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第八章
ガリバー作戦1
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「チッ……なんでよぅ、こんな時にまでセコセコと木ぃ切らにゃいかんのだ!」
ドアを荒々しく開けてデルが入ってくる。
帰りに酒場に寄って飲んできたデルは、おぼつかない足取りでフラフラと歩きながら大声で誰にでもなく文句を言っている。
赤ら顔で、相当酔っていることが見て取れる。
「あんにゃろめ……こっちは仕事させて、あっちばっかいい思いしやがってよ……」
「今だ!」
「うっ、どわっ!」
普段だって自宅内でそんなに足元に気をつけるようなことはしない。
酒を飲んでフラフラとしていれば、当然足元には全く注意を払わない。
しかも飲んで帰ってきたので、時間は遅く室内は暗い。
月明かりを頼りにロウソクに火をつけようとしていたデルの足元でリュードたちは動いた。
片方をテーブルの足に縛り付けたロープを隠れていたみんなで全力で引っ張る。
突然ピンと張られたロープに全く気づかなかったデルは、ものの見事に足を引っ掛けて転倒する。
「かかれ!」
「いて……な、なんだなんだ!」
手すらつけずに顔を打ち付けたデルに、隠れていた他のみんなも出てきてロープを投げる。
コユキの協力で作ったシーツを細かく繋いだロープである。
デルの体の上を通ったロープを拾い、みんなが床にデルを押さえつける。
どこかで聞いた巨人のお話をリュードは参考にした。
もしかしたらこうして転生する前に聞いた話だったのかもしれない。
「一体なんだ……いてぇ!」
しかしそれでは力負けしてしまうかもしれない。
さらにデルを押さえる策を取る。
体を起こそうとしたデルに痛みが走る。
「動くな!」
声がよく聞こえるようにリュードはデルの耳元に寄る。
デルの体を縁取るように男たちが並んでいる。
その手には釘だったり先の尖った木片が握られていた。
尖った先端をデルの体に押し付けていた。
動けば体のあちこちに何か細かいものがブッ刺さって鋭い痛みが走る。
「いて! いてて!」
「ほら、動くと痛いぞ!」
服なんか身につけているものは呪いの影響で同時に小さくなっているが、その時に持っていなかった剣などは小さくなっていない。
なので武器となるようなものもなかったが知恵を働かせればなんだって使えるものだ。
何か尖っていて痛そうなものをかき集めて武器にした。
しかし状況もわからず酔っ払っているデルには得体の知れない何かに拘束され、全身が何かの刃物でチクチクと刺すようにして脅されていると感じた。
「な、なんだお前ら!」
「コユキ」
「うわっ!?」
バシャリとコユキがデルの顔にバケツに汲んでいた水をかける。
そしてそのままバケツを被せて視界も奪う。
「これは警告だ。お前は余計なことを話さないでこちらの質問に答えていればいい」
「こ、答えなきゃどうするってんだよ?」
「耳を削ぎ落とす」
「み……耳を」
予想外に低い声で言われた恐ろしい脅し文句にデルは顔を青くする。
「今はあんまりこちらにも余裕がないんだ」
ちなみにリュードは剣を持っている。
なぜかというと町の様子が怪しすぎたので剣を持って寝たのだ。
普通はそんなことしないけど、部屋に一人だけだしどうにも町の異様さが気になってしまったからだった。
「本気かどうかはひとつ切り落としてみれば分かるか? なに、一つ無くなってももう一つある」
リュードは手に持った剣を耳に当てて少し引く。
鋭い痛みが耳に走ってデルは一気に青ざめる。
未だに小人化した相手がやっていることだと気づいておらず、姿の見えない相手に脅されているようで恐怖倍増だった。
「早く答えろ。三つ数える間に答えなきゃ片耳はおさらばだ。一つ……二つ……みっ……」
「ま、待て待て待て! 分かった! なんでも話す、だから耳を削ぎ落とさないでくれ!」
あっさりと陥落。
多少強がってはみせたが所詮は木こり、こうしたことに関しては素人である。
「何が聞きたい?」
「本気で聞いているわけじゃないよな?」
「な、なんのことだ……」
「俺たちが聞きたいのはこの町に起きていることだ。町の人の小人化や偽物が入れ替わっていることだよ」
「お、俺もあんまり知らねえ!」
「いいから知ってることを吐くんだ!」
デルが口を開くたびに酒臭くて、リュードも苛立ちを隠せない。
いつ冷静になって暴れ出すか分からないし早く話を聞き出したい。
「か、カイーダだ!」
再び耳に剣を当てられる感触にデルは慌てて答える。
「ぜ、全部あの野郎が計画したことだ! 俺たちは協力して、ちょっとだけ見返りを受け取っただけだよ! こんなことになるだなんて知らなかったんだ!」
「俺たち……誰と誰だ。それに何をした!」
「コーディーとホルドだ! 何をしたのかは俺もわかんねえよ! ただカイーダはこの町を支配して好きにすることができるってそう言ってやがった! 現にこんな風にやるだなんて知らなかったんだ!」
「金をもらって協力したのか?」
「金だってあいつから受け取ったんじゃねえよ! こんな風になってからもみんなは変わらず働き続けているけど、木材を買って行くのに多少高値でも交渉もしないで買っていくようになったんだ。だから多少それで儲けたけど……理由はわからねえ。きっとカイーダが何かしたんだよ!」
