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第六章
デルデの頼み1
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「それでアンタたちは何の用事でここに来たんだい?」
リュードもその用事について聞きたかったところである。
ドワーフの国ドワガルに来たのはリュードの折れた剣を修理してもらうためである。
部屋に荷物を置いてケルタにどこの誰が良いか聞いてみようと思っていたらケルタのトークに捕まってしまった。
一度口を開いたら止まらないケルタのマシンガントークにリュードはただただ曖昧な笑顔を浮かべて相槌を打っていた。
質問されたり、色々と話をされたりとリュードにはケルタの会話を押し返す話術はなかった。
他にお客もいないので狙われてしまってはもはや逃れる術はない。
全然戻ってこないリュードの様子を見に来たルフォンとラストは階段の途中からリュードを見て、こっそりと部屋に戻っていったぐらいである。
長いことを話に付き合ってようやく訪れたチャンスなのでケルタのトークが再開される前に聞いてしまう。
「俺は剣を直してもらいたくて来たんです。黒重鉄っていう金属を扱える職人さんはいらっしゃいますかね?」
「剣かい? 剣と言ったらまず思いつくのはね……」
分かっていたさ、こうなるってとリュードは目を細めた。
普通に職人なりを何人か挙げてもらえれば良いのだけど、そうは問屋が卸さないのがケルタである。
答えが10にも100にもなって返ってくる。
リュードが聞いていようが聞いていまいがお構いなしなので半ば聞き流して聞いている。
サラサラとエピソードを出しながら10名ほどの職人の名前が飛び出してくる。
あんなことをしたこんなことをした、こんな剣を作ったなんて話てくれているけれど頭に入ってこない。
もっと他にお客さんがいればこのパワフルさも分散するのだろうけれど何せ今はリュードしかいない。
しばらく暇を持て余していたケルタの全パワーがリュードに集中してしまっていた。
とりあえずあがった名前だけは記憶に留める。
「やっぱり、1番腕がいいとなったらビューランデルデ様かね。この国の三鎚なんて呼ばれていて偉い人なんだけど今でも現役を続けてるのさ。剣のことならあの人を置いて右に出る者がいないなんて言われてもいるし、弟子入りしたいドワーフも掃いて捨てるほどいるんだけど、中々弟子も取らずにゲルデパットンともう1人ぐらいしかいないんだ。
ビューランデルデ様に剣を打ってもらいたい人も山のようにいるんだけど気に入った人にしか作らなくて、あのお方に剣を作ってもらった人なんか数えるほどしかいないんじゃないかね?」
「デ……ビューランデルデって凄い人なんですか?」
「なんだい、知り合いかい?」
聞き流していたのでそのままスルーしてしまうところだった。
なんだか三鎚とかいう凄そうな呼び名まで出てきてデルデはやはりスゴイ人だったのかと気になった。
「まあゲルデパットンが案内してきたし不思議もないかもね。ビューランデルデ様はすごいお方だよ。その腕もさることながら若い時にはこの国を飛び出して世界を旅していてね。
ここに帰ってきてからも知識と経験を活かして素晴らしい作品を生み出しているのさ。今のこの国でも三鎚で3本指に入るほどの人だけどドワーフの過去を見ても5本指に入ってもおかしくないと私は思うね。ビューランデルデ様といえば……」
「失礼するよ」
「あっと、いらっしゃ……ビュ、ビューランデルデ様!?」
不意に宿のドアが開いて今まさに話していたデルデが入ってきた。
知り合いかもしれないとは思いつつ本人が目の前に現れて流石のケルタも驚いている。
デルデのこと話していたの聞かれてはいないだろうかと営業スマイルが凍りついている。
悪いことを話していたのでないので怒りゃしないだろうけど、人のことをベラベラ話しているのもそんなに良いことでもない。
自覚はあるけど止められないのだ。
「急に客を連れてきて悪かったな。部屋は大丈夫だったか?」
「も、もちろんです! 暇していたのでとてもありがたかったです!」
ケルタの態度が明らかに違う。
気さくなドワーフぐらいにしか思っていなかったのに急にデルデの奔放な態度が大物に見えてきた気分だ。
「リュード、少し時間はよいか?」
「何ですか?」
「ここではなんだ、お前さんの部屋で話をしたいんだが構わないか?」
「ええ、いいですよ」
真面目な顔をするデルデに軽い話じゃなさそうな気配はしている。
ケルタにこのまま捕まってもいられないのでタイミングもよかった。
それにデルデのおかげでドワガルに入れたのだし、特に親しくなくても丁寧に接してくる相手ならリュードも無下にはしない。
例え王様でもリュードは臣民でない以上雑なら雑に、丁寧なら丁寧に接する。
今はデルデも真面目に丁寧に、なのでリュードも真面目に丁寧に対応する。
耳が疲れたリュードはルフォンとラストも部屋に呼んで集まる。
「悪いな、くつろいでおるところに」
「大丈夫ですよ、ここに入れたのもデルデのおかげですし」
「お前さんたちに会いに来たのは少し知恵を借りたくてな。ドワーフの恥のような話にはなってしまうのだがもうワシらだけではどうにもならんのだ」
落ち込んだ様子のデルデは深いため息をついた。
