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第八章
お屋敷に侵入だ5
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「うわ……俺この先行きたくない」
「俺もだけど、確認しなきゃいけないな」
みんな顔を見合わせて嫌な表情を浮かべる。
聞こえてきているのは女性の嬌声と女性を責め立てているような男性の声。
どこをどう切り取って聞いても情事の声である。
昼間からお盛んなのは別に好きにしてくれていいが、それを覗きたい人なんてこの場にはいない。
ここにいる男は誰かを考えると、見たいと思える男でないことも大きな問題である。
しかし確認しないわけにもいかない。
「確認するしかないか……」
情事の最中ならバレにくくもあるはずだし、覗くならチャンスではある。
仕方なくリュードたちは声の方に向かう。
普通のお楽しみならまだマシなのだけど、やたらと言葉責めをしている。
趣味の悪いやり方である。
「おーおー……真っ昼間からお盛んだな」
カーテンすら閉めずにベッドの上でまぐわう男女がドアの隙間から見える。
男性は一人だけどベッドの周りに何人かの女性がグッタリとしている。
「お、おい、あいつホルドだぞ!」
「マジかよ……相手の女、食堂の娘さん……あそこに倒れてんのはギルドの受付嬢だ」
てっきりこの場にいるのはカイーダだと思っていた全員が驚いた。
ベッドでヘコヘコとしているのはなんとカイーダではなく、行方がまだ掴めていなかったホルドの方であった。
周りに倒れている女性たちは町の中でも綺麗どころの女性たちであった。
「アイツ……何やってやがんだ!」
「待て! 何かおかしくないか」
「なんだ、止めるなよ! 女性たちを助けないと!」
中に入って女性を助けようとする男をサンジェルが止める。
「よく見てみろ。どの女性も目がうつろで無気力だ。今行為中の女性もアンアン言ってるが何というかただ言ってるだけ、わざとらしい」
「つまりなんだよ?」
「彼女たちは俺たち側にはいないから確実なことは言えないがもしかしたら彼女たちも入れ替わった……」
「偽物だって言うのかよ?」
女性たちに違和感を感じた。
どの人も目がうつろな偽物のように見える。
見た目じゃ偽物か本物かの判断は難しい。
だが本物の女性たちがホルドに抱かれるはずがないとはみんなが思う。
「……確かめてみましょう」
「確かめる? どうやってだ?」
「ここは一度退いて閉じ込められた人を助け出すんです。町の人たちがいるならあの人たちもいるかもしれません。もし閉じ込められた人の中にあの人たちがいるなら、アイツが相手してるのは偽物です」
「なるほど……そうだな」
「仮に本物だとしても準備しなきゃ助け出せません」
「チッ……」
「ガバッド、とりあえずここは退こう。シューナリュードの言う通り助け出すにも準備が必要だ」
「はぁ……これ以上見てたら吐いちまう」
やたらと上からマウントを取るようにして、女性に言葉を浴びせるホルドの行為に耳まで腐り落ちそうな気分になる。
さっさとその場を離れて階段を降りる。
あれだけ激しくやっていたら窓が割れても気づかないだろう。
ニャロに計画を実行することを伝えて外に出る。
「格子のある部屋……あった」
窓に格子のある部屋を探す。
なんの用途で窓に格子嵌め込んでいるのか知らないが、元領主にもいけない趣味でもあったのかもしれない。
「こっこにゃー!」
窓の外を覗き込んでいたニャロはリュードを見つけると嬉しそうに手を振った。
出来るだけ音が鳴らないように布を当てて窓の隅を慎重に叩き割った。
そこから小さな布の包みを出して、包みに括った紐を伸ばして窓の外に下ろす。
「ニャロ、ストーップ!」
「そ、外だ!」
包みを開くと中にリュードたちと同じく小人化した人々が入っていた。
外に出るとみんな抱き合って喜びニャロのことを聖女と呼んで感謝を述べる。
「ニャロ、成功だ!」
「やったにゃ!」
町の人は多い。
到底一回じゃ作業は終わらず何回も作業を繰り返す。
そうして小さくなった町の人が脱出していく。
環境が悪く食事もなくて弱っている人もいたが、ニャロの治療によって一時的に回復していたので移動にも耐えられた。
その過程で食堂の娘やギルドの受付嬢も囚われていたことが分かり、ホルドの部屋にいた女性たちも偽物であったことが判明した。
「私、聖女様と一緒にいる!」
「何をしているの!」
「聖女様を一人になんて出来ないよ! お母さんを治してくれた聖女様と一緒にいるの!」
もうほとんどの人が脱出した。
そこで一悶着。
一人の少女が脱出を拒否したのだ。
比較的最近連れてこられた親子で、ニャロが体の弱い母親のことを治療してあげていた。
その娘の方がニャロがいかないなら自分も行かないというのだ。
「私は大丈夫にゃ」
「ううん、だめだよ。私が聖女様のお側にいてあげたいの!」
「……聖女様、この子のことお願いできますか?」
「ええっ!? せっかく出れるのににゃ……」
「この子、言い出したら聞かないんです」
「………………分かったにゃ」
あまり騒がれるとバレてしまうかもしれない。
結局周りが折れて女の子はニャロのそばにいることになった。
ろくに確認しにもこない。
バレることはないだろうし、バレてもどうにか窓から逃せばいい。
それにやっぱり一人じゃ心細いところはある。
一人の少女でもいてくれると非常にありがたい。
「ニャロ、絶対に助けに来るからな」
「うん、信じてるにゃ。リュードなら助けてくれるって分かってるにゃ!」
残念ながら小さくなっていないニャロは格子の窓を通れない。
でもリュードが必死にどうにかしようとしてくれている。
それだけでニャロは大きな希望が持てた。
攻略不可と言われたダンジョンを攻略した男はダンジョンの中でも決して諦めなかった。
だからニャロも諦めない。
「俺もだけど、確認しなきゃいけないな」
みんな顔を見合わせて嫌な表情を浮かべる。
聞こえてきているのは女性の嬌声と女性を責め立てているような男性の声。
どこをどう切り取って聞いても情事の声である。
昼間からお盛んなのは別に好きにしてくれていいが、それを覗きたい人なんてこの場にはいない。
ここにいる男は誰かを考えると、見たいと思える男でないことも大きな問題である。
しかし確認しないわけにもいかない。
「確認するしかないか……」
情事の最中ならバレにくくもあるはずだし、覗くならチャンスではある。
仕方なくリュードたちは声の方に向かう。
普通のお楽しみならまだマシなのだけど、やたらと言葉責めをしている。
趣味の悪いやり方である。
「おーおー……真っ昼間からお盛んだな」
カーテンすら閉めずにベッドの上でまぐわう男女がドアの隙間から見える。
男性は一人だけどベッドの周りに何人かの女性がグッタリとしている。
「お、おい、あいつホルドだぞ!」
「マジかよ……相手の女、食堂の娘さん……あそこに倒れてんのはギルドの受付嬢だ」
てっきりこの場にいるのはカイーダだと思っていた全員が驚いた。
ベッドでヘコヘコとしているのはなんとカイーダではなく、行方がまだ掴めていなかったホルドの方であった。
周りに倒れている女性たちは町の中でも綺麗どころの女性たちであった。
「アイツ……何やってやがんだ!」
「待て! 何かおかしくないか」
「なんだ、止めるなよ! 女性たちを助けないと!」
中に入って女性を助けようとする男をサンジェルが止める。
「よく見てみろ。どの女性も目がうつろで無気力だ。今行為中の女性もアンアン言ってるが何というかただ言ってるだけ、わざとらしい」
「つまりなんだよ?」
「彼女たちは俺たち側にはいないから確実なことは言えないがもしかしたら彼女たちも入れ替わった……」
「偽物だって言うのかよ?」
女性たちに違和感を感じた。
どの人も目がうつろな偽物のように見える。
見た目じゃ偽物か本物かの判断は難しい。
だが本物の女性たちがホルドに抱かれるはずがないとはみんなが思う。
「……確かめてみましょう」
「確かめる? どうやってだ?」
「ここは一度退いて閉じ込められた人を助け出すんです。町の人たちがいるならあの人たちもいるかもしれません。もし閉じ込められた人の中にあの人たちがいるなら、アイツが相手してるのは偽物です」
「なるほど……そうだな」
「仮に本物だとしても準備しなきゃ助け出せません」
「チッ……」
「ガバッド、とりあえずここは退こう。シューナリュードの言う通り助け出すにも準備が必要だ」
「はぁ……これ以上見てたら吐いちまう」
やたらと上からマウントを取るようにして、女性に言葉を浴びせるホルドの行為に耳まで腐り落ちそうな気分になる。
さっさとその場を離れて階段を降りる。
あれだけ激しくやっていたら窓が割れても気づかないだろう。
ニャロに計画を実行することを伝えて外に出る。
「格子のある部屋……あった」
窓に格子のある部屋を探す。
なんの用途で窓に格子嵌め込んでいるのか知らないが、元領主にもいけない趣味でもあったのかもしれない。
「こっこにゃー!」
窓の外を覗き込んでいたニャロはリュードを見つけると嬉しそうに手を振った。
出来るだけ音が鳴らないように布を当てて窓の隅を慎重に叩き割った。
そこから小さな布の包みを出して、包みに括った紐を伸ばして窓の外に下ろす。
「ニャロ、ストーップ!」
「そ、外だ!」
包みを開くと中にリュードたちと同じく小人化した人々が入っていた。
外に出るとみんな抱き合って喜びニャロのことを聖女と呼んで感謝を述べる。
「ニャロ、成功だ!」
「やったにゃ!」
町の人は多い。
到底一回じゃ作業は終わらず何回も作業を繰り返す。
そうして小さくなった町の人が脱出していく。
環境が悪く食事もなくて弱っている人もいたが、ニャロの治療によって一時的に回復していたので移動にも耐えられた。
その過程で食堂の娘やギルドの受付嬢も囚われていたことが分かり、ホルドの部屋にいた女性たちも偽物であったことが判明した。
「私、聖女様と一緒にいる!」
「何をしているの!」
「聖女様を一人になんて出来ないよ! お母さんを治してくれた聖女様と一緒にいるの!」
もうほとんどの人が脱出した。
そこで一悶着。
一人の少女が脱出を拒否したのだ。
比較的最近連れてこられた親子で、ニャロが体の弱い母親のことを治療してあげていた。
その娘の方がニャロがいかないなら自分も行かないというのだ。
「私は大丈夫にゃ」
「ううん、だめだよ。私が聖女様のお側にいてあげたいの!」
「……聖女様、この子のことお願いできますか?」
「ええっ!? せっかく出れるのににゃ……」
「この子、言い出したら聞かないんです」
「………………分かったにゃ」
あまり騒がれるとバレてしまうかもしれない。
結局周りが折れて女の子はニャロのそばにいることになった。
ろくに確認しにもこない。
バレることはないだろうし、バレてもどうにか窓から逃せばいい。
それにやっぱり一人じゃ心細いところはある。
一人の少女でもいてくれると非常にありがたい。
「ニャロ、絶対に助けに来るからな」
「うん、信じてるにゃ。リュードなら助けてくれるって分かってるにゃ!」
残念ながら小さくなっていないニャロは格子の窓を通れない。
でもリュードが必死にどうにかしようとしてくれている。
それだけでニャロは大きな希望が持てた。
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