429 / 550
第六章
お家を探して6
しおりを挟む
「くっ……!」
リザーセツと大キラービーが戦い始めて、他も混戦となる。
大キラービーは上手くリザーセツの周りを飛びながら針を巧みに操り剣技にも似た戦い方を繰り広げる。
危なくなれば素早く空中に逃げて体勢を整えて再びかかってくる。
体が大きいだけでなく戦いにおいてしっかりと知恵の高さをうかがわせていた。
大きい分力も強くて他のキラービーの純粋なパワーアップ版といってもよく、リザーセツも苦戦している。
しかし目的は倒すことではなく、大キラービーを引きつけておくことなので大きな問題はない。
一瞬の油断もできない戦いだが、狙い通りに大キラービーもリザーセツに集中している。
知性や経験を感じさせる戦いに感心してしまうが、リザーセツもそれほど余裕があるわけでもない。
これまでも戦いでは積極的に前に出て、後ろに下がっている時も周りの状況を見て指示を飛ばしたりしていた。
「こいつは厄介だな……!」
毒を警戒して大きく回避を繰り返す戦いはリザーセツの体力を奪っていく。
少し休んだばかりではあるが、完全回復とはいかない。
一回一回の戦いにリザーセツも体力を奪われていて、大キラービーの前にそんなに長いことは持たないかもしれないと思い始めていた。
出来るなら早くみんながキラービーを倒して支援してくれるといいのだけどと期待するしかなかった。
「ぐわあああっ!」
「リザーセツ!」
決定打が見つからない。
それでいながら周りのキラービーたちはやられていく。
このままいけばやられてしまう。
そう察した大キラービーは早めにカードを切った。
一度距離を取り、急降下しながら針を突き出す。
リザーセツはまともに受けては危ないと剣で針を受け流そうとした。
その判断にミスはなかった。
けれど剣が針に触れた瞬間、針から黒に近い濃い紫色の液体が飛び出してきたのだ。
ここまで隠してきた切り札を大キラービーは出してきたのである。
大キラービーは針の先から毒を噴射した。
予想もしていなかった攻撃にリザーセツは毒を回避出来ずに肩から腹部にかけて毒を浴びた。
鉄製の防具が溶けるひどい匂いがして、肌に毒が触れる。
毒が付着したところに熱いような痛みが走ってリザーセツは叫び声をあげた。
そう何度も使える技ではなく一度放てばしばらく使うことが出来ない切り札だった。
「ルフォン!」
リュードがルフォンに声をかけて走り出す。
疾風の剣のメンバーより誰よりも早くに状況判断をして動いたのがリュードだった。
「させるかよ!」
リュードは小さく旋回してリザーセツにトドメを刺そうと突き出された針を横から剣で切りつけた。
固くて切断はできなかったけれど大キラービーの空中での体勢が崩れた。
追撃を警戒した大キラービーは素早く距離を取って逃げる。
ピンチはチャンスともいう。
転んでもただでは起きないとリュードは大キラービーを睨みつけていた。
「行け、ルフォン!」
「任せてぇ!」
リュードは反転して大キラービーに背を向ける。
グッと腰を落として剣を持たない左手を低く差し出す。
後ろからはルフォンが走ってきていた。
ルフォンは小さく飛び上がってリュードの左手に足をかける。
「おりゃ!」
リュードは腕を跳ね上げ、ルフォンはリュードの手を蹴り上げて大きく跳躍した。
大キラービーは未だにバランスを戻しきれていない。
空中で体勢を大きくずらしてかわそうとする大キラービーをルフォンのナイフが捉える。
ルフォンが大キラービーの羽の先端を切り落とした。
ケガの程度としては浅い。
しかしご自慢の羽を傷つけられて大キラービーは大きくバランスを崩す。
羽が欠けて正しく飛ぶことが出来なくて壁にぶつかりながらフラフラとバランスを保とうとしている。
「リザーセツ、これを!」
その隙にリザーセツを引きずって下がらせるリュードは腰に付けた袋から小瓶を取り出してリザーセツに渡す。
地面に膝をつくリザーセツは顔色が急速に悪くなっている。
「こ、これは……」
「解毒できるかは分かんないけどないよりマシだろ」
「クスリってやつは、嫌いなんだけどね……」
体全体に鈍い痛みと黒い部分が広がっていく。
リザーセツは感覚もなくなってきた手を伸ばして小瓶を受けると一気に飲み干す。
「くぅ……苦い……けど少し甘い?」
まずは治療薬にありがちな青臭さが鼻を抜ける。
葉っぱの苦い所を集めたような舌にくる苦味が来て、最後になんだか甘さがあった。
「これは?」
「解毒薬です。効果は保証できないけど」
リュード特製解毒薬の改良版である。
リザーセツが感じた甘みは以前に買ったハチミツが混ぜ込まれているからだった。
ただ苦い薬に甘みを足して飲みやすくしようとかそんなではない。
その魔物から取れる素材でその魔物が生み出す毒を解毒するものが作れることがある。
自身の毒にやられないためか魔物自身は自分の毒に対する耐性があるので、魔物の素材を利用するとその魔物の毒に対する解毒薬となるのだ。
ハチがいて、そのハチが生み出すハチミツがある。
ついでにハチは毒を持っている。
細かい調整や研究はできないためほとんどハチミツを混ぜただけなような形になってしまったので気休め程度だけど、効けば儲けもんだと混ぜてみたのだ。
ポーション効果もあるので、少しだけ毒がかかったところの痛みが和らいだ気がするとリザーセツは感じた。
リザーセツと大キラービーが戦い始めて、他も混戦となる。
大キラービーは上手くリザーセツの周りを飛びながら針を巧みに操り剣技にも似た戦い方を繰り広げる。
