンとラストからは強い魔力も感じていてデルゼウズは内心で少しの焦りを感じていた。
デルゼウズが立ち上がるまでに話終えた3人は動き出した。
リュードが正面を切って接近して、ラストが後ろから弓矢で狙い、ルフォンは機動力を生かして回り込む。
「遊びすぎたな……」
さっさとリュードを殺していれば惜しさを感じることもこんな状況になることもなかった。
そもそも、半ば遊びのつもりで真人族の醜い欲望を持つ愚かな女をそそのかして供物を捧げさせて召喚させたはいいものの、供物の質は悪く実体での召喚まで至らなかった。
さらに奪った体は最低品質で少し力を使うだけでダメージを受けてしまう。
デルゼウズの状況は最悪と言ってよかった。
それでも戦えているのは高い実力を持っているデルゼウズだからであった。
「矮小な魔人族どもが舐めるなよ!」
遊びが故に負けて帰ってもいいのだが、召喚されたのにこんなに短い時間で人目にも触れず何も成せずにおめおめと帰らされてはプライドに傷がつく。
これが他の悪魔にバレて笑いものにでもなってしまった日には怒りで狂ってしまうかもしれない。
デルゼウズはシャドードールを十体出現させる。
やはり1番厄介な相手はリュードなのでリュードを片付ける必要があるとデルゼウズは考えた。
ルフォンとラストに5体ずつシャドードールを向かわせて、デルゼウズ自身がリュードを相手取る。
抜けた肩やリュードに殴られた顔は魔力で無理矢理治して、貧弱な体も魔力で無理矢理強化する。
「ダークニードル」
剣を振り下ろしながら魔法を使う。
リュードの後ろから黒い魔力で作られた針がリュードを串刺しにしようと飛び出してくる。
「くっ!」
前からは剣が、後ろから魔法が迫る。
両方を同時に対処はできない。
リュードは前に出る。
剣の使い方を忘れたのかというぐらいに強く叩きつけるように剣を振るう。
「この……馬鹿力が……」
荒々しいリュードの攻めにデルゼウズが後退してなんとか魔法から逃れることができた。
悪魔の力にトーイの体が追いついていないということをリュードは薄々勘づいていたのである。
デルゼウズは魔法を使いながら同時に体を動かして攻撃してくる。
これは実はとんでもないことをやっているのだ。
魔法を使いながら剣でも攻撃することは全く異なることを同時にやっているのと同じで、かなり高等なことであった。
リュードでも単に剣を振り弱い魔法を使うだけなら出来るけれど戦いとなるとレベルは違う。
連続した行為としては剣を振り魔法を扱えはするが、剣を振りながら魔法を使うことは負担がかかるのでそうそうできることでない。
にもかかわらずデルゼウズは左手で魔法を使いながら、右手で剣を振る。
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