人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

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第八章

大きくなりたい2

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 魔法を使う際の技術には単純に魔力を使った魔法の他に、魔法陣を使う方法がある。
 一部を除いて今は一般的な方法ではないが、真魔大戦の時には強い魔法を安定的に発動させるために用いられていたという歴史がある。

 魔法陣といっても例えば漫画などで見かけるような複雑な模様のものから、自然物や魔力を込めたものを配置したもの、複数人で隊列を組んで発動させるものでも魔法陣と言われるものがある。
 リュードは地図の上で円形に印が配置されているのを見て、真っ先に魔法陣を思い出した。

 呪術も大きく分類すると魔法であり、魔法と似通っているところも多い。
 設置型の呪いだとしたら、魔法陣的な知識も応用できるかもしれないと思ったのだ。

 なぜリュードが魔法陣について知識があるかというと、リュードも魔法陣に関わっているからだ。
 魔石に魔法を刻む技術は、魔法陣の技術を応用して作られたものだ。

 今は魔法陣技術そのものはあまり見られないが、こうして他の場所で見られたりするのである。
 ヴェルデガーは魔石に魔法を刻む技術をより深く知ろうと、魔法陣技術についても知るために書物などを集めていた。

 魔石に魔法を刻む技術を習うときに、ヴェルデガーから魔法陣についても習ったり、魔法陣に関する本も読んでいたりしたのだ。
 今後使うこともない知識だと思っていたけどこんなところで役立つとは意外なものである。

「えーと、ここら辺だな」

 魔法陣で扱える魔法には強力なものも多い。
 強力な魔法にを相手にした時の対処の方法として考えられるのは、まず逃げることだ。

 魔法陣は設置する都合上、射程距離に限界があったり魔法陣の移動も難しい。
 逃げて魔法が当たらなければ魔法陣を使った魔法だろうと関係ない。
 
 けれど逃げられない場合だってある。
 そうしたときには対抗することになるのだけど、魔法陣の魔法にそのまま対抗するなんて普通はできない。
 
 だったらどうするか。
 破壊するのである。

 魔法陣は魔力が少なく、しかも魔法知識のない人でも魔法陣があれば魔法が使えるというメリットがある。
 ただし便利であるが、デメリットもあるのだ。
 
 魔法陣では魔法陣で用意した魔法しか使えない、魔法陣を設置するには知識がいる、魔法によっては高い素材が必要になるなど色々な制約がある。
 中でも魔法陣を扱う上での厄介な問題として、魔法陣は意外と繊細というところがある。
 
 緻密なものであればあるほど繊細であって、ちょっとしたことで不安定になったり破壊されてしまう。
 ほんのちょっと魔法陣の線が消えただけで魔法が維持できなくなることもある。
 
 リュードは考えた。
 この印が魔法陣を構成している何かを置いている場所であり、それを破壊なり除去すれば魔法陣、あるいは呪いを破壊できるのではないかと。

「あれは……」

「やっぱり魔法陣っぽいのがあるな」
 
 とりあえず印のあるところにやってきたら、不自然に森が開ける。
 丸く木がなくなっていてそこだけ草も生えていない。

 木を切らされたと言っていたので、そこだけ木々がなくなっていることは予想できていた。
 地面を見ると不思議な模様が描いてある。

「何かいるね?」
 
「相手もただ無防備に何の対策も練っていないわけじゃないようだな」
 
 不思議な模様はきっと魔法陣だろう。
 魔法陣があるということは予想通りなのだが、魔法陣囲むようにして十人ほどの小人がいた。

 相手だってそんな繊細な呪いの魔法陣をノーガードで放置しておくわけもない。
 防御するための守る方法を用意してあったのである。

「ビリャド!」

 魔法陣を囲む人たちの一人を見てサンジェルは思わず声を上げる。
 それはサンジェルがリーダーを務める警備隊の人だった。
 
 よく見ると他の人たちも警備隊の人たちであるようだ。

「俺よりも前に失踪した人たちだな……」
 
 サンジェルよりも後の人が小人化しても逃げられたのはサンジェルのおかげである。
 少し前に囚われていた人たちを救い出したのだけど、そこにもいない人たちが一部いた。

 それが目の前にいる警備隊の面々だ。
 サンジェルよりも前に小人化したと思われる人々で、どこに行ったのか心配していた。

「こんなところに……」

「にしても何だか変じゃないか?」
 
 様子がおかしいと思った。
 小人化しているということは本人たちだろう。

 なのに魔法陣を囲んでいる面々は、目がうつろで何処を見つめているか分からず生気がない。

「偽物……か?」

「だが小さい偽物をこんなところに?」

「小さい偽物もいるのか?」

 うつろな目に偽物だろうかとリュードたちも困惑する。
 けれどもここまで小人で偽物の人はいなかった。
 
 加えてわざわざ小人化した偽物を防衛として置く意味がない。
 何かを守らせるならデカい偽物の方が便利だろう。

「じゃあ考えられるのは本物で、何かに操られているって可能性だな」

 町の生活は偽物によって成り立っている。
 偽物をこうした場所に配置すると町の生活にどこか無理がかかってしまう。

 偽物を動かせないなら本物を配置するしかない。
 ただ本物がおとなしく協力してくれるはずがない。

「呪い……催眠術のようなものかもな」

 つまり魔法陣を守る小人たちは本物で、催眠術のような形で操っているのだとリュードは推測した。
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