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第八章
大きくなりたい1
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デルのことをあの場でぶっ殺してやればよかったのに、という意見の人もいた。
でも好き勝手に相手を殺すようなマネをしては、呪いを広めようとしている連中と程度が変わらなくなってしまう。
簡単に殺してしまって終わりにするのも、それはそれで味気ない。
生きて償うことも非常に重いものである。
「どう思う?」
「俺に聞かれても分かるはずがないだろ」
リュードたちは一度拠点に帰ってきた。
地図を床に広げてコユキの手の上から全体を眺める。
「ルフォンとラストはどうだ?」
「うーん……分かんない」
「ふっふっふっー! 驚きなさいリュード、この私には分かりましたぁ!」
「おっ、本当か?」
ルフォンは顎に手を当てて考えるが、どうと聞かれても地図から何を汲み取ればいいのか分からない。
対してラストは誇らしげに胸を張った。
地図は町周辺を簡素に描かれたもので町周辺数カ所に赤く丸で印がつけてある。
その丸印の意味がなんなのかをみんなで考えていた。
「聞かせてくれ」
前世的な知識に加えて、この世界の魔法の知識を持つリュードにはすぐにピンときていた。
気づいてみればなんてことはないのだけど、簡単に教えてもつまらないとちょっと聞いてみたのだ。
「私は気づいた……この印の配置には法則性があることに。森部分に印がつけてあるけどそれをみると一定の間隔が開いてる! そしてその法則をみるとこれは森以外にも印がありそう……いや、あるんじゃないかと!」
「ほぅ?」
期待していなかったけれど期待できそうな答えが出てきそう。
「この森のところのいくつかの印を繋いでみると孤を描いているように見える……」
「なるほど……確かに!」
ドヤ顔でラストは説明を続ける。
ラストの説明にルフォンも食い入るようにして地図を見ている。
「だからこう法則に乗っ取って、印がありそうなところをイメージしてみると町をグルリと囲んでいる!」
「お、おおっ!」
ラストが地図の上をなぞって指を動かす。
森の印から始まり、自分の考える法則に則っていくと、ラストの指は町の外を一周して始まりの印に帰ってくる。
印は森のある部分にしかつけてないが、おそらく何かがあるのは森以外の部分にもあるのだろうとラストは予想した。
そうして怪しいところを繋いでいくと、町を囲む大きな円となる。
ラストの予想にみんなが驚きの声を上げる。
「どーよ、リュード!」
「うん、よく見抜いたな。流石ラストだ!」
「でしょ? …………ん」
ルフォンには負けられない。
けどラストは戦いにおいてはルフォンに一歩も二歩も劣っている。
こうしたところでしっかりとアピールをして、ちょっとだけ大胆に行かねばならない。
頬を赤くしてほんの少し頭をリュードの方に傾ける。
「……よしよし」
リュードも恥ずかしいけどラストの頭を撫でてやる。
出来る子は褒めてあげる。
リュードとしてもラストの髪の毛はサラサラしていて触り心地もいい。
ラストとしては褒められて嬉しい。
そして、さらにはちゃんと考えられたり自分の意見をしっかりと言えることは、褒めに繋がるとコユキに見せることにもなる。
「ただ100点ではないな」
「ええっ!?」
褒めて撫でてくれたからてっきり満点だと思ったのにとラストが驚く。
「丸く町を囲むように配置してあることは多分予想通りだろう。ただそれだけじゃない。よく見てみろ、少しおかしくないか?」
「おかしい?」
「そう」
「…………なんだろ?」
「ここ!」
地図を見つめていたコユキが地図を指した。
「えっと、ここがどうしたの?」
それは町中だった。
みんなからするとそれはなんの脈略もないように見えていた。
「正解だ」
「せ、正解?」
「わーい!」
「ちょっと待ってくれ。なんでいきなり町中を指差してそれが正解なんだ」