魔物に追われている時だって悲壮感のかけらもなかったような人なのに、今は深いため息をついて何かを憂慮するような真剣な眼差しをリュードに向けている。
リュードもその用事について聞きたかったところである。
ドワーフの国ドワガルに来たのはリュードの折れた剣を修理してもらうためである。
部屋に荷物を置いてケルタにどこの誰が良いか聞いてみようと思っていたらケルタのトークに捕まってしまった。
一度口を開いたら止まらないケルタのマシンガントークにリュードはただただ曖昧な笑顔を浮かべて相槌を打っていた。
質問されたり、色々と話をされたりとリュードにはケルタの会話を押し返す話術はなかった。
他にお客もいないので狙われてしまってはもはや逃れる術はない。
全然戻ってこないリュードの様子を見に来たルフォンとラストは階段の途中からリュードを見て、こっそりと部屋に戻っていったぐらいである。
長いことを話に付き合ってようやく訪れたチャンスなのでケルタのトークが再開される前に聞いてしまう。
「俺は剣を直してもらいたくて来たんです。黒重鉄っていう金属を扱える職人さんはいらっしゃいますかね?」
「剣かい? 剣と言ったらまず思いつくのはね……」
分かっていたさ、こうなるってとリュードは目を細めた。
普通に職人なりを何人か挙げてもらえれば良いのだけど、そうは問屋が卸さないのがケルタである。
答えが10にも100にもなって返ってくる。
リュードが聞いていようが聞いていまいがお構いなしなので半ば聞き流して聞いている。
サラサラとエピソードを出しながら10名ほどの職人の名前が飛び出してくる。
あんなことをしたこんなことをした、こんな剣を作ったなんて話てくれているけれど頭に入ってこない。
もっと他にお客さんがいればこのパワフルさも分散するのだろうけれど何せ今はリュードしかいない。
しばらく暇を持て余していたケルタの全パワーがリュードに集中してしまっていた。
とりあえずあがった名前だけは記憶に留める。
「やっぱり、1番腕がいいとなったらビューランデルデ様かね。この国の三鎚なんて呼ばれていて偉い人なんだけど今でも現役を続けてるのさ。剣のことならあの人を置いて右に出る者がいないなんて言われてもいるし、弟子入りしたいドワーフも掃いて捨てるほどいるんだけど、中々弟子も取らずにゲルデパットンともう1人ぐらいしかいないんだ。
ビューランデルデ様に剣を打ってもらいたい人も山のようにいるんだけど気に入った人にしか作らなくて、あのお方に剣を作ってもらった人なんか数えるほどしかいないんじゃないかね?」
「デ……ビューランデルデって凄い人なんですか?」
「なんだい、知り合いかい?」
聞き流していたのでそのままスルーしてしまうところだった。
なんだか三鎚とかいう凄そうな呼び名まで出てきてデルデはやはりスゴイ人だったのかと気になった。
「まあゲルデパットンが案内してきたし不思議もないかもね。ビューランデルデ様はすごいお方だよ。その腕もさることながら若い時にはこの国を飛び出して世界を旅していてね。
ここに帰ってきてからも知識と経験を活かして素晴らしい作品を生み出しているのさ。今のこの国でも三鎚で3本指に入るほどの人だけどドワーフの過去を見ても5本指に入ってもおかしくないと私は思うね。ビューランデルデ様といえば……」
「失礼するよ」
「あっと、いらっしゃ……ビュ、ビューランデルデ様!?」
不意に宿のドアが開いて今まさに話していたデルデが入ってきた。
知り合いかもしれないとは思いつつ本人が目の前に現れて流石のケルタも驚いている。
デルデのこと話していたの聞かれてはいないだろうかと営業スマイルが凍りついている。
悪いことを話していたのでないので怒りゃしないだろうけど、人のことをベラベラ話しているのもそんなに良いことでもない。
自覚はあるけど止められないのだ。
「急に客を連れてきて悪かったな。部屋は大丈夫だったか?」
「も、もちろんです! 暇していたのでとてもありがたかったです!」
ケルタの態度が明らかに違う。
気さくなドワーフぐらいにしか思っていなかったのに急にデルデの奔放な態度が大物に見えてきた気分だ。
「リュード、少し時間はよいか?」
「何ですか?」
「ここではなんだ、お前さんの部屋で話をしたいんだが構わないか?」
「ええ、いいですよ」
真面目な顔をするデルデに軽い話じゃなさそうな気配はしている。
ケルタにこのまま捕まってもいられないのでタイミングもよかった。
それにデルデのおかげでドワガルに入れたのだし、特に親しくなくても丁寧に接してくる相手ならリュードも無下にはしない。
例え王様でもリュードは臣民でない以上雑なら雑に、丁寧なら丁寧に接する。
今はデルデも真面目に丁寧に、なのでリュードも真面目に丁寧に対応する。
耳が疲れたリュードはルフォンとラストも部屋に呼んで集まる。
「悪いな、くつろいでおるところに」
「大丈夫ですよ、ここに入れたのもデルデのおかげですし」
「お前さんたちに会いに来たのは少し知恵を借りたくてな。ドワーフの恥のような話にはなってしまうのだがもうワシらだけではどうにもならんのだ」
落ち込んだ様子のデルデは深いため息をついた。
魔物に追われている時だって悲壮感のかけらもなかったような人なのに、今は深いため息をついて何かを憂慮するような真剣な眼差しをリュードに向けている。
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