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第七章
白き姫を取り戻せ3
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「こちらは終わった! 怪我人もなく大丈夫だ!」
スノーケイブの連携を受けている間に内側の戦いが終わって、手の空いた聖職者による強化がリュードたちに入る。
気づけば外側の数的優位もなく、内側も一人も倒せてもいない状況になっていた。
「逃げるぞ!」
スノーケイブは判断が早く、敵わないと考えて背中を向けて逃げ出した。
「逃すか!」
リュードたちはスノーケイブを追いかけ、ラストやブレスが魔法で攻撃する。
「ナイス、ラスト!」
ラストの矢が足に刺さりスノーケイブが転がる。
飛び上がったルフォンがナイフを振り下ろして、スノーケイブの喉を切り裂く。
「フゥン!」
ダリルはメイスを投げつける。
高速で飛んでいくメイスはスノーケイブの後頭部に当たって高くぶっ飛ぶ。
グワんと脳が揺れてまともに走れなくなったところをウィドウが切りつける。
「待ちやがれ!」
ブレスの火の魔法がスノーケイブの二体に当たる。
一体をハルヴァイが、そしてもう一体をリュードが倒す。
「チッ……逃してしまったか」
仲間が倒されても脇目も振らずスノーケイブは逃げていく。
最後の一体を逃してしまった。
「厄介そうな魔物だが……強くはなかったな」
強さでいけばレッドットベアの方が強かったぐらいである。
攻撃力も防御力もレッドットベアの方が高かった。
機動力に関してはいい勝負だが、開けた場所ではそんなに差があるほどでもない。
ただし知能の一点に関してはスノーケイブの圧勝だろう。
後衛を狙ってくるやり方といい、不利を悟ったら逃げ出す早さといい賢さはある。
けれども今のところはそれだけだ。
「そうだね」
「でもなーんか嫌な目してたけど……」
連携攻撃も厄介だけど対処できないものでもなく、さらに後衛を狙う可能性があることはもうわかっている。
二度も後衛を奇襲されるほどリュードたちだって甘くはない。
それなりに強いが、あくまでもそれなりのレベルだった。
本当に攻略不可ダンジョンの魔物なのかと疑いたくなる。
やや拍子抜けだ。
スノーケイブのドロップ品は毛皮や牙といったものだった。
「毛皮もなんだかレッドットベアの方が良さそうだな」
「でも服とかにするならこっちのほうがやりやすそうな感じはあるね」
レッドットベアのものは分厚くて暖かそうだった。
スノーケイブのものも暖かそうだけど、レッドットベアのものよりも薄くて加工はしやすそうだ。
フィールド型ダンジョンの厄介なところは、ボスがどこにいて、何なのか分からないことである。
何度も攻略に失敗していると同じ魔物が強くなってしまい、強い個体が存在することもある。
たとえ強い個体でもボスとは一概に言えないこともあるのだ。
あるいは知識の伝授ということもある。
逃げ延びた魔物が知識を蓄えていってより狡猾になることもあり得る。
外ならばそうした魔物には名前がつけられたりするものだけど、こうしたダンジョンの中では大体どこかで倒されるので名前まではつけられない。
しかしそんな知識の伝授が行われているんじゃないかと思えるような狡猾さがスノーケイブにあった。
「今度は後ろから現れたぞ!」
今度は挟み撃ちでスノーケイブが襲いかかってきた。
リュードたちを前後から襲撃して弱いところを攻撃しようと目論んできたのだ。
油断なく警戒していたおかげで素早く体勢を整えてスノーケイブを返り討ちにしたが、まだ逃げられてしまった個体がいた。
知恵を使う相手に油断すると一気に総崩れになってしまう。
単にまっすぐ襲ってくるレッドットベアよりも嫌な感じのする魔物だとみんな思っていた。
「ここら辺は比較的平坦だな。今日はここで切り上げよう」
空が薄暗いから時間の変化が分かりにくい。
やや暗くなってきた感じがするし、ずっと緩やかだった上りが平坦になった。
時間の余裕を考えるともう少し進めるが、斜めのところで休むよりも平らなところで休んでおいた方がいい。
「なんだか夜じゃないのに暗くなってきたような気がしますね」
