人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

文字の大きさ
414 / 550
第六章

活躍の軌跡1

しおりを挟む
「シューナリュード君が羨ましいよ」

 そう言って盛大にため息をついた男性冒険者がいた。
 彼は前にデルデに質問をぶつけていた人で、今回の冒険者たちの臨時のリーダーとなったゴールドランクの冒険者であるリザーセツであった。

 リザーセツがチラリと視線を向けた先には和気藹々とする女性冒険者たちがいる。
 その中にはルフォンとラストも混ざっていた。

 リュードたちも合わせると三十一名の大所帯となる冒険者たちの中には女性冒険者もいた。
 一パーティー丸っと女性のところもあるし、ちょいちょい他の冒険者パーティーにも女性冒険者が所属している。

 昼間移動する時は自分のパーティーと移動して警戒を交代で行っているが、夜の空き時間なんかは女性冒険者たちが集まって談笑していることも多くなってきた。

「はぁ……」
 
 リュードはリザーセツに誘われてリザーセツのパーティーのグループと一緒にいるのだけど、楽しそうにしている女性たちをみてリザーセツはまたため息をつく。
 疾風の剣という冒険者パーティーを組んでいるリザーセツなのだけど、疾風の剣には女性冒険者が一人所属していた。
 
 だけどその人と今のところ同じパーティー以上の関係を築いた人いない。
 ついでにパーティーメンバー全員が独身で彼女もいない。

 ゴールドランクになれば富も名声もそれなりに手に入るはずなのに女性にはなぜかモテないとリザーセツは悩んでいた。
 リザーセツはどうしてなのか良縁に恵まれず、談笑している女性たちを見て、自分の女性運の無さにため息しか出てこないのである。

「いい相手いそうですけどね……」

 優しい人柄で雰囲気も柔らかくゴールドランクには見えないぐらいの人なのに女性との巡り合わせが悪い。
 むしろゴールドランクに見えないような優しさが見えるのがゴールドランクというワイルドさと打ち消しあってしまうのかもしれない。

 リュードもまだ短い付き合いであるがリザーセツが悪い人だとは思えない。
 稼ぎもあるし顔だってそれなりに整っている。

 それでもリザーセツに女性と縁がないのだ。
 それに比べてリュードはシルバー-なのに超をつけてもいい美人の女の子二人を連れて旅をしている。
 
 リザーセツはゴールドランクに上がることもあれほど羨ましいと思って生きてきたのに、今となっては女性と旅しているリュードが羨ましくてしょうがない。

「羨ましいよ」

「あはは……」

 困ったように笑うリュードは自分の仲間に目を向ける。
 贔屓目なしにしたってルフォンやラストは中でも容姿がいい。

 何を話しているのか知らないけど笑うと花が咲いたように華やかな二人は他の冒険者の目も引いてしまう。
 リュードが見ていることに気がついてラストがルフォンをつついてリュードの方を指差す。

 二人が軽くリュードに手を振るとリュードも微笑んで手をふり返した。
 そんな様子を見てリザーセツ以外の周りの冒険者たちがため息をつく。

 冒険者って奴は女性関係に関して極端になりやすい。
 全く縁がないか、あるいは恋が多いかである。

 一人の女性を一途に愛することももちろんあるのだけど、職業柄いろんなところに行くのでいろんな出会いはある。
 冒険者という職業で考えた時に嫌がられて全く興味を持たれない人もいれば、なぜなのか異常にモテるような人もいる。

 運がなければとことんすれ違うような職業なので仕方のないことなのだ。
 そう考えた時にリュードはモテる方である。

「出会いは運だからどうしてもしょうがないけど……秘訣を聞きたいよ」

 リザーセツも自然とため息がもれてしまうのであった。
 ただ改めて見ると女性冒険者も意外と多いなとリュードは思った。
 
 自由に生きていく価値観が広まりつつあるので女性冒険者という形で生きる人も増えている。
 だから冒険者という職業に対しても以前よりは避ける女性の数は減ってきている。
 
 みんな頑張れと流石に口には出せないけどリュードはひっそりとお祈りしておく。

「そうだ。黒いツノ……で思い出したが神の使いなんてのが現れた話知ってるか?」

「神の使いと黒いツノが何か関係が?」

 このままではみんなため息をつくだけついて寝るだけになってしまう。
 少し場の雰囲気を変えようと疾風の剣のメンバーのドコムが思い出したように話し始めた。

 やや小柄な体格のドコムはムードメーカーで話が上手くて、いつのまにか懐に入り込んでいるような人だった。
 行きすぎると馴れ馴れしく感じるものだけど、ドコムはそこらへんのバランス感覚も優れていた。

「どこだったかな……国まで忘れちゃったけどここからだと結構遠いところの噂話だよ。なんでも愛と正義を司る神の使いが町中に突然現れたらしいんだ」

「へぇ」

 知らない話だなとリュードは興味を持った。
 神の使いとは使徒や聖者とはまた違うのだろうか。

 リュードが興味を持ってくれたことでドコムの話にも少し熱が入る。

「黒いツノを生やした黒い姿の獣人族みたいな男が不当に脅して若い女性と結婚しようとした悪い貴族の前に雷と共に現れて女性をさらっていったらしいんだ! 天から現れて花嫁抱えてひとっ飛び! 正しい愛を守る正義の味方ってわけだ」

「……へ、へぇ」

 知らない話、だと思ったのになんだか知らない話ではないような気がしてきた。
 それどころかなんかちょっとばかりやったことあるような気すらするリュードである。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜

大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!? どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...