人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

文字の大きさ
458 / 550
第七章

神物の在処と協力者たち3

しおりを挟む
 ダリルとリュードたちだけでは攻略不可ダンジョンを攻略することは、現実的に考えて相当難しい。
 ダンジョンを攻略しようと思うなら、経験豊かで強い力を持つ人がもっと多く必要である。
 
 オルタンタスは言っていたツテに連絡を飛ばし、さらに各地にいるケーフィス教の聖者や使徒にも声をかけた。
 聖者や使徒といった人は珍しい存在であるものの、同時期に一人しかいないとかそんなものではない。

 何人も同時代に存在していて、各地で活躍しているのだ。
 広く信仰されているケーフィス教では複数人の聖者や使徒を抱えていて、今回神物を取り戻すためにそうした貴重な人材も投入することになったのだ。

 どの人も色々なところで活躍している人たちなので集まるのには時間がかかった。
 その間にたまたまテレサも一度目を覚まし、ダリルは神物を取り戻せばテレサが治ることと神物を取りに向かうことを報告した。

 心配をかけないようにそこが攻略不可ダンジョンであることは伏せておいてあった。

「ウィドウだ。よろしく頼む」

「シューナリュードです。リュードと呼んでください。よろしくお願いします」

 流石に世界最大規模の宗教はツテも違う。
 ツテで呼んだのは冒険者パーティーであった。

 ゴールドランクを上回る最高峰の冒険者ランクがプラチナランクである。
 そのプラチナランクのウィドウをリーダーとすパーティーが今回の助っ人であった。
 
 プラチナ-でもなく、プラチナである。

「君の話は聞いているよ。優秀な冒険者だそうだね」

 物腰の柔らかい中年のイケメン男性のウィドウは声も低くて渋く、顔も渋いイケおじである。

 年齢的なところから体力面では衰え始めているが、気力は充実しているし経験が体力の衰えを大きく超えてウィドウの腕を支えている。
 強さとしてもまだまだピーク盛りな冒険者と言えた。

 パーティーメンバーも一流である。
 プラチナの壁を越えられたのはウィドウだけだが、残る5人も全員がゴールド+ランクという猛者中の猛者。

 パーティー名をケフィズサンとしているこのパーティーは、名前の通りケーフィス教が関わっている。
 リーダーのウィドウは元孤児で教会に育てられた過去があり、他の人も元聖職者や教会に関わっていたような経歴を持つのだ。
 
 命も危うい攻略不可ダンジョンに挑むぐらいには教会に恩義を感じている人たちなのである。

「加えて教会からも豪華支援か」

 さらに教会は聖者を二人、使徒を一人呼び寄せた。
 ダリルもいるので聖職者系のトップクラスの実力者が四人も加わることになる。

 リュードたち三人、ケフィズサン六人、聖職者四人の計13人でグルーウィンにある極寒のダンジョンに挑むことになった。
 一つのパーティーとして見ると人数は多いが、攻略不可ダンジョンを攻略するパーティーとしてみるとやや少ない感じもあるぐらいだ。

 グルーウィンに勘づかれるわけにはいかないのであまり大規模すぎてもいけないし、秘密を知る人が多すぎるのも考えものなのでこれぐらいが限度だった。
 聖職者たちもいつもは白を基調とした聖職者だと分かりやすい服装や装備を、一般のものに見えるように着替えてケーフィランドを出発した。

 ーーーーー

「いや、もう凄くいい!」

 テレサに残された時間はリュードぐらいしか知らない。
 他の人から見れば段々とテレサが弱っていっているから残された時間は少なく見える。

 じっくりと自己紹介をしている時間もなく出発したので、歩きながらお互いを知ることになった。
 これから攻略不可ダンジョンに向かう。
 
 その前に歓迎されない国に入らなくてはならない。
 およそ三つのグループでこれから挑まねばならないが、互いのこともよく知らない。
 
 命のかかった攻略も待ち受けているのだし、自然とピリついた空気になるものだけど、リュードはルンルンだった。
 モッコモコの着膨れ防寒スタイルだったリュードは少しスマートになっていた。
 
 分厚くて見た目の悪い大量の重ね着をやめたのだ。

「技術って素晴らしいな……」
 
 というのもリュードは待ち時間の間に教会からプレゼントを貰っていた。
 リュードが異常なまでに寒さに弱いことを聞いたオルタンタスが用意してくれたプレゼントで、もらったのはあったかインナーだった。

 本来はもっといい名前があったのだけど忘れた。
 いわゆる魔道具であり、魔物の素材を使い快適な着心地を実現しながら魔力を加えると発熱する石を繊維に混ぜ込んで、細かな調整を加えた一品である。

 伸縮性にも優れ手触りが良く通気性もありながら少量の魔力で温かくなる。
 魔力で温かさのコントロールまで出来るので暑くなれば魔力を抑えて、寒くなれば魔力を加えて温かくすればよかった。

 実はかなりの高級品なのだけれど、値段も知らずリュードは超がつくほど上機嫌なのであった。
 リュードは機嫌がいいが、ルフォンとラストは腕を組む口実がなくなったので少し不満そうだった。

「ルフォンは獣人族にゃ?」

「ううん、私は人狼族だよ」

「ありゃ、それは失礼したにゃ!」

「勘違いしてもしょうがないからいいよ」

 聖者の1人で名前をニャロという女性だった。
 ニャロはネコミミネコシッポの猫人族である。

 獣人族全体的に聖職者が少なす真人族に信者の多いケーフィス教の信者で、さらに聖者であるという稀有な存在だ。
 ニャロは獣人族集まる村の出身で、そこを保護しているのがケーフィス教だった。

 村を支援してくれていたケーフィス教に感謝をしていて聖職者の道を進んだのだが、なぜか神の愛を受け聖者となった。
 明るく人懐こい性格をしていて懐に入るのが上手く、ルフォンやラストともあっという間に距離を詰めた。
 
 しかし実力は確かでお勤めや神聖力の扱いに関してはトップクラスに上手いらしい。

「人狼族……なかなか珍しいにゃ」

 今は普通に話せるのだけど、子供たちが親しみを持ってくれるからと語尾に“にゃ”をつけて話すらしい。
 ピリついた空気もニコニコとするニャロにいつの間にか柔らかくなっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜

大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!? どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...