「そうだな……少し嫌な予感するな」
リュードに言われてウィドウは空を見上げる。
薄暗くなっている空は微妙な明るさを保っているが、なんだかさらに暗くなったような気がした。
ーーーーー
「これまでは運が良かったな」
テントを張っている最中からチラチラと降っていた雪の勢いが強くなってきて、本格的に降り出してきた。
段々と降る雪や風の強さが増していき、空はどんよりと暗くなっていった。
あっという間に天候は吹雪となった。
極寒のダンジョンの中ではこうした天候の変化があることは聞いていた。
こんなに激しく吹雪くものだとまでは想像していなかった。
今までは天候が荒れることはなく運が良かったのだと思った。
「ばちばち音がするね」
雪がテントを叩きつけて吹き荒ぶ風の音がうるさい。
こんな音がしていては落ち着いて寝られない。
なんとか気にしないようにして寝てはみたけれどどれだけ時間が経ってかも分からない。
ルフォンがテントの中で温かいものを作って各テントに配って周りそれぞれ休息をとる。
さっさと休んで早めに移動するつもりだったのだけどこれでは移動は難しい。
「悪天候の中でスノーケイブと戦うのは面倒だ。このまま吹雪が収まるまで待とう」
焦りは禁物である。
十分な食料もあるし、暖かさを保つための燃料もある。
リュードたちはそのまま天候の回復を待つことにした。
「近くない?」
リュードたちのテントはリュードとルフォンとラストの三人で使っている。
着替えやなんかにも使うし大きめで丈夫な高いテントを買ったので、三人でもスペース的には余裕ではある。
なのに今はルフォンとラストがリュードに寄っているので結構スペースがもったいないことになっている。
「風の音が怖いから」
「そんな子供じゃあるまいし……」
「いいじゃん? どうせ同じテントの中にいるなら離れたってそんなに離れらんないし」
「それにこうした方があったかいし」
リュードお気に入りのインナーの発熱もあって三人身を寄せ合ってポカポカしている。
「まあそれもそうか」
人肌の暖かさも悪くない。
変に距離したところでテント内でちょっと離れるだけなのだ。
リュードは考えることを止めた。
スノーケイブの連携を受けている間に内側の戦いが終わって、手の空いた聖職者による強化がリュードたちに入る。
気づけば外側の数的優位もなく、内側も一人も倒せてもいない状況になっていた。
「逃げるぞ!」
スノーケイブは判断が早く、敵わないと考えて背中を向けて逃げ出した。
「逃すか!」
リュードたちはスノーケイブを追いかけ、ラストやブレスが魔法で攻撃する。
「ナイス、ラスト!」
ラストの矢が足に刺さりスノーケイブが転がる。
飛び上がったルフォンがナイフを振り下ろして、スノーケイブの喉を切り裂く。
「フゥン!」
ダリルはメイスを投げつける。
高速で飛んでいくメイスはスノーケイブの後頭部に当たって高くぶっ飛ぶ。
グワんと脳が揺れてまともに走れなくなったところをウィドウが切りつける。
「待ちやがれ!」
ブレスの火の魔法がスノーケイブの二体に当たる。
一体をハルヴァイが、そしてもう一体をリュードが倒す。
「チッ……逃してしまったか」
仲間が倒されても脇目も振らずスノーケイブは逃げていく。
最後の一体を逃してしまった。
「厄介そうな魔物だが……強くはなかったな」
強さでいけばレッドットベアの方が強かったぐらいである。
攻撃力も防御力もレッドットベアの方が高かった。
機動力に関してはいい勝負だが、開けた場所ではそんなに差があるほどでもない。
ただし知能の一点に関してはスノーケイブの圧勝だろう。
後衛を狙ってくるやり方といい、不利を悟ったら逃げ出す早さといい賢さはある。
けれども今のところはそれだけだ。
「そうだね」
「でもなーんか嫌な目してたけど……」
連携攻撃も厄介だけど対処できないものでもなく、さらに後衛を狙う可能性があることはもうわかっている。
二度も後衛を奇襲されるほどリュードたちだって甘くはない。
それなりに強いが、あくまでもそれなりのレベルだった。
本当に攻略不可ダンジョンの魔物なのかと疑いたくなる。
やや拍子抜けだ。
スノーケイブのドロップ品は毛皮や牙といったものだった。
