521 / 550
第八章
呪いをかけられた町1
しおりを挟む
「よーし、着いたな」
ちょっと長いこと町がなく、しばらく野宿が続いてようやく泊まれそうな町に着いた。
それなりの大きさの町で、ちゃんとした宿が期待できる。
「……なんか、変」
「あ、ルフォンもそう思う? 私もなんだか……気味が悪い感じ」
久々の町だしお高めの宿にでも泊まろうかと町中を歩きながら宿を探す。
大体高めの宿は街の縁よりも、中の方にありがちなので中心部に向かっていく。
歩いていると、ルフォンやラストが何かの違和感を感じてそれを口に出した。
どことなく感じるもので、正確にそれが何から感じられるものなのか分からなくて不気味さがある。
リュードもそう言われてみればなんかへんな感じがあるというのは分かるけれど、何が変なのか分からない。
危険を感じるものではないのでとりあえず放っておいて、良さそうな宿を見つけた。
ほとんど喋らない無口な店主から部屋を借りる。
ルフォンたち女子が四人部屋でリュードが二人部屋を一人で使う。
「何がおかしいんだろな?」
何かがおかしいのにそれが分からないのは何となくストレスだ。
女子の方の部屋にリュードも集まって少し話し合う。
どうにも気味が悪いので明日さっさと出発しようという話になった。
違和感や気味の悪さの正体を突き止めようと話してみるけど誰からも答えは出ない。
ラストは窓から町を見下ろしてみる。
町を行き交う人々、なんの変哲もない日常の光景だ。
「うーん……なんかみんな目に覇気がないってのかな?」
「……確かにな」
人は歩いているが、みんなどことなく焦点の合わないようなぼんやりとした目をしている。
「あと町中が静かな気がするにゃ」
「静か……」
「そうだね。人の声とか雑踏の音とか、なんか物静かな感じがするね」
「あー、なるほどね」
何がおかしい。
大きくいうなら人がおかしいのだ。
目に正気がなくただただ歩いているだけで、走っている人もいなくて会話もしない。
町中を広く見たときにはあまり違和感として感じないが1人1人を見てみるとなんだかおかしいのだ。
まるでロボットやゴーレムのように決められた行動だけをしているような、生きている感じが町の中に感じられない。
だから違和感があって気味が悪く感じられるのだと何となく気がついた。
「なんだ、この町……」
気づいたら気づいてしまったで気持ち悪い。
消耗品の補充でもやろうと思っていたけれど、出歩くのはやめて早くに出発するために早く寝ることにした。
ーーーーー
「パパ!」
「ギャー! やっぱりにゃー!」
「う……なんだ?」
妙な全身の気だるさをリュードは感じていた。
ひどい風邪にでもなったような最悪な気分。
リュードはコユキとニャロの声で目を覚ました。
視界がぼんやりとして頭が重い。
軽く目の周りを揉むようにして意識を覚醒させる。
「えっ!?」
どうやらまだ夢の中にいるようだととっさに思った。
「お、お前ら……なんでそんなにでっかいんだよ!」
「……違うにゃ! リュードがちっちゃくなったんだにゃ!」
「なんだって?」
なぜまだ夢だと思ったのか、それはリュードのことを覗き込むコユキがすごい巨大になっていたからだった。
しかしニャロに逆だと言われて周りを見回す。
大海のようなベッドと布団。
ベッド横にある窓はそこから出るには厳しいぐらいの大きさだったのに、今は極寒のダンジョン入り口の門よりも巨大に見えた。
ニャロもコユキも見上げるほどに大きく、コユキは今ならリュードを使って人形遊びでも出来るだろう。
「ルフォンとラストは」
「ここにいるよー!」
「おーい! リュード!」
「ん? ……あっ!」
ニャロとコユキはいるがルフォンとラストの姿がない。
声が聞こえてよく探してみるとニャロの手の上に二人はいた。
つまりルフォンとラストも同じく縮んで小さなサイズになっているということだ。
ニャロがそっと二人をベッドに下ろす。
「な、何があったんだよ!?」
いつもは冷静なリュードも同様が隠せない。
小さくなるなんて現象、リュードにも心当たりがなくて原因が分からない。
「分からないよ。朝起きたらこうなってたんだ」
「なんか気分悪くて……妙にベッドがデカくて……そしたらデッカくなったコユキがいてびっくりしたよ! でもコユキがデッカくなったんじゃなくて私たちがちっちゃくなったんだね」
「なんでまた……コユキとニャロは無事なんだ?」
リュード、ルフォン、ラストは小さくなったのにコユキとニャロは無事。
このことにヒントがあるはずだとリュードは考えた。
「神聖力にゃ」
「神聖力……なるほど。何かわかるのか?」
「これはまだ予想の範囲は出ないけど多分呪い、呪術じゃないかと思うにゃ」
「呪いだと?」
「そうにゃ。私たちが無事でリュードたちがそうなってしまったにゃ。この差は神聖力を持つものと持たないものの差にゃ」
「それで?」
「そしてこの不思議な現象にゃ。私もどんなものかは知らないけれどこういったことを起こせるものの一つとして呪いがあるにゃ。神聖力を持つものに呪いはほとんど効かないにゃ」
「それらを合わせて考えると……」
「これは呪いのせいになるにゃ。この町の異様な雰囲気も呪いが関わっていると考えると説明できなくもないにゃ!」
ニャロの推理を聞いてリュードも納得する。
呪いも魔法の一種であるが、魔法というにはちょっと性質が異なる。
ちょっと長いこと町がなく、しばらく野宿が続いてようやく泊まれそうな町に着いた。
それなりの大きさの町で、ちゃんとした宿が期待できる。