やはり主犯はカイーダであるようだ。
ドアを荒々しく開けてデルが入ってくる。
帰りに酒場に寄って飲んできたデルは、おぼつかない足取りでフラフラと歩きながら大声で誰にでもなく文句を言っている。
赤ら顔で、相当酔っていることが見て取れる。
「あんにゃろめ……こっちは仕事させて、あっちばっかいい思いしやがってよ……」
「今だ!」
「うっ、どわっ!」
普段だって自宅内でそんなに足元に気をつけるようなことはしない。
酒を飲んでフラフラとしていれば、当然足元には全く注意を払わない。
しかも飲んで帰ってきたので、時間は遅く室内は暗い。
月明かりを頼りにロウソクに火をつけようとしていたデルの足元でリュードたちは動いた。
片方をテーブルの足に縛り付けたロープを隠れていたみんなで全力で引っ張る。
突然ピンと張られたロープに全く気づかなかったデルは、ものの見事に足を引っ掛けて転倒する。
「かかれ!」
「いて……な、なんだなんだ!」
手すらつけずに顔を打ち付けたデルに、隠れていた他のみんなも出てきてロープを投げる。
コユキの協力で作ったシーツを細かく繋いだロープである。
デルの体の上を通ったロープを拾い、みんなが床にデルを押さえつける。
どこかで聞いた巨人のお話をリュードは参考にした。
もしかしたらこうして転生する前に聞いた話だったのかもしれない。
「一体なんだ……いてぇ!」
しかしそれでは力負けしてしまうかもしれない。
さらにデルを押さえる策を取る。
体を起こそうとしたデルに痛みが走る。
「動くな!」
声がよく聞こえるようにリュードはデルの耳元に寄る。
デルの体を縁取るように男たちが並んでいる。
その手には釘だったり先の尖った木片が握られていた。
尖った先端をデルの体に押し付けていた。
動けば体のあちこちに何か細かいものがブッ刺さって鋭い痛みが走る。
「いて! いてて!」
「ほら、動くと痛いぞ!」
服なんか身につけているものは呪いの影響で同時に小さくなっているが、その時に持っていなかった剣などは小さくなっていない。
なので武器となるようなものもなかったが知恵を働かせればなんだって使えるものだ。
何か尖っていて痛そうなものをかき集めて武器にした。
しかし状況もわからず酔っ払っているデルには得体の知れない何かに拘束され、全身が何かの刃物でチクチクと刺すようにして脅されていると感じた。
「な、なんだお前ら!」
「コユキ」
「うわっ!?」
バシャリとコユキがデルの顔にバケツに汲んでいた水をかける。
そしてそのままバケツを被せて視界も奪う。
「これは警告だ。お前は余計なことを話さないでこちらの質問に答えていればいい」
「こ、答えなきゃどうするってんだよ?」
「耳を削ぎ落とす」
「み……耳を」
予想外に低い声で言われた恐ろしい脅し文句にデルは顔を青くする。
「今はあんまりこちらにも余裕がないんだ」
ちなみにリュードは剣を持っている。
なぜかというと町の様子が怪しすぎたので剣を持って寝たのだ。
普通はそんなことしないけど、部屋に一人だけだしどうにも町の異様さが気になってしまったからだった。
「本気かどうかはひとつ切り落としてみれば分かるか? なに、一つ無くなってももう一つある」
リュードは手に持った剣を耳に当てて少し引く。
鋭い痛みが耳に走ってデルは一気に青ざめる。
未だに小人化した相手がやっていることだと気づいておらず、姿の見えない相手に脅されているようで恐怖倍増だった。
「早く答えろ。三つ数える間に答えなきゃ片耳はおさらばだ。一つ……二つ……みっ……」
「ま、待て待て待て! 分かった! なんでも話す、だから耳を削ぎ落とさないでくれ!」
あっさりと陥落。
多少強がってはみせたが所詮は木こり、こうしたことに関しては素人である。
「何が聞きたい?」
「本気で聞いているわけじゃないよな?」
「な、なんのことだ……」
「俺たちが聞きたいのはこの町に起きていることだ。町の人の小人化や偽物が入れ替わっていることだよ」
「お、俺もあんまり知らねえ!」
「いいから知ってることを吐くんだ!」
デルが口を開くたびに酒臭くて、リュードも苛立ちを隠せない。
いつ冷静になって暴れ出すか分からないし早く話を聞き出したい。
「か、カイーダだ!」
再び耳に剣を当てられる感触にデルは慌てて答える。
「ぜ、全部あの野郎が計画したことだ! 俺たちは協力して、ちょっとだけ見返りを受け取っただけだよ! こんなことになるだなんて知らなかったんだ!」
「俺たち……誰と誰だ。それに何をした!」
「コーディーとホルドだ! 何をしたのかは俺もわかんねえよ! ただカイーダはこの町を支配して好きにすることができるってそう言ってやがった! 現にこんな風にやるだなんて知らなかったんだ!」
「金をもらって協力したのか?」
「金だってあいつから受け取ったんじゃねえよ! こんな風になってからもみんなは変わらず働き続けているけど、木材を買って行くのに多少高値でも交渉もしないで買っていくようになったんだ。だから多少それで儲けたけど……理由はわからねえ。きっとカイーダが何かしたんだよ!」
やはり主犯はカイーダであるようだ。
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