「毛皮もなんだかレッドットベアの方が良さそうだな」
「でも服とかにするならこっちのほうがやりやすそうな感じはあるね」
レッドットベアのものは分厚くて暖かそうだった。
スノーケイブのものも暖かそうだけど、レッドットベアのものよりも薄くて加工はしやすそうだ。
フィールド型ダンジョンの厄介なところは、ボスがどこにいて、何なのか分からないことである。
何度も攻略に失敗していると同じ魔物が強くなってしまい、強い個体が存在することもある。
たとえ強い個体でもボスとは一概に言えないこともあるのだ。
あるいは知識の伝授ということもある。
逃げ延びた魔物が知識を蓄えていってより狡猾になることもあり得る。
外ならばそうした魔物には名前がつけられたりするものだけど、こうしたダンジョンの中では大体どこかで倒されるので名前まではつけられない。
しかしそんな知識の伝授が行われているんじゃないかと思えるような狡猾さがスノーケイブにあった。
「今度は後ろから現れたぞ!」
今度は挟み撃ちでスノーケイブが襲いかかってきた。
リュードたちを前後から襲撃して弱いところを攻撃しようと目論んできたのだ。
油断なく警戒していたおかげで素早く体勢を整えてスノーケイブを返り討ちにしたが、まだ逃げられてしまった個体がいた。
知恵を使う相手に油断すると一気に総崩れになってしまう。
単にまっすぐ襲ってくるレッドットベアよりも嫌な感じのする魔物だとみんな思っていた。
「ここら辺は比較的平坦だな。今日はここで切り上げよう」
空が薄暗いから時間の変化が分かりにくい。
やや暗くなってきた感じがするし、ずっと緩やかだった上りが平坦になった。
時間の余裕を考えるともう少し進めるが、斜めのところで休むよりも平らなところで休んでおいた方がいい。
「なんだか夜じゃないのに暗くなってきたような気がしますね」
「そうだな……少し嫌な予感するな」
リュードに言われてウィドウは空を見上げる。
薄暗くなっている空は微妙な明るさを保っているが、なんだかさらに暗くなったような気がした。
ーーーーー
「これまでは運が良かったな」
テントを張っている最中からチラチラと降っていた雪の勢いが強くなってきて、本格的に降り出してきた。
段々と降る雪や風の強さが増していき、空はどんよりと暗くなっていった。
あっという間に天候は吹雪となった。
極寒のダンジョンの中ではこうした天候の変化があることは聞いていた。
こんなに激しく吹雪くものだとまでは想像していなかった。
今までは天候が荒れることはなく運が良かったのだと思った。
「ばちばち音がするね」
雪がテントを叩きつけて吹き荒ぶ風の音がうるさい。
こんな音がしていては落ち着いて寝られない。
なんとか気にしないようにして寝てはみたけれどどれだけ時間が経ってかも分からない。
ルフォンがテントの中で温かいものを作って各テントに配って周りそれぞれ休息をとる。
さっさと休んで早めに移動するつもりだったのだけどこれでは移動は難しい。
「悪天候の中でスノーケイブと戦うのは面倒だ。このまま吹雪が収まるまで待とう」
焦りは禁物である。
十分な食料もあるし、暖かさを保つための燃料もある。
リュードたちはそのまま天候の回復を待つことにした。
「近くない?」
リュードたちのテントはリュードとルフォンとラストの三人で使っている。
着替えやなんかにも使うし大きめで丈夫な高いテントを買ったので、三人でもスペース的には余裕ではある。
なのに今はルフォンとラストがリュードに寄っているので結構スペースがもったいないことになっている。
「風の音が怖いから」
「そんな子供じゃあるまいし……」
「いいじゃん? どうせ同じテントの中にいるなら離れたってそんなに離れらんないし」
「それにこうした方があったかいし」
リュードお気に入りのインナーの発熱もあって三人身を寄せ合ってポカポカしている。
「まあそれもそうか」
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変に距離したところでテント内でちょっと離れるだけなのだ。
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