「見てください。確かに印を繋いでいくと町を丸く囲んでいますが綺麗に囲んでいるとは言いがたくないですか?」
「むむ……確かに」
無いところを含めて、印は丸く町を囲んでいるように見える。
しかし、その丸をよく観察してみると町の真ん中を中心としての丸ではない。
やや町をずれたような丸だった。
じゃあどこが中心なのかと見てみると、その中心はコユキが指差した場所である。
「町の中心と丸の中心は一致しない。こういった時は町の中心を丸の中心とするのが普通だけどズレてるんだ。コユキ、賢いな!」
「ふふん!」
ラストと同じく胸を張るコユキ。
こうして大人が頭を使って考える中で、パッとこのことを気づけたのだから本当に賢い。
「いい子!」
「はいはい、いい子だな」
撫でを欲しがったコユキがリュードを頭に乗せる。
どちらかといえば動物にも近いフワフワとしたコユキの頭も気持ちがいい。
コユキにすればと小さい手で頭を撫でてやる。
物足りないだろうけどコユキは満足そう。
二人に出遅れたルフォンが悔しそうな顔をしている。
「さらにさらにだ。ここはなんだ?」
「なんだって……あっ!」
「そうだ、ここは元領主の館だ」
丸の中心にあるものは元領主の館であった。
全てが繋がっていく。
デルの口からはカイーダが主犯だとされ、カイーダがいるとされる元領主の館を中心にして怪しい印がつけられた地図がある。
さらに元領主の館にはたくさんの人が捕らえられていた。
「やっぱりあの館には何かがあるのかもしれないな」
「それじゃまたあそこにいくのか?」
「……いえ、まずは他から攻めていきましょう。前に探った感じでは小人だけであそこをうろついても何か見つけるのは難しく、危険が大きすぎます」
怪しいのは元領主の館だ。
しかし乗り込むのにはリスクがでかい。
「別? 別って何、リューちゃん?」
「どこだと思う?」
「印!」
「あっ、コユキズルい!」
ルフォンも何かの正解を出して褒められたかったのだけど、コユキの方が頭は回るみたいだ。
ルフォンが褒められる正解を出せそうにはなかった。
「まずは印から確かめよう」
ーーーーー
でも好き勝手に相手を殺すようなマネをしては、呪いを広めようとしている連中と程度が変わらなくなってしまう。
簡単に殺してしまって終わりにするのも、それはそれで味気ない。
生きて償うことも非常に重いものである。
「どう思う?」
「俺に聞かれても分かるはずがないだろ」
リュードたちは一度拠点に帰ってきた。
地図を床に広げてコユキの手の上から全体を眺める。
「ルフォンとラストはどうだ?」
「うーん……分かんない」
「ふっふっふっー! 驚きなさいリュード、この私には分かりましたぁ!」
「おっ、本当か?」
ルフォンは顎に手を当てて考えるが、どうと聞かれても地図から何を汲み取ればいいのか分からない。
対してラストは誇らしげに胸を張った。
地図は町周辺を簡素に描かれたもので町周辺数カ所に赤く丸で印がつけてある。
その丸印の意味がなんなのかをみんなで考えていた。
「聞かせてくれ」
前世的な知識に加えて、この世界の魔法の知識を持つリュードにはすぐにピンときていた。
気づいてみればなんてことはないのだけど、簡単に教えてもつまらないとちょっと聞いてみたのだ。
「私は気づいた……この印の配置には法則性があることに。森部分に印がつけてあるけどそれをみると一定の間隔が開いてる! そしてその法則をみるとこれは森以外にも印がありそう……いや、あるんじゃないかと!」
「ほぅ?」
期待していなかったけれど期待できそうな答えが出てきそう。
「この森のところのいくつかの印を繋いでみると孤を描いているように見える……」
「なるほど……確かに!」
ドヤ顔でラストは説明を続ける。
ラストの説明にルフォンも食い入るようにして地図を見ている。
「だからこう法則に乗っ取って、印がありそうなところをイメージしてみると町をグルリと囲んでいる!」
「お、おおっ!」
ラストが地図の上をなぞって指を動かす。
森の印から始まり、自分の考える法則に則っていくと、ラストの指は町の外を一周して始まりの印に帰ってくる。
印は森のある部分にしかつけてないが、おそらく何かがあるのは森以外の部分にもあるのだろうとラストは予想した。
そうして怪しいところを繋いでいくと、町を囲む大きな円となる。
ラストの予想にみんなが驚きの声を上げる。
「どーよ、リュード!」
「うん、よく見抜いたな。流石ラストだ!」
「でしょ? …………ん」
ルフォンには負けられない。
けどラストは戦いにおいてはルフォンに一歩も二歩も劣っている。
こうしたところでしっかりとアピールをして、ちょっとだけ大胆に行かねばならない。
頬を赤くしてほんの少し頭をリュードの方に傾ける。
「……よしよし」
リュードも恥ずかしいけどラストの頭を撫でてやる。
出来る子は褒めてあげる。
リュードとしてもラストの髪の毛はサラサラしていて触り心地もいい。
ラストとしては褒められて嬉しい。
そして、さらにはちゃんと考えられたり自分の意見をしっかりと言えることは、褒めに繋がるとコユキに見せることにもなる。
「ただ100点ではないな」
「ええっ!?」
褒めて撫でてくれたからてっきり満点だと思ったのにとラストが驚く。
「丸く町を囲むように配置してあることは多分予想通りだろう。ただそれだけじゃない。よく見てみろ、少しおかしくないか?」
「おかしい?」
「そう」
「…………なんだろ?」
「ここ!」
地図を見つめていたコユキが地図を指した。
「えっと、ここがどうしたの?」
それは町中だった。
みんなからするとそれはなんの脈略もないように見えていた。
「正解だ」
「せ、正解?」
「わーい!」
「ちょっと待ってくれ。なんでいきなり町中を指差してそれが正解なんだ」
「見てください。確かに印を繋いでいくと町を丸く囲んでいますが綺麗に囲んでいるとは言いがたくないですか?」
「むむ……確かに」
無いところを含めて、印は丸く町を囲んでいるように見える。
しかし、その丸をよく観察してみると町の真ん中を中心としての丸ではない。
やや町をずれたような丸だった。
じゃあどこが中心なのかと見てみると、その中心はコユキが指差した場所である。
「町の中心と丸の中心は一致しない。こういった時は町の中心を丸の中心とするのが普通だけどズレてるんだ。コユキ、賢いな!」
「ふふん!」
ラストと同じく胸を張るコユキ。
こうして大人が頭を使って考える中で、パッとこのことを気づけたのだから本当に賢い。
「いい子!」
「はいはい、いい子だな」
撫でを欲しがったコユキがリュードを頭に乗せる。
どちらかといえば動物にも近いフワフワとしたコユキの頭も気持ちがいい。
コユキにすればと小さい手で頭を撫でてやる。
物足りないだろうけどコユキは満足そう。
二人に出遅れたルフォンが悔しそうな顔をしている。
「さらにさらにだ。ここはなんだ?」
「なんだって……あっ!」
「そうだ、ここは元領主の館だ」
丸の中心にあるものは元領主の館であった。
全てが繋がっていく。
デルの口からはカイーダが主犯だとされ、カイーダがいるとされる元領主の館を中心にして怪しい印がつけられた地図がある。
さらに元領主の館にはたくさんの人が捕らえられていた。
「やっぱりあの館には何かがあるのかもしれないな」
「それじゃまたあそこにいくのか?」
「……いえ、まずは他から攻めていきましょう。前に探った感じでは小人だけであそこをうろついても何か見つけるのは難しく、危険が大きすぎます」
怪しいのは元領主の館だ。
しかし乗り込むのにはリスクがでかい。
「別? 別って何、リューちゃん?」
「どこだと思う?」
「印!」
「あっ、コユキズルい!」
ルフォンも何かの正解を出して褒められたかったのだけど、コユキの方が頭は回るみたいだ。
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「まずは印から確かめよう」
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