「……なんか、変」
「あ、ルフォンもそう思う? 私もなんだか……気味が悪い感じ」
久々の町だしお高めの宿にでも泊まろうかと町中を歩きながら宿を探す。
大体高めの宿は街の縁よりも、中の方にありがちなので中心部に向かっていく。
歩いていると、ルフォンやラストが何かの違和感を感じてそれを口に出した。
どことなく感じるもので、正確にそれが何から感じられるものなのか分からなくて不気味さがある。
リュードもそう言われてみればなんかへんな感じがあるというのは分かるけれど、何が変なのか分からない。
危険を感じるものではないのでとりあえず放っておいて、良さそうな宿を見つけた。
ほとんど喋らない無口な店主から部屋を借りる。
ルフォンたち女子が四人部屋でリュードが二人部屋を一人で使う。
「何がおかしいんだろな?」
何かがおかしいのにそれが分からないのは何となくストレスだ。
女子の方の部屋にリュードも集まって少し話し合う。
どうにも気味が悪いので明日さっさと出発しようという話になった。
違和感や気味の悪さの正体を突き止めようと話してみるけど誰からも答えは出ない。
ラストは窓から町を見下ろしてみる。
町を行き交う人々、なんの変哲もない日常の光景だ。
「うーん……なんかみんな目に覇気がないってのかな?」
「……確かにな」
人は歩いているが、みんなどことなく焦点の合わないようなぼんやりとした目をしている。
「あと町中が静かな気がするにゃ」
「静か……」
「そうだね。人の声とか雑踏の音とか、なんか物静かな感じがするね」
「あー、なるほどね」
何がおかしい。
大きくいうなら人がおかしいのだ。
目に正気がなくただただ歩いているだけで、走っている人もいなくて会話もしない。
町中を広く見たときにはあまり違和感として感じないが1人1人を見てみるとなんだかおかしいのだ。
まるでロボットやゴーレムのように決められた行動だけをしているような、生きている感じが町の中に感じられない。
だから違和感があって気味が悪く感じられるのだと何となく気がついた。
「なんだ、この町……」
気づいたら気づいてしまったで気持ち悪い。
消耗品の補充でもやろうと思っていたけれど、出歩くのはやめて早くに出発するために早く寝ることにした。
ーーーーー
「パパ!」
「ギャー! やっぱりにゃー!」
「う……なんだ?」
妙な全身の気だるさをリュードは感じていた。
ひどい風邪にでもなったような最悪な気分。
リュードはコユキとニャロの声で目を覚ました。
視界がぼんやりとして頭が重い。
軽く目の周りを揉むようにして意識を覚醒させる。
「えっ!?」
どうやらまだ夢の中にいるようだととっさに思った。
「お、お前ら……なんでそんなにでっかいんだよ!」
「……違うにゃ! リュードがちっちゃくなったんだにゃ!」
「なんだって?」
なぜまだ夢だと思ったのか、それはリュードのことを覗き込むコユキがすごい巨大になっていたからだった。
しかしニャロに逆だと言われて周りを見回す。
大海のようなベッドと布団。
ベッド横にある窓はそこから出るには厳しいぐらいの大きさだったのに、今は極寒のダンジョン入り口の門よりも巨大に見えた。
ニャロもコユキも見上げるほどに大きく、コユキは今ならリュードを使って人形遊びでも出来るだろう。
「ルフォンとラストは」
「ここにいるよー!」
「おーい! リュード!」
「ん? ……あっ!」
ニャロとコユキはいるがルフォンとラストの姿がない。
声が聞こえてよく探してみるとニャロの手の上に二人はいた。
つまりルフォンとラストも同じく縮んで小さなサイズになっているということだ。
ニャロがそっと二人をベッドに下ろす。
「な、何があったんだよ!?」
いつもは冷静なリュードも同様が隠せない。
小さくなるなんて現象、リュードにも心当たりがなくて原因が分からない。
「分からないよ。朝起きたらこうなってたんだ」
「なんか気分悪くて……妙にベッドがデカくて……そしたらデッカくなったコユキがいてびっくりしたよ! でもコユキがデッカくなったんじゃなくて私たちがちっちゃくなったんだね」
「なんでまた……コユキとニャロは無事なんだ?」
リュード、ルフォン、ラストは小さくなったのにコユキとニャロは無事。
このことにヒントがあるはずだとリュードは考えた。
「神聖力にゃ」
「神聖力……なるほど。何かわかるのか?」
「これはまだ予想の範囲は出ないけど多分呪い、呪術じゃないかと思うにゃ」
「呪いだと?」
「そうにゃ。私たちが無事でリュードたちがそうなってしまったにゃ。この差は神聖力を持つものと持たないものの差にゃ」
「それで?」
「そしてこの不思議な現象にゃ。私もどんなものかは知らないけれどこういったことを起こせるものの一つとして呪いがあるにゃ。神聖力を持つものに呪いはほとんど効かないにゃ」
「それらを合わせて考えると……」
「これは呪いのせいになるにゃ。この町の異様な雰囲気も呪いが関わっていると考えると説明できなくもないにゃ!」
ニャロの推理を聞いてリュードも納得する。
呪いも魔法の一種であるが、魔法というにはちょっと性質が異なる。
1
あなたにおすすめの小説
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜
大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!?
どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる