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第1章エピローグ
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【エピローグ】
王都にある教育を司る省庁の廊下を、一人の少年が歩いていた。エリオスだ。彼は、特待生としてある学園への入学許可が下りたことについて、担当官に礼を述べるために訪れていた。寸分の隙もなく着こなした上等な仕立ての服と、年齢に似合わぬ落ち着き払った態度が、少年の聡明さを際立たせている。
手続きを終え、執務室を出たエリオスが廊下を歩いていると、向かいから一人の男が歩いてきた。無精髭にボサボサの髪、しかし仕立ての良いコートを着こなした、どこか掴みどころのない雰囲気の男が、思案するように眉間に皺を寄せ、やや不機嫌そうな顔で歩いてくる。
二人は、廊下の中ほどで静かにすれ違った。
クラウスは、すれ違いざまにエリオスの横顔を一瞥し、足を止めた。
「……ん?」
「『砂漠の国』からの特待生ですよ。クラウス監査官」
「へぇ…1枠あるかどうかの。あの難題解けるヤツがいたのか…」
冷たく、計算高い瞳の奥の色。
(……油断ならないガキだ。妙な胸騒ぎがする……)
クラウスは眉間の皺をさらに深くする。
「怖い顔してますよ」
「生まれつきだ。次の視察北の端にするぞ?」
「ぇぇー…もう寒いのは勘弁くださいよぉ…」
一方、エリオスは後ろの喧騒のことなど意にも介さず、背筋を伸ばして歩き続ける。その頭の中は、ただ一つの目的で満たされていた。
(手続きは終わった。あとは、計画通りに進めるだけだ)
彼の胸の内には、冷静な炎が燃えている。
(僕たちは、奪われたものを取り返す。国も、尊厳も、輝かしい宝物も、西の果てのあの美しい海も…僕の、親友も)
エリオスは確固たる意志を秘めた顔を上げる。
(必ずそこから助けてあげる、レイ)
冬の終わりを告げる光が、彼の行く先を静かに照らしていた。
王都にある教育を司る省庁の廊下を、一人の少年が歩いていた。エリオスだ。彼は、特待生としてある学園への入学許可が下りたことについて、担当官に礼を述べるために訪れていた。寸分の隙もなく着こなした上等な仕立ての服と、年齢に似合わぬ落ち着き払った態度が、少年の聡明さを際立たせている。
手続きを終え、執務室を出たエリオスが廊下を歩いていると、向かいから一人の男が歩いてきた。無精髭にボサボサの髪、しかし仕立ての良いコートを着こなした、どこか掴みどころのない雰囲気の男が、思案するように眉間に皺を寄せ、やや不機嫌そうな顔で歩いてくる。
二人は、廊下の中ほどで静かにすれ違った。
クラウスは、すれ違いざまにエリオスの横顔を一瞥し、足を止めた。
「……ん?」
「『砂漠の国』からの特待生ですよ。クラウス監査官」
「へぇ…1枠あるかどうかの。あの難題解けるヤツがいたのか…」
冷たく、計算高い瞳の奥の色。
(……油断ならないガキだ。妙な胸騒ぎがする……)
クラウスは眉間の皺をさらに深くする。
「怖い顔してますよ」
「生まれつきだ。次の視察北の端にするぞ?」
「ぇぇー…もう寒いのは勘弁くださいよぉ…」
一方、エリオスは後ろの喧騒のことなど意にも介さず、背筋を伸ばして歩き続ける。その頭の中は、ただ一つの目的で満たされていた。
(手続きは終わった。あとは、計画通りに進めるだけだ)
彼の胸の内には、冷静な炎が燃えている。
(僕たちは、奪われたものを取り返す。国も、尊厳も、輝かしい宝物も、西の果てのあの美しい海も…僕の、親友も)
エリオスは確固たる意志を秘めた顔を上げる。
(必ずそこから助けてあげる、レイ)
冬の終わりを告げる光が、彼の行く先を静かに照らしていた。
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