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第七章
感謝の膝枕
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「急になんだ……?」
大きさ的には極寒のダンジョンの入り口の扉と同じぐらいの大きなものだった。
だけどより白っぽく豪奢な扉はダンジョンの入り口とは違っている。
そのデザインには何となくだけど、神聖さすら感じさせているような気がした。
まだダンジョンが続く。
もしかしたらここはダンジョンの階層の一つで、この扉は次の階層に続くものなんじゃないかと思った。
そうなるとまた同じような広いフィールドがあるかもしれない。
絶望までいかなくてもショックはある。
「……ひとまず休もう」
少なくとも五尾の白キツネはこの階層におけるボスだったとは予想できる。
周りに魔物の気配もない。
扉から別階層の魔物が飛び出してくることは過去に例がない。
なのでしばらくこの周辺は安全だとみていい。
みんな戦いで疲れている。
乾いた地面も久々なので休むことにした。
「リューちゃん、体は大丈夫?」
「ああ、何とかな」
もう立ち上がる力もなくて、リュードは扉から視線を外して上を見上げていた。
そんなリュードを上からルフォンが覗き込む。
魔力を完全なコントロールに置くことは、とんでもない集中力と体力を要する。
集中が切れて弾けるように魔力が拡散して、通常状態に戻ったら体がドッと重たくなった。
「はぁーあ、疲れた!」
ウィドウの提案で休憩するけれど、まともに休む準備もみんなできないでいた。
聖職者たちも神聖力をかなり消耗しているからみんなを治すこともできない。
リュードはルフォンから自作のポーションを受け取って飲み干すと地面に体を投げ出した。
「なーんか狙われてたよな、俺」
「そりゃあリューちゃんはイケオスだからね」
ルフォンもリュードの横に寝転がる。
確かに五尾の白キツネはリュードを狙っていたように思える。
最後もジッとリュードを見つめて死んでいった。
ルフォンとしてら何かムカつくけど、空を見つめるリュードの横顔を見ていると気持ちも分からなくもない。
スノーケイブキングがラストをさらったことを考えるに、五尾の白キツネがリュードに何かの思いを抱いたとしてもおかしくはない。
「お前らそんなところで寝てると風邪をひくぞ?」
「今更風邪なんて気にしないさ」
「テント立ててやるからせめてそこで寝ろ」
比較的動くことの少なかったダリルがテントを張ってくれていた。
ダリルの手を借りてリュードは立ち上がってフラフラとテントに入る。
冷たい空気が遮断されるだけテントの中の方が少しだけ環境としてマシである。
「ほら、どーぞ」
ルフォンは料理を作るためにテントに入らず、テントの中にはリュードとラストがいることになった。
いつもより顔色の悪いリュードは明らかに疲れている。
ラストはポンポンと自分の太ももを叩く。
それが何を意味しているのかリュードもすぐに察した。
恥ずかしいならやめればいいのに、それでも耳を真っ赤にしながらもその姿勢を崩さないラスト。
女の子に恥をかかすわけにはいかない。
「じゃあ少し甘えるか」
リュードは寝転がってラストの太ももに頭を乗せる。
いわゆる膝枕ってやつだ。
思いの外高さも良くて人肌の温かさが心地よい。
「ん……どう?」
「なかなか悪くないもんだな」
「そ、ならよかった。あとさ……」
「なんだ?」
下から見上げるとラストの表情は分からない。
首元まで赤くなっているのは分かるが、明後日の方向を見ているのでどんな顔をしてるのか見えないのだ。
「その…………助けてくれて……あんがと。助けに来てくれて嬉しかった。ちゃんとお礼も言えてなかったから……」
消え入りそうな声だったけど、静かなテントの中では良く聞こえた。
「ラストが無事でよかったよ」
「なんかさ、助けられてばっかりだよね」
「そんなことないさ。ラストの弓にはこっちも助けられてるよ。ルフォンと二人きりでも大丈夫だろうと思ってたけど、役割を考えた時にラストがいてくれるから安心して戦えるところは大きいよ」
「そ、そう? それなら嬉しいな……」
ラストの体温がやや上がった気がする。
「こっちこそ変なことに巻き込んじゃって悪いな」
「ううん、だって私も行くことに賛成したもん」
下から見上げているのも悪い気がしてきて、リュードは体を横に向ける。
ようやくラストは視線を落としてリュードを見る。
サラリとした髪が垂れて足にかかって少しくすぐったい。
頭を撫でたいな、なんて気持ちにさせられる。
感謝と愛しみがグーっと胸を占める。
「ラスト?」
「ちょっとだけ……」
「……ちょっとだけだぞ」
指一本ぐらいならとリュードの頬に触る。
思っていたよりも柔らかくてフニッと指が沈み込む。
ずっとつついていたい気持ちになる。
リュードの方も、膝枕をしていただいている身分なので大人しく受け入れる。
そのまま少し頬をつついていたラストは流れでサラリと髪に触れる。
髪を整えるように触っていたのがやがて撫でるようになっていく。
