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第七章
白き姫を取り戻せ1
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「そろそろ変わってきたな」
ポツリと周りを見ていたウィドウがつぶやいた。
本当に周りを見ているのだなと感心する。
言われて、よく見てようやく周りの変化が分かった。
これまではただただ平坦な地形だったのに、地面が隆起しているのか雪が緩やかにでこぼこしているところが出てきていた。
「本当だ……」
「地形の変化はモンスターの変化にも繋がる。気を引き締めるんだ」
真っ白な世界なのでとても分かりにくい変化だった。
ダンジョンにおいて地形が変化してきているということは、大体の場合に出てくる魔物にも変化が起こるのである。
ケフィズサンがボスレッドットベアを倒して、さらに進んできたリュードたちは気を引き締める。
「分かりやすくなってきましたね」
「こうなると見た目に変化しているな」
進んでいくにつれて、より地形が変わっていく。
いつの間にか歩く地面は緩かに傾斜になっていき、ただの雪原が岩肌が露出した雪山になっていた。
白一色だった景色に暗い岩肌が見えるようになると、レッドットベアは見なくなった。
道は分からないけど、変化が大きくなる方に向かうのがダンジョンの正攻法になる。
今回だと傾斜を上っていく方向に進む。
これまで天候は安定して明るかったのに、やや薄暗くなってきて雪が舞い始めた。
天候が悪くなってきたせいか気温が下がったような気がする。
「かなり冷えてきたな」
リュードは身につけている発熱するインナーに強めに魔力を込める。
これがなかったら、リュードは防寒具で雪だるまのようになって移動していたことだろう。
そんなに上がってきたようにも思わなかったが、景色がだいぶ山の上に来たような雪の山岳地帯となっている。
完全に違う場所に来てしまったと錯覚するほどだ。
「……来たぞ」
ルフォンのミミがヒクヒクと動く。
わずかに聞こえていたリュードたち以外の雪を踏み締める音だけが響いていたが、ルフォンのミミは音を拾っていた。
いつ頃からか感じていた視線と気配がある。
距離があったのでリュードたちの方から手を出すことはなかったのだけど、一際広いところに出て相手が動き出した。
「スノーケイブ……あまり美しくない見た目をしているな」
そりたった岩の後ろから飛び出すように白い塊が降りてきた。
リュードたちを囲むように着地した白い塊はゆっくりと立ち上がった。
サルというより非常に毛深い大柄な男性のような姿をしているスノーケイブという魔物であった。
リュードの第一印象は雪男がいたらこんな感じだろうな、である。
前世での小さい頃に見た雪男のイメージがリュードの印象に近かった。
十体のスノーケイブはその毛深い顔を歪ませた。
威嚇の顔なのか、笑っているのか知らないけど、見ていて気分が悪くなる顔である。
レッドットベアほどすぐに襲いかかってこないが、友好的な態度には見えない。
「先制攻撃だ!」
ウィドウが剣に炎をまとわせ、上に火球を打ち上げる。
打ち上げられた火球は爆発し、派手な音と爆発にスノーケイブの視線が上を向く。
その隙を突いてラストとケフィズサンの魔法使いが攻撃をする。
「ファイアアロー!」
いつでも攻撃できるようにと魔力は高めてあったので魔法の発動も早い。
一瞬で五本の炎の矢が生み出されて一体のスノーケイブに向かって飛んでいく。
「甘いな!」
少しタイミングをずらして打ち出した炎の矢が迫り、スノーケイブは見た目から想像できない俊敏さでもって回避した。
だが攻略不可ダンジョンの魔物がそう簡単に倒せるなんてこちらも思っていない。
魔法使いは魔法を完璧にコントロールしてこそ一流である。
真っ直ぐに飛んでいた炎の矢がギュンと曲がった。
魔法を操作してかわしたスノーケイブのことを追跡する。
「チッ、やはり楽にはやらせてもらえないか」
スノーケイブは拳を振り回して炎の矢を殴り落として消してしまう。
攻撃速度だけで見るならレッドットベアよりも速い。
戦いは始まった。
一体のスノーケイブが雄叫びを上げて、他のスノーケイブも続く。
声に魔力が込められていて初心者の冒険者ならそれだけで戦意を失っただろうが、リュードたちには通じない。
むしろうるさい鳴き声にルフォンは苛立ちを覚えていた。
「行くぞ!」
前衛が後衛のみんなを守るように囲む。
さらにその周りをスノーケイブが囲んで迫ってくる。
「くっ……速いな」
ウィドウがスノーケイブの拳をかわして反撃で切りつける。
まるでここが雪もない平地かのようにスノーケイブは動き、その速度は油断ができない。
「防ぐんだ! 狙いはブレスだ!」
ブレスとは炎の矢を放った魔法使いである。
スノーケイブの視線の向きや動きがおかしいことに気がついたウィドウ。
七体が大きく攻撃して前衛を引きつけて残る三体がその上を飛び越えた。
思わぬ速さと力強さに突破されてしまう。
「猿知恵を働かせたな! しかし惜しかったな!」
賢い作戦だ。
普通の冒険者なら狙いは上手くいって怪我人が出ていたことだろう。
けれど今スノーケイブが戦っているのはただのパーティーではない。
後衛顔して下がっていた中には、ダリルとハルヴァイがいた。
前に出て戦ってもいいしケガの治療や強化の支援などもできるので下がっていたのだ。
ポツリと周りを見ていたウィドウがつぶやいた。
本当に周りを見ているのだなと感心する。
言われて、よく見てようやく周りの変化が分かった。
これまではただただ平坦な地形だったのに、地面が隆起しているのか雪が緩やかにでこぼこしているところが出てきていた。
「本当だ……」
「地形の変化はモンスターの変化にも繋がる。気を引き締めるんだ」
真っ白な世界なのでとても分かりにくい変化だった。
ダンジョンにおいて地形が変化してきているということは、大体の場合に出てくる魔物にも変化が起こるのである。
ケフィズサンがボスレッドットベアを倒して、さらに進んできたリュードたちは気を引き締める。
「分かりやすくなってきましたね」
「こうなると見た目に変化しているな」
進んでいくにつれて、より地形が変わっていく。
いつの間にか歩く地面は緩かに傾斜になっていき、ただの雪原が岩肌が露出した雪山になっていた。
白一色だった景色に暗い岩肌が見えるようになると、レッドットベアは見なくなった。
道は分からないけど、変化が大きくなる方に向かうのがダンジョンの正攻法になる。
今回だと傾斜を上っていく方向に進む。
これまで天候は安定して明るかったのに、やや薄暗くなってきて雪が舞い始めた。
天候が悪くなってきたせいか気温が下がったような気がする。
「かなり冷えてきたな」
リュードは身につけている発熱するインナーに強めに魔力を込める。
これがなかったら、リュードは防寒具で雪だるまのようになって移動していたことだろう。
そんなに上がってきたようにも思わなかったが、景色がだいぶ山の上に来たような雪の山岳地帯となっている。
完全に違う場所に来てしまったと錯覚するほどだ。
「……来たぞ」
ルフォンのミミがヒクヒクと動く。
わずかに聞こえていたリュードたち以外の雪を踏み締める音だけが響いていたが、ルフォンのミミは音を拾っていた。
いつ頃からか感じていた視線と気配がある。
距離があったのでリュードたちの方から手を出すことはなかったのだけど、一際広いところに出て相手が動き出した。
「スノーケイブ……あまり美しくない見た目をしているな」
そりたった岩の後ろから飛び出すように白い塊が降りてきた。
リュードたちを囲むように着地した白い塊はゆっくりと立ち上がった。
サルというより非常に毛深い大柄な男性のような姿をしているスノーケイブという魔物であった。
リュードの第一印象は雪男がいたらこんな感じだろうな、である。
前世での小さい頃に見た雪男のイメージがリュードの印象に近かった。
十体のスノーケイブはその毛深い顔を歪ませた。
威嚇の顔なのか、笑っているのか知らないけど、見ていて気分が悪くなる顔である。
レッドットベアほどすぐに襲いかかってこないが、友好的な態度には見えない。
「先制攻撃だ!」
ウィドウが剣に炎をまとわせ、上に火球を打ち上げる。
打ち上げられた火球は爆発し、派手な音と爆発にスノーケイブの視線が上を向く。
その隙を突いてラストとケフィズサンの魔法使いが攻撃をする。
「ファイアアロー!」
いつでも攻撃できるようにと魔力は高めてあったので魔法の発動も早い。
一瞬で五本の炎の矢が生み出されて一体のスノーケイブに向かって飛んでいく。
「甘いな!」
少しタイミングをずらして打ち出した炎の矢が迫り、スノーケイブは見た目から想像できない俊敏さでもって回避した。
だが攻略不可ダンジョンの魔物がそう簡単に倒せるなんてこちらも思っていない。
魔法使いは魔法を完璧にコントロールしてこそ一流である。
真っ直ぐに飛んでいた炎の矢がギュンと曲がった。
魔法を操作してかわしたスノーケイブのことを追跡する。
「チッ、やはり楽にはやらせてもらえないか」
スノーケイブは拳を振り回して炎の矢を殴り落として消してしまう。
攻撃速度だけで見るならレッドットベアよりも速い。
戦いは始まった。
一体のスノーケイブが雄叫びを上げて、他のスノーケイブも続く。
声に魔力が込められていて初心者の冒険者ならそれだけで戦意を失っただろうが、リュードたちには通じない。
むしろうるさい鳴き声にルフォンは苛立ちを覚えていた。
「行くぞ!」
前衛が後衛のみんなを守るように囲む。
さらにその周りをスノーケイブが囲んで迫ってくる。
「くっ……速いな」
ウィドウがスノーケイブの拳をかわして反撃で切りつける。
まるでここが雪もない平地かのようにスノーケイブは動き、その速度は油断ができない。
「防ぐんだ! 狙いはブレスだ!」
ブレスとは炎の矢を放った魔法使いである。
スノーケイブの視線の向きや動きがおかしいことに気がついたウィドウ。
七体が大きく攻撃して前衛を引きつけて残る三体がその上を飛び越えた。
思わぬ速さと力強さに突破されてしまう。
「猿知恵を働かせたな! しかし惜しかったな!」
賢い作戦だ。
普通の冒険者なら狙いは上手くいって怪我人が出ていたことだろう。
けれど今スノーケイブが戦っているのはただのパーティーではない。
後衛顔して下がっていた中には、ダリルとハルヴァイがいた。
前に出て戦ってもいいしケガの治療や強化の支援などもできるので下がっていたのだ。
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