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第六章
ドワーフを思えば1
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鉱山を一つ取り戻した。
酒の席でデルデが声高に言って回ったものだから瞬く間に話はドワガルに広がり、ドワーフたちは大騒ぎとなった。
流石のドワーフもすぐに話を信じられないようだった。
デルデが言うことなのでウソはないだろうと思っていても実際に人をやって確かめてみると本当に鉱山に魔物はいなかった。
アリの卵は燃やしたし残りの魔物がいないかもちゃんとチェックした上で、リュードが持つ魔物除けも燃やして中に他の魔物が来ないようにもしてきたので当然だ。
多少ニオイが残っていたみたいだけど、そこら辺はご愛嬌だ。
一応ドワーフたちでも鉱山の出入り口を封鎖して魔物が入らないようにもしてきた。
そしてアリの素材が手に入っただけでなく、アリが鉱山を掘り広げる時に発生させた砂利が鉱山の外にあった。
その中に鉄鉱石も多く、しばらくは掘らなくてもよさそうな量があってそれもまた驚きだったようである。
結果として見ると大成功。
ドワーフにはなし得なかったことをリュードたちはなんとかやってみせた。
「貴様また勝手な真似をして!」
「ふん! お前らが何もせず話し合いとやらばかりしているからワシがなんとかしてやったんだ」
「なんだと! 外部の、他種族を引き入れて自分がなんとかしてやったとどの口が言っているんだ!」
成果を持って帰ってきたデルデに髭を三つ編みにしたドワーフが食ってかかる。
他の種族になんとかしてもらったことに関して髭を三つ編みにしたドワーフは怒り心頭だった。
「ドゥルビョ、貴様の口は話し合いにしか使えのだろう? ならこっちの口の方がよっぽどマシだ」
「デルデ、貴様ぁ!」
「お前らが話し合いとやらに終始している間に何が進んだ! 話し合いとやらで何が変わり、何をした? 若い奴らの犠牲だけが積み重なってなんの対策も取れずにただ話し合いとやらをすることになんの意味がある!」
デルデは強くテーブルを叩きつけた。
ドゥルビョと呼ばれた髭を三つ編みにしたドワーフはウッと怯む。
「幸いにも死者は少ないがゼロではない! 父親がもう帰ってこないと泣く子にワシらが何をしていたのか胸張って説明できるのか! 鉱山には入れなくなって久しく、街を閉鎖するなんて馬鹿馬鹿しいことしておらん。 仕事もなくて明日に不安を抱えるみんなに大丈夫だと言えるのか! こんな……こんな話し合いで誰を救えると言うのだ!」
肩で息をするほど興奮しているデルデの言葉にその場にいる誰も反論ができなかった。
みんな分かっているのだ。
安全な部屋であれもダメ、これもダメとただ話し合いを続けるだけでは事態は好転などしないことは。
「ワシらが守るべきはくだらないプライドや他種族を締め出すカビの生えた考え方ではない。今を生きる同胞たち、明日を暮らす若者たちこそワシらが守らねばならない存在だろうが!」
「意外と熱いんだな、デルデ」
実はリュードたちも部屋にいた。
デルデに呼ばれてきたのだけど部屋に入るなりドゥルビョがデルデにかかっていってしまった。
突っ立ったままその様子を見ていることしかできないけど、とりあえず上の世代の他種族を入れたくないという思いが強いことは分かった。
あとはデルデがすごい熱い男なのも分かった。
デルデの方がこの場においては特殊な方のドワーフだけれど、言い争いを聞いていて正しい言葉を言っているのはデルデであるとリュードも思った。
「ワシがやったことが気に入らず国を追い出したいなら好きにせえ。どうせまた話し合いとやらをして表には出んのだろ? ならワシが勝手にやらせてもらう。外に助けを求めに行こうではないか。みんなを助けるためにそれが必要ならワシはそうする」
「しかし外に助けを求めても……」
「見てみろ! お前らが話し合いしている間に鉱山を一つ取り戻した! ワシというよりこいつらだが、自分たちじゃ出来ないことを他の種族ならできるのだ! 話し合うなら答えの出ないことではなくいかに助けを求めるか話し合うべきだろうがぁ!」
熱い演説に思わず拍手したくなるとリュードは思った。
選挙で一票を持っていたらデルデに投じていただろう。
この場において誰が一番ドワーフのことを考えているのかは論ずるまでもない。
間違いなくデルデがこの場で最もドワーフのことを考えている。
「しかしだ……やはり他種族を入れることに対して不安がある。それにだ、他種族の者を多く雇い入れるほどの外貨はこの国にはないぞ」
場のやや風向きが変わった。
不安がありながらも他種族を受け入れることを考え始めている。
さらりとした長い髭のドワーフがゆっくりと髭を撫でながら口を開いた。
お金がない。ない袖は振れない。
他種族を雇うにはお金がいる。
ドワーフは他所との交易を多く行っている種族ではない。
食料などの関係上必要な取引は行うのだけれど、その内容としては物々交換のようなものでお金での取引ではなかった。
