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第六章
お家を探して8
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「みんなここは任せた!」
キラービーの動きが止まった隙にリュードが地面を蹴る。
このままダリルがやられるのは回復役もいなくなって非常に状況的にまずい。
リュードとハチの目があった。
魔物にも知恵があれば戦い方を見て、相手の強さを押しはかることができる。
ただわかりやすく、どんな魔物にでも共通した基準が一つある。
それは魔力だ。
魔力の強さ、魔力の濃さ、魔力の量。
この中で一番魔力が強いのはリュードで、最も危険な敵であるとハチはみなした。
「うっ!」
見えているのに体が反応できなかった。
真っ直ぐにリュードに近づいたハチは両手を伸ばしてリュードの首を掴んだ。
そしてそのまま空中に飛び上がった。
「リューちゃん!」
ハチはリュードを天井に叩きつけた。
今いるところは思っていたよりも外に近かったようで、薄い天井を突き破りハチとリュードは外に飛び出していった。
それに続くようにキラービーたちも外に飛んでいく。
「ルフォン、行こう!」
「うん!」
ルフォンとラストは来た道を戻って外を目指そうとした。
「待ってくれ、俺も連れて行ってくれないか」
「でも……」
「戦えないが神聖力でリュードの支援はできる」
顔を腫らしたダリルがフラフラと立ち上がる。
聖職者による強化は強力だ。
ハチの力は計り知れないので強化が必要だろう。
戦場に近づくリスクは背負うけど、どの道リュードが負けたら全て終わりだ。
ルフォンとラストはダリルに肩を貸して半ば引きずるようにリュードのところに向かった。
「はな……せ! うわっ!」
背中の衝撃から立ち直ったリュードがハチを殴打しようと拳を振るった。
しかしパッと手を放されて拳は当たらずリュードは地面に激突して転がった。
「クソッ……グッ! コイツ!」
起きあがろうとしたリュードの顔をハチが殴る。
一撃離脱のヒットアンドアウェイ。
リュードの目ではなんとなく姿は捉えられるけれど、見えるのとそれを受けて動けるのでは全く異なる。
殴られながらもリュードは歯を食いしばって立ち上がる。
その間もハチはリュードの顔や腹を殴打する。
軽くはないけど幸い一撃でやられるほどにハチの攻撃は重くもない。
速すぎて手が離れるのも速く、衝撃が伝わりきっていない感じもある。
ダメージに耐えて目を凝らしてハチの動きを捉えようとする。
「ふっ!」
ハチの動きに合わせてリュードも拳を振る。
持っていた剣は天井に叩きつけられた時に手から離れてしまった。
リュードは側から見れば一人で空中を殴っているように見える。
しかしそれは闇雲に手を出しているのではなかった。
かなりリュードの方が遅いが、だんだんとリュードの攻撃はハチの残像に届き始めた。
「ナメるなよ!」
全くの空振りが残像を殴るようになり、次にはリュードの繰り出した拳はほんの数瞬間後にハチが通るはずだった場所に突き出され始めた。
ハチの動きを見て予測し、リュードは先読み的に拳を出していた。
ハチの動きの方が遥かに早くて拳をかわされてしまっているが、ハチがもう少しでも鈍ければリュードの拳は先読みしてあたっていたかもしれないところまで精度を高めつつあった。
(一回……一回でいい)
全身に魔力をたぎらせ、当たらない拳を振るいながらリュードは耐える。
段々と感覚が研ぎ澄まされていく。
ハチの動きが見え始め、先読みが正確になっていく。
「なにそれ……」
リュードの先読み攻撃があまりにも正確になってきてハチもわずかな焦りを覚えていた。
「リュード……受け取れ!」
ふとリュードの体が軽くなった。
鉱山から出てきたダリルがリュードを神聖力で強化したのだ。
殴られて蓄積したダメージを回復するよりも敵を倒す方が優先だと強化に全ての神聖力を込める。
「……ここだ」
リュードはあえて拳を鈍らせて弱ったようなヘロリとした軌道を描いた。
「ふっ!」
弱ったパンチを見たハチはリュードが弱っていて好機だと笑った。
ここまで耐え抜くリュードはやはり脅威である。
ここで倒さねばならない。
勢いよくリュードに接近したハチは大きく腕を引いてリュードの頬を全力で殴りつけた。
ハチはこれで戦いを終わらせるつもりだった。
「待ってたぜ」
意識を持っていかれそうな一撃だった。
リュードは足を踏ん張り、歯を食いしばって耐え切った。
ヒットアンドアウェイだったからそれなりに軽く済んでいたのだと思い知ったが、今はこの重たい一撃が欲しかった。
リュードの体から電撃がほとばしる。
電撃は頬を殴りつけたハチにも伝わり、体が電気によって意思とは関係なくビクビクと震える。
「お返しだ!」
今度はリュードの方が全力でハチを殴りつけた。
ダリルの強化も受けたリュードの拳はこれまでよりも速かった。
それでもかわそうとするだろうことは分かっていたので先読みして拳の軌道を修正した。
想像よりも軽いハチはリュードの一撃に地面に叩きつけられるように転がりながらぶっ飛んだ。
「なんと……」
ヒットアンドアウェイの攻撃ではリュードに触れる時間が一瞬すぎた。
それでは電撃を与えても痺れさせられるか分からなかった。
警戒されないためにも一度きりのチャンスを確実に狙う必要がある。
だからハチが深い一撃を繰り出してくるのを待っていた。
ダリルの支援を受けた今なら攻撃にも耐えられるし、攻撃も当てられる自信があった。