ちょっとだけと言いながらもラストはルフォンに呼ばれるまでリュードの頭を撫でていたのだった。
大きさ的には極寒のダンジョンの入り口の扉と同じぐらいの大きなものだった。
だけどより白っぽく豪奢な扉はダンジョンの入り口とは違っている。
そのデザインには何となくだけど、神聖さすら感じさせているような気がした。
まだダンジョンが続く。
もしかしたらここはダンジョンの階層の一つで、この扉は次の階層に続くものなんじゃないかと思った。
そうなるとまた同じような広いフィールドがあるかもしれない。
絶望までいかなくてもショックはある。
「……ひとまず休もう」
少なくとも五尾の白キツネはこの階層におけるボスだったとは予想できる。
周りに魔物の気配もない。
扉から別階層の魔物が飛び出してくることは過去に例がない。
なのでしばらくこの周辺は安全だとみていい。
みんな戦いで疲れている。
乾いた地面も久々なので休むことにした。
「リューちゃん、体は大丈夫?」
「ああ、何とかな」
もう立ち上がる力もなくて、リュードは扉から視線を外して上を見上げていた。
そんなリュードを上からルフォンが覗き込む。
魔力を完全なコントロールに置くことは、とんでもない集中力と体力を要する。
集中が切れて弾けるように魔力が拡散して、通常状態に戻ったら体がドッと重たくなった。
「はぁーあ、疲れた!」
ウィドウの提案で休憩するけれど、まともに休む準備もみんなできないでいた。
聖職者たちも神聖力をかなり消耗しているからみんなを治すこともできない。
リュードはルフォンから自作のポーションを受け取って飲み干すと地面に体を投げ出した。
「なーんか狙われてたよな、俺」
「そりゃあリューちゃんはイケオスだからね」
ルフォンもリュードの横に寝転がる。
確かに五尾の白キツネはリュードを狙っていたように思える。
最後もジッとリュードを見つめて死んでいった。
ルフォンとしてら何かムカつくけど、空を見つめるリュードの横顔を見ていると気持ちも分からなくもない。
スノーケイブキングがラストをさらったことを考えるに、五尾の白キツネがリュードに何かの思いを抱いたとしてもおかしくはない。
「お前らそんなところで寝てると風邪をひくぞ?」
「今更風邪なんて気にしないさ」
「テント立ててやるからせめてそこで寝ろ」
比較的動くことの少なかったダリルがテントを張ってくれていた。
ダリルの手を借りてリュードは立ち上がってフラフラとテントに入る。
冷たい空気が遮断されるだけテントの中の方が少しだけ環境としてマシである。
「ほら、どーぞ」
ルフォンは料理を作るためにテントに入らず、テントの中にはリュードとラストがいることになった。
いつもより顔色の悪いリュードは明らかに疲れている。
ラストはポンポンと自分の太ももを叩く。
それが何を意味しているのかリュードもすぐに察した。
恥ずかしいならやめればいいのに、それでも耳を真っ赤にしながらもその姿勢を崩さないラスト。
女の子に恥をかかすわけにはいかない。
「じゃあ少し甘えるか」
リュードは寝転がってラストの太ももに頭を乗せる。
いわゆる膝枕ってやつだ。
思いの外高さも良くて人肌の温かさが心地よい。
「ん……どう?」
「なかなか悪くないもんだな」
「そ、ならよかった。あとさ……」
「なんだ?」
下から見上げるとラストの表情は分からない。
首元まで赤くなっているのは分かるが、明後日の方向を見ているのでどんな顔をしてるのか見えないのだ。
「その…………助けてくれて……あんがと。助けに来てくれて嬉しかった。ちゃんとお礼も言えてなかったから……」
消え入りそうな声だったけど、静かなテントの中では良く聞こえた。
「ラストが無事でよかったよ」
「なんかさ、助けられてばっかりだよね」
「そんなことないさ。ラストの弓にはこっちも助けられてるよ。ルフォンと二人きりでも大丈夫だろうと思ってたけど、役割を考えた時にラストがいてくれるから安心して戦えるところは大きいよ」
「そ、そう? それなら嬉しいな……」
ラストの体温がやや上がった気がする。
「こっちこそ変なことに巻き込んじゃって悪いな」
「ううん、だって私も行くことに賛成したもん」
下から見上げているのも悪い気がしてきて、リュードは体を横に向ける。
ようやくラストは視線を落としてリュードを見る。
サラリとした髪が垂れて足にかかって少しくすぐったい。
頭を撫でたいな、なんて気持ちにさせられる。
感謝と愛しみがグーっと胸を占める。
「ラスト?」
「ちょっとだけ……」
「……ちょっとだけだぞ」
指一本ぐらいならとリュードの頬に触る。
思っていたよりも柔らかくてフニッと指が沈み込む。
ずっとつついていたい気持ちになる。
リュードの方も、膝枕をしていただいている身分なので大人しく受け入れる。
そのまま少し頬をつついていたラストは流れでサラリと髪に触れる。
髪を整えるように触っていたのがやがて撫でるようになっていく。
ちょっとだけと言いながらもラストはルフォンに呼ばれるまでリュードの頭を撫でていたのだった。
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