いくらかお金はあってもそれほど貯め込んでもいない。
外部の他種族を雇うのはいいが安い金額で雇える者など信頼が置けない。
酒の席でデルデが声高に言って回ったものだから瞬く間に話はドワガルに広がり、ドワーフたちは大騒ぎとなった。
流石のドワーフもすぐに話を信じられないようだった。
デルデが言うことなのでウソはないだろうと思っていても実際に人をやって確かめてみると本当に鉱山に魔物はいなかった。
アリの卵は燃やしたし残りの魔物がいないかもちゃんとチェックした上で、リュードが持つ魔物除けも燃やして中に他の魔物が来ないようにもしてきたので当然だ。
多少ニオイが残っていたみたいだけど、そこら辺はご愛嬌だ。
一応ドワーフたちでも鉱山の出入り口を封鎖して魔物が入らないようにもしてきた。
そしてアリの素材が手に入っただけでなく、アリが鉱山を掘り広げる時に発生させた砂利が鉱山の外にあった。
その中に鉄鉱石も多く、しばらくは掘らなくてもよさそうな量があってそれもまた驚きだったようである。
結果として見ると大成功。
ドワーフにはなし得なかったことをリュードたちはなんとかやってみせた。
「貴様また勝手な真似をして!」
「ふん! お前らが何もせず話し合いとやらばかりしているからワシがなんとかしてやったんだ」
「なんだと! 外部の、他種族を引き入れて自分がなんとかしてやったとどの口が言っているんだ!」
成果を持って帰ってきたデルデに髭を三つ編みにしたドワーフが食ってかかる。
他の種族になんとかしてもらったことに関して髭を三つ編みにしたドワーフは怒り心頭だった。
「ドゥルビョ、貴様の口は話し合いにしか使えのだろう? ならこっちの口の方がよっぽどマシだ」
「デルデ、貴様ぁ!」
「お前らが話し合いとやらに終始している間に何が進んだ! 話し合いとやらで何が変わり、何をした? 若い奴らの犠牲だけが積み重なってなんの対策も取れずにただ話し合いとやらをすることになんの意味がある!」
デルデは強くテーブルを叩きつけた。
ドゥルビョと呼ばれた髭を三つ編みにしたドワーフはウッと怯む。
「幸いにも死者は少ないがゼロではない! 父親がもう帰ってこないと泣く子にワシらが何をしていたのか胸張って説明できるのか! 鉱山には入れなくなって久しく、街を閉鎖するなんて馬鹿馬鹿しいことしておらん。 仕事もなくて明日に不安を抱えるみんなに大丈夫だと言えるのか! こんな……こんな話し合いで誰を救えると言うのだ!」
肩で息をするほど興奮しているデルデの言葉にその場にいる誰も反論ができなかった。
みんな分かっているのだ。
安全な部屋であれもダメ、これもダメとただ話し合いを続けるだけでは事態は好転などしないことは。
「ワシらが守るべきはくだらないプライドや他種族を締め出すカビの生えた考え方ではない。今を生きる同胞たち、明日を暮らす若者たちこそワシらが守らねばならない存在だろうが!」
「意外と熱いんだな、デルデ」
実はリュードたちも部屋にいた。
デルデに呼ばれてきたのだけど部屋に入るなりドゥルビョがデルデにかかっていってしまった。
突っ立ったままその様子を見ていることしかできないけど、とりあえず上の世代の他種族を入れたくないという思いが強いことは分かった。
あとはデルデがすごい熱い男なのも分かった。
デルデの方がこの場においては特殊な方のドワーフだけれど、言い争いを聞いていて正しい言葉を言っているのはデルデであるとリュードも思った。
「ワシがやったことが気に入らず国を追い出したいなら好きにせえ。どうせまた話し合いとやらをして表には出んのだろ? ならワシが勝手にやらせてもらう。外に助けを求めに行こうではないか。みんなを助けるためにそれが必要ならワシはそうする」
「しかし外に助けを求めても……」
「見てみろ! お前らが話し合いしている間に鉱山を一つ取り戻した! ワシというよりこいつらだが、自分たちじゃ出来ないことを他の種族ならできるのだ! 話し合うなら答えの出ないことではなくいかに助けを求めるか話し合うべきだろうがぁ!」
熱い演説に思わず拍手したくなるとリュードは思った。
選挙で一票を持っていたらデルデに投じていただろう。
この場において誰が一番ドワーフのことを考えているのかは論ずるまでもない。
間違いなくデルデがこの場で最もドワーフのことを考えている。
「しかしだ……やはり他種族を入れることに対して不安がある。それにだ、他種族の者を多く雇い入れるほどの外貨はこの国にはないぞ」
場のやや風向きが変わった。
不安がありながらも他種族を受け入れることを考え始めている。
さらりとした長い髭のドワーフがゆっくりと髭を撫でながら口を開いた。
お金がない。ない袖は振れない。
他種族を雇うにはお金がいる。
ドワーフは他所との交易を多く行っている種族ではない。
食料などの関係上必要な取引は行うのだけれど、その内容としては物々交換のようなものでお金での取引ではなかった。
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