「ペッ」
リュードが口に溜まった血を吐き出す。
キラービーの動きが止まった隙にリュードが地面を蹴る。
このままダリルがやられるのは回復役もいなくなって非常に状況的にまずい。
リュードとハチの目があった。
魔物にも知恵があれば戦い方を見て、相手の強さを押しはかることができる。
ただわかりやすく、どんな魔物にでも共通した基準が一つある。
それは魔力だ。
魔力の強さ、魔力の濃さ、魔力の量。
この中で一番魔力が強いのはリュードで、最も危険な敵であるとハチはみなした。
「うっ!」
見えているのに体が反応できなかった。
真っ直ぐにリュードに近づいたハチは両手を伸ばしてリュードの首を掴んだ。
そしてそのまま空中に飛び上がった。
「リューちゃん!」
ハチはリュードを天井に叩きつけた。
今いるところは思っていたよりも外に近かったようで、薄い天井を突き破りハチとリュードは外に飛び出していった。
それに続くようにキラービーたちも外に飛んでいく。
「ルフォン、行こう!」
「うん!」
ルフォンとラストは来た道を戻って外を目指そうとした。
「待ってくれ、俺も連れて行ってくれないか」
「でも……」
「戦えないが神聖力でリュードの支援はできる」
顔を腫らしたダリルがフラフラと立ち上がる。
聖職者による強化は強力だ。
ハチの力は計り知れないので強化が必要だろう。
戦場に近づくリスクは背負うけど、どの道リュードが負けたら全て終わりだ。
ルフォンとラストはダリルに肩を貸して半ば引きずるようにリュードのところに向かった。
「はな……せ! うわっ!」
背中の衝撃から立ち直ったリュードがハチを殴打しようと拳を振るった。
しかしパッと手を放されて拳は当たらずリュードは地面に激突して転がった。
「クソッ……グッ! コイツ!」
起きあがろうとしたリュードの顔をハチが殴る。
一撃離脱のヒットアンドアウェイ。
リュードの目ではなんとなく姿は捉えられるけれど、見えるのとそれを受けて動けるのでは全く異なる。
殴られながらもリュードは歯を食いしばって立ち上がる。
その間もハチはリュードの顔や腹を殴打する。
軽くはないけど幸い一撃でやられるほどにハチの攻撃は重くもない。
速すぎて手が離れるのも速く、衝撃が伝わりきっていない感じもある。
ダメージに耐えて目を凝らしてハチの動きを捉えようとする。
「ふっ!」
ハチの動きに合わせてリュードも拳を振る。
持っていた剣は天井に叩きつけられた時に手から離れてしまった。
リュードは側から見れば一人で空中を殴っているように見える。
しかしそれは闇雲に手を出しているのではなかった。
かなりリュードの方が遅いが、だんだんとリュードの攻撃はハチの残像に届き始めた。
「ナメるなよ!」
全くの空振りが残像を殴るようになり、次にはリュードの繰り出した拳はほんの数瞬間後にハチが通るはずだった場所に突き出され始めた。
ハチの動きを見て予測し、リュードは先読み的に拳を出していた。
ハチの動きの方が遥かに早くて拳をかわされてしまっているが、ハチがもう少しでも鈍ければリュードの拳は先読みしてあたっていたかもしれないところまで精度を高めつつあった。
(一回……一回でいい)
全身に魔力をたぎらせ、当たらない拳を振るいながらリュードは耐える。
段々と感覚が研ぎ澄まされていく。
ハチの動きが見え始め、先読みが正確になっていく。
「なにそれ……」
リュードの先読み攻撃があまりにも正確になってきてハチもわずかな焦りを覚えていた。
「リュード……受け取れ!」
ふとリュードの体が軽くなった。
鉱山から出てきたダリルがリュードを神聖力で強化したのだ。
殴られて蓄積したダメージを回復するよりも敵を倒す方が優先だと強化に全ての神聖力を込める。
「……ここだ」
リュードはあえて拳を鈍らせて弱ったようなヘロリとした軌道を描いた。
「ふっ!」
弱ったパンチを見たハチはリュードが弱っていて好機だと笑った。
ここまで耐え抜くリュードはやはり脅威である。
ここで倒さねばならない。
勢いよくリュードに接近したハチは大きく腕を引いてリュードの頬を全力で殴りつけた。
ハチはこれで戦いを終わらせるつもりだった。
「待ってたぜ」
意識を持っていかれそうな一撃だった。
リュードは足を踏ん張り、歯を食いしばって耐え切った。
ヒットアンドアウェイだったからそれなりに軽く済んでいたのだと思い知ったが、今はこの重たい一撃が欲しかった。
リュードの体から電撃がほとばしる。
電撃は頬を殴りつけたハチにも伝わり、体が電気によって意思とは関係なくビクビクと震える。
「お返しだ!」
今度はリュードの方が全力でハチを殴りつけた。
ダリルの強化も受けたリュードの拳はこれまでよりも速かった。
それでもかわそうとするだろうことは分かっていたので先読みして拳の軌道を修正した。
想像よりも軽いハチはリュードの一撃に地面に叩きつけられるように転がりながらぶっ飛んだ。
「なんと……」
ヒットアンドアウェイの攻撃ではリュードに触れる時間が一瞬すぎた。
それでは電撃を与えても痺れさせられるか分からなかった。
警戒されないためにも一度きりのチャンスを確実に狙う必要がある。
だからハチが深い一撃を繰り出してくるのを待っていた。
ダリルの支援を受けた今なら攻撃にも耐えられるし、攻撃も当てられる自信があった。
「ペッ」
リュードが口に溜まった血を吐き出す。
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