危なくなれば素早く空中に逃げて体勢を整えて再びかかってくる。
体が大きいだけでなく戦いにおいてしっかりと知恵の高さをうかがわせていた。
大きい分力も強くて他のキラービーの純粋なパワーアップ版といってもよく、リザーセツも苦戦している。
しかし目的は倒すことではなく、大キラービーを引きつけておくことなので大きな問題はない。
一瞬の油断もできない戦いだが、狙い通りに大キラービーもリザーセツに集中している。
知性や経験を感じさせる戦いに感心してしまうが、リザーセツもそれほど余裕があるわけでもない。
これまでも戦いでは積極的に前に出て、後ろに下がっている時も周りの状況を見て指示を飛ばしたりしていた。
「こいつは厄介だな……!」
毒を警戒して大きく回避を繰り返す戦いはリザーセツの体力を奪っていく。
少し休んだばかりではあるが、完全回復とはいかない。
一回一回の戦いにリザーセツも体力を奪われていて、大キラービーの前にそんなに長いことは持たないかもしれないと思い始めていた。
出来るなら早くみんながキラービーを倒して支援してくれるといいのだけどと期待するしかなかった。
「ぐわあああっ!」
「リザーセツ!」
決定打が見つからない。
それでいながら周りのキラービーたちはやられていく。
このままいけばやられてしまう。
そう察した大キラービーは早めにカードを切った。
一度距離を取り、急降下しながら針を突き出す。
リザーセツはまともに受けては危ないと剣で針を受け流そうとした。
その判断にミスはなかった。
けれど剣が針に触れた瞬間、針から黒に近い濃い紫色の液体が飛び出してきたのだ。
ここまで隠してきた切り札を大キラービーは出してきたのである。
大キラービーは針の先から毒を噴射した。
予想もしていなかった攻撃にリザーセツは毒を回避出来ずに肩から腹部にかけて毒を浴びた。
鉄製の防具が溶けるひどい匂いがして、肌に毒が触れる。
毒が付着したところに熱いような痛みが走ってリザーセツは叫び声をあげた。
そう何度も使える技ではなく一度放てばしばらく使うことが出来ない切り札だった。
「ルフォン!」
リュードがルフォンに声をかけて走り出す。
疾風の剣のメンバーより誰よりも早くに状況判断をして動いたのがリュードだった。
「させるかよ!」
リュードは小さく旋回してリザーセツにトドメを刺そうと突き出された針を横から剣で切りつけた。
固くて切断はできなかったけれど大キラービーの空中での体勢が崩れた。
追撃を警戒した大キラービーは素早く距離を取って逃げる。
ピンチはチャンスともいう。
転んでもただでは起きないとリュードは大キラービーを睨みつけていた。
「行け、ルフォン!」
「任せてぇ!」
リュードは反転して大キラービーに背を向ける。
グッと腰を落として剣を持たない左手を低く差し出す。
後ろからはルフォンが走ってきていた。
ルフォンは小さく飛び上がってリュードの左手に足をかける。
「おりゃ!」
リュードは腕を跳ね上げ、ルフォンはリュードの手を蹴り上げて大きく跳躍した。
大キラービーは未だにバランスを戻しきれていない。
空中で体勢を大きくずらしてかわそうとする大キラービーをルフォンのナイフが捉える。
ルフォンが大キラービーの羽の先端を切り落とした。
ケガの程度としては浅い。
しかしご自慢の羽を傷つけられて大キラービーは大きくバランスを崩す。
羽が欠けて正しく飛ぶことが出来なくて壁にぶつかりながらフラフラとバランスを保とうとしている。
「リザーセツ、これを!」
その隙にリザーセツを引きずって下がらせるリュードは腰に付けた袋から小瓶を取り出してリザーセツに渡す。
地面に膝をつくリザーセツは顔色が急速に悪くなっている。
「こ、これは……」
「解毒できるかは分かんないけどないよりマシだろ」
「クスリってやつは、嫌いなんだけどね……」
体全体に鈍い痛みと黒い部分が広がっていく。
リザーセツは感覚もなくなってきた手を伸ばして小瓶を受けると一気に飲み干す。
「くぅ……苦い……けど少し甘い?」
まずは治療薬にありがちな青臭さが鼻を抜ける。
葉っぱの苦い所を集めたような舌にくる苦味が来て、最後になんだか甘さがあった。
「これは?」
「解毒薬です。効果は保証できないけど」
リュード特製解毒薬の改良版である。
リザーセツが感じた甘みは以前に買ったハチミツが混ぜ込まれているからだった。
ただ苦い薬に甘みを足して飲みやすくしようとかそんなではない。
その魔物から取れる素材でその魔物が生み出す毒を解毒するものが作れることがある。
自身の毒にやられないためか魔物自身は自分の毒に対する耐性があるので、魔物の素材を利用するとその魔物の毒に対する解毒薬となるのだ。
ハチがいて、そのハチが生み出すハチミツがある。
ついでにハチは毒を持っている。
細かい調整や研究はできないためほとんどハチミツを混ぜただけなような形になってしまったので気休め程度だけど、効けば儲けもんだと混ぜてみたのだ。
ポーション効果もあるので、少しだけ毒がかかったところの痛みが和らいだ気がするとリザーセツは感じた。
1
あなたにおすすめの小説
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜
大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!?
どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる