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第七章
白狐姫1
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「流れ的に考えれば次の白キツネにはまた尻尾が増えているはずだな」
「ここまでで四本。次は五本……かな?」
四尾の白キツネが出てきて、ウィドウは安全のために切り札である闇魔法を出すことに決めた。
五尾になるとどうなるのか誰にも予想ができなかった。
「あ、あれは……」
「場所もさることながら……人なのか?」
白キツネが襲ってこないなと思いながら進んでいると、白い世界における異様な空間が目の前に広がった。
誰もが明らかに違う雰囲気に、とうとう白キツネのボスに辿り着いたのだとみんなが思った。
森が開けた。
「春が来たみたいだな」
ボソリとリュードが呟く。
まるでそこだけ春でもきたように円形に雪がなく草が茂っている。
その真ん中に五本の尻尾を持つ白い女性が立っていた。
真っ白な髪がたなびく頭には白いキツネミミが生えていて、見る人の目を奪うような美しい顔立ちをしている。
白に染まったような容姿の中で、目の縁に赤い隈取りが引いてある。
衣装は真っ白で、和服にも似た作りの服を着ていて、全体的な世界観はこの世界で初めて見る感じだった。
「なんだか……やばそうだな」
空を見上げている五尾の白キツネにブレスは嫌な予感を覚えた。
絵になりそうな幻想的な光景だが、他と異なる異常な光景が広がる時は最高な時か、最悪な時と相場が決まっている。
身を隠す場所もない不思議な円形の草原に足を踏み入れることを誰もがためらった。
しかしやらねばならない。
「俺が行こう! 待っていろよ、テレサ!」
ガッチリと盾を構えたダリルを先頭にして草地に足を踏み入れる。
しっかりと大地を踏みしめられる感覚が心地よいが、そんなこと言ってられない。
ダリルが草原に足を踏み入れると五尾の白キツネのミミがピクリと動く。
音を聞いて侵入者に気がついたようだ。
視線を空からリュードたち一行に移す。
五尾の白キツネは端から順に一人一人の顔を見ていく。
「リュード!」
五尾の白キツネの視線がリュードで止まった。
パタリと五尾の白キツネの尻尾が振られて、視線で射抜かれたリュードはとっさに剣を上げてガードする。
ほとんど本能的な行動だった。
直後強い衝撃を受けて、腕が折れる音が聞こえた。
「ぐはっ……!」
後ろに飛ばされたリュードは草原の外にある木にぶつかって地面に倒れ込んだ。
木から落ちる雪がリュードの姿を覆い隠して無事が確認できない。
「ぬう!」
「はっ!」
ダリルとウィドウが突如としてリュードを殴りつけた五尾の白キツネに攻撃を仕掛ける。
一瞬でリュードに距離を詰めてきた五尾の白キツネは、ウィドウですらギリギリ姿を捉えられるぐらいだった。
「ニャロ!」
「はいにゃ!」
ニャロが走ってリュードのところに向かう。
ガードはしたので死んではいないはず。
治療さえすれば戦線に復帰できる。
五尾の白キツネはダリルとウィドウの攻撃をかわして距離を取る。
「……速いな」
これまでの白キツネも十分速かったが、ボスまでになると一つも二つも格が違う。
「よくもリューちゃんを!」
戦う環境としては雪のない地面になった。
しっかりと踏みしめられるならルフォンの速さも最大限に活かせる。
ニャロがリュードの方に向かったので、五尾の白キツネの気を引かなきゃいけない。
最初にリュードを狙った理由は謎だけど、またリュードを狙わないとも限らない。
五尾の白キツネはルフォンをナイフを見切ってかわしたが、頬を浅く切り裂かれる。
ルフォンの速さが想定よりも速かったのだ。
「ルフォン、避けて!」
ラストの声が聞こえた。
ルフォンの視界の端で五尾の白キツネの尻尾が一本動いているのが見えた。
ルフォンの頭ほどの火球が尻尾の先に生み出されて打ち出される。
のけぞりながら身をよじる。
ルフォンの胸スレスレを火球が通り過ぎていく。
ラストが声を出さなかったら気づけなかった。
「グァッ……!」
火球に気を取られたルフォンを、逆から尻尾が襲いかかって叩き飛ばした。
「ルフォン、大丈夫!?」
「う、うん……」
「待ってください! 今治しますので」
アルフォンスがルフォンの治療をする。
「尻尾が五尾の白キツネの武器のようだな」
魔法も放てるし普通に攻撃もできる。
これまでの白キツネは爪や牙で攻撃するか魔法を使うかだったけれど、魔法を使いながら尻尾による攻撃もすることができるようだ。
「人化した魔物がボスとはな……出し惜しみもできないな!」
人化した魔物は大きな脅威だ。
このダンジョンのボスというだけでも強いだろうに、このような魔物の強さは計り知れない。
幸いにして取り巻きの魔物はいない。
五尾の白キツネに集中はできる。
裏を返せば一体で十分強いとも言える。
速さを活かした相手なら速さを活かせないようにするのが定石。
五尾の白キツネを取り囲むようにして布陣する。
「ブレス、危険だ!」
「うわっ、くっ、た、助けてくれ!」
ルフォンを中心にして攻撃を仕掛けていたが、五尾の白キツネはなんと攻撃を掻い潜ってブレスを狙った。
流石にゴールド+ランクの冒険者のブレスも、前衛職でないからと言ってただ仲間に守られているのを期待してるだけではない。
ブレスの腹部を突き刺そうとした五尾の白キツネの尻尾をかわす。
しかし自在に動く五本の尻尾は、魔法使いであるブレスにとって対処するのは難しい。
尻尾だけでなく、さらに爪まで繰り出されてブレスは何とか回避をする。
けれど視界の外に回り込むように伸ばされた尻尾から打ち出された火球に対して反応が遅れた。
直撃は避けたが脇腹を掠め、服に火がついた。
消えない炎が服についしまってブレスの顔から血の気がひく。
「ここまでで四本。次は五本……かな?」
四尾の白キツネが出てきて、ウィドウは安全のために切り札である闇魔法を出すことに決めた。
五尾になるとどうなるのか誰にも予想ができなかった。
「あ、あれは……」
「場所もさることながら……人なのか?」
白キツネが襲ってこないなと思いながら進んでいると、白い世界における異様な空間が目の前に広がった。
誰もが明らかに違う雰囲気に、とうとう白キツネのボスに辿り着いたのだとみんなが思った。
森が開けた。
「春が来たみたいだな」
ボソリとリュードが呟く。
まるでそこだけ春でもきたように円形に雪がなく草が茂っている。
その真ん中に五本の尻尾を持つ白い女性が立っていた。
真っ白な髪がたなびく頭には白いキツネミミが生えていて、見る人の目を奪うような美しい顔立ちをしている。
白に染まったような容姿の中で、目の縁に赤い隈取りが引いてある。
衣装は真っ白で、和服にも似た作りの服を着ていて、全体的な世界観はこの世界で初めて見る感じだった。
「なんだか……やばそうだな」
空を見上げている五尾の白キツネにブレスは嫌な予感を覚えた。
絵になりそうな幻想的な光景だが、他と異なる異常な光景が広がる時は最高な時か、最悪な時と相場が決まっている。
身を隠す場所もない不思議な円形の草原に足を踏み入れることを誰もがためらった。
しかしやらねばならない。
「俺が行こう! 待っていろよ、テレサ!」
ガッチリと盾を構えたダリルを先頭にして草地に足を踏み入れる。
しっかりと大地を踏みしめられる感覚が心地よいが、そんなこと言ってられない。
ダリルが草原に足を踏み入れると五尾の白キツネのミミがピクリと動く。
音を聞いて侵入者に気がついたようだ。
視線を空からリュードたち一行に移す。
五尾の白キツネは端から順に一人一人の顔を見ていく。
「リュード!」
五尾の白キツネの視線がリュードで止まった。
パタリと五尾の白キツネの尻尾が振られて、視線で射抜かれたリュードはとっさに剣を上げてガードする。
ほとんど本能的な行動だった。
直後強い衝撃を受けて、腕が折れる音が聞こえた。
「ぐはっ……!」
後ろに飛ばされたリュードは草原の外にある木にぶつかって地面に倒れ込んだ。
木から落ちる雪がリュードの姿を覆い隠して無事が確認できない。
「ぬう!」
「はっ!」
ダリルとウィドウが突如としてリュードを殴りつけた五尾の白キツネに攻撃を仕掛ける。
一瞬でリュードに距離を詰めてきた五尾の白キツネは、ウィドウですらギリギリ姿を捉えられるぐらいだった。
「ニャロ!」
「はいにゃ!」
ニャロが走ってリュードのところに向かう。
ガードはしたので死んではいないはず。
治療さえすれば戦線に復帰できる。
五尾の白キツネはダリルとウィドウの攻撃をかわして距離を取る。
「……速いな」
これまでの白キツネも十分速かったが、ボスまでになると一つも二つも格が違う。
「よくもリューちゃんを!」
戦う環境としては雪のない地面になった。
しっかりと踏みしめられるならルフォンの速さも最大限に活かせる。
ニャロがリュードの方に向かったので、五尾の白キツネの気を引かなきゃいけない。
最初にリュードを狙った理由は謎だけど、またリュードを狙わないとも限らない。
五尾の白キツネはルフォンをナイフを見切ってかわしたが、頬を浅く切り裂かれる。
ルフォンの速さが想定よりも速かったのだ。
「ルフォン、避けて!」
ラストの声が聞こえた。
ルフォンの視界の端で五尾の白キツネの尻尾が一本動いているのが見えた。
ルフォンの頭ほどの火球が尻尾の先に生み出されて打ち出される。
のけぞりながら身をよじる。
ルフォンの胸スレスレを火球が通り過ぎていく。
ラストが声を出さなかったら気づけなかった。
「グァッ……!」
火球に気を取られたルフォンを、逆から尻尾が襲いかかって叩き飛ばした。
「ルフォン、大丈夫!?」
「う、うん……」
「待ってください! 今治しますので」
アルフォンスがルフォンの治療をする。
「尻尾が五尾の白キツネの武器のようだな」
魔法も放てるし普通に攻撃もできる。
これまでの白キツネは爪や牙で攻撃するか魔法を使うかだったけれど、魔法を使いながら尻尾による攻撃もすることができるようだ。
「人化した魔物がボスとはな……出し惜しみもできないな!」
人化した魔物は大きな脅威だ。
このダンジョンのボスというだけでも強いだろうに、このような魔物の強さは計り知れない。
幸いにして取り巻きの魔物はいない。
五尾の白キツネに集中はできる。
裏を返せば一体で十分強いとも言える。
速さを活かした相手なら速さを活かせないようにするのが定石。
五尾の白キツネを取り囲むようにして布陣する。
「ブレス、危険だ!」
「うわっ、くっ、た、助けてくれ!」
ルフォンを中心にして攻撃を仕掛けていたが、五尾の白キツネはなんと攻撃を掻い潜ってブレスを狙った。
流石にゴールド+ランクの冒険者のブレスも、前衛職でないからと言ってただ仲間に守られているのを期待してるだけではない。
ブレスの腹部を突き刺そうとした五尾の白キツネの尻尾をかわす。
しかし自在に動く五本の尻尾は、魔法使いであるブレスにとって対処するのは難しい。
尻尾だけでなく、さらに爪まで繰り出されてブレスは何とか回避をする。
けれど視界の外に回り込むように伸ばされた尻尾から打ち出された火球に対して反応が遅れた。
直撃は避けたが脇腹を掠め、服に火がついた。
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