人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

文字の大きさ
541 / 550
第八章

大きくなりたい4

しおりを挟む
「ウワッ!」

 魔石のいくつかが爆発する。
 普通の大きい状態ならば何ともないのかもしれないが、小さい体にはその爆風の衝撃は大きい。

「パパ、ママ!」

 警備隊のみんなは吹き飛ばされてゴロゴロと転がっていくが、リュードたちはコユキが支えてくれたおかげでことなきを得た。

「いてて……お、おおっ!」

「おっきくなった!」

「でも……ちょっとだけだね」

 どうなったのか、それは目に見える結果として表れた。
 一回りだけ体がぐんと大きくなった。

 まだまだ微々たる差だけれども、呪いを解くということの希望が見えた。
 見ると呪いの模様があったところが爆発で大きく窪んでいる。

 呪いの模様が破損したからにしても、魔石を飛ばしたから呪いの模様が効果を失ったにしても、成功は成功だ。
 無事に残っていたドス黒い色をしていた魔石は気づくと黒さが抜けて元の透き通るような色に戻っていた。

「他のところにも行ってみよう」
 
 地図につけられた印はいくつかある。
 この調子で確実にあるであろう地図の印分だけでも呪いを邪魔していっても効果がありそうだ。
 
 元のサイズまでは厳しいかもしれないが、ある程度まで大きくなれれば普通サイズの人にも対抗がしようがある。

「よし、次だ!」

 相手に呪いの模様を消して回っていることがバレて対策をとられる前に出来るだけ破壊しておきたい。
 触れるのも怖いし、まだ残っている呪いの模様や魔石には手を触れず、ビリャドたちは縛ったまま放置して次に向かう。

「いけー、コユキ!」

「にゃー!」

「ゆ、ゆれ……!」

 コユキ猛ダッシュ。
 ルフォンを含めた揺れに弱い人たちが死にかけるが、今は速度重視だ。

 印の書かれた地図もある。
 変に森の中が開けて地面に呪いの模様が描いてあるのだから見つけるのも時間はかからない。

 次の呪いの模様も簡単に見つけられた。

「……知らん顔だな」

「服装を見るに冒険者が何かだろう」

「アイツら……ちょっと前からこの町で活動してた冒険者だな」

 他の呪いの模様の場所にも守る人がいた。
 今度は町の人ではない。

 格好からして冒険者だと思われた。
 冒険者など外部の人は小人化していないと思っていたが、それなりの期間滞在している人はもれなく小人化していたみたいだ。

 町を中心にして活動する冒険者はほぼ住人と変わりない。

「いくぞー!」

 先ほど警備隊の仲間たちを倒した勢いそのままに突撃していく。

「うわぁ!」

「気をつけろ、さっきより強いし武器持ってるぞ!」

 冒険者ともなればケンカの仲裁ぐらいしかしない警備隊よりも戦いに慣れている。
 人数差で容易く押し切れた先ほどと違って、冒険者たちは陣形を組んでまとまって戦っていた。

 魔法使いもいるし、武器も持っている冒険者もいた。

「……俺たちも出るか。コユキ、隙を見てさっきみたいに魔石をぶっ飛ばしてくれ!」

「りょーかい!」

「ラスト、コユキを頼むぞ」

「オッケー!」

 リュードとルフォンも前に出る。
 ラストにはコユキについていてもらう。

 ルフォンには徒手空拳の心得があるが、ラストにはないからだ。

「武器を持ったのは俺に任せろ!」

 武器を持った冒険者はリュードが相手する。
 たまたまリュードも剣を持っているのでちょうどいい。

 ルフォンは冒険者の中で厄介な魔法使いを狙う。

「パパ、がんばれー」

「リュードぉ、やっちゃえー!」

 リュードが対峙するのは双剣使いだった。
 細め短めの剣を両手に持ちリュードに切りかかる。

 双剣使いは数が多くなく、あまり戦う相手ではない。
 テクニカルな戦い方であり、経験もしにくくやりにくいタイプの相手だと言える。

 しかしながらリュードの場合は話が違う。
 リュードの師匠であるウォーケックは双剣使いである。

 普通は軽めの剣を二本持つのに、ウォーケックは普通の剣二本を振り回して戦う驚異的な人だった。
 そんなウォーケックに比べれば、冒険者の一撃はまだまだ遅くて軽い。

 双剣というやつは回転は早いが、一撃が軽くバランスが崩れやすい。
 リュードは相手の力量を見極めるためにしっかりと防御する。

 ただ防御するのでもない。
 力を込めて押したり逆に受け流すように引いたりと相手に揺さぶりをかける。

 防いでいるだけに見えるのだけど立派な攻撃となっている。
 安定して素早い攻撃を繰り出していた冒険者も徐々に回転が落ち、動きが乱れ始める。

「ハッ!」

 距離を取ろうにも、リュードがピタリと同じ距離を保っている。
 押し返そうにも力はリュードに及ばない。

 乱れ始めた剣筋では、リュードに距離を取らすこともできない。
 かなり無理をして攻撃の速度と手数だけを保っている状態になっていた。

「ふっ、師匠には遠く及ばないな」

 剣にかかる圧力は少なく、ただそれなりの速度があるだけで脅威は感じない。
 傍目にはあまり見えないだろうが、リュードは確かに相手の変化を剣で感じている。

 リュードはそれを好機と捉え一転して攻勢に出る。
 強めに力を込めて冒険者の剣を弾き返す。

 何の中身もない手数を維持するためだけの剣は容易く力負けして飛んでいく。
 けれど一本持っていかれたところでもう一本ある。

 冒険者が正常だったとしてそうしたかは知らないが、この操られた冒険者は剣を弾かれ、不安定な体勢のままに無理矢理もう一本の剣を振り下ろした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜

大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!? どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...