モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

文字の大きさ
74 / 123
第二章ー同棲ー

ノアとの密談

しおりを挟む
「それで、ネージュのお腹に居る子は、フェンリルじゃないかって。もう、黒のモフモフですよね!?可愛い子決定ですよね!?」

パルヴァンから帰って来ると、既にエディオルさんも帰って来ていた。そこから夕食を食べ、今は、また、エディオルさんの部屋で2人でお茶を飲みながら──

私のテンションがマックスになってます。

「いや、黒じゃなくても、ネージュと同じ白でも…2人混ざった?グレーでも何色でも、きっと可愛いですよね!モフモフさせてくれるかなぁ?」

「──くくっ……」

「はっ───!」

横並びに座っているエディオルさんに…笑われた。

「す…すみません。」

「いや──こんなにテンションの高いコトネを見れて…嬉しいよ──くくっ…」

「うぅ…っ」

「コトネ──」

「はい?」

恥ずかしくて少し俯いていると、名前を呼ばれて、エディオルさんを見上げればキスをされた。

「全然こっちを見てくれないから…ま、テンションの高くなった可愛いコトネを見れたから…良いけど。」

「やっぱり、ディの私に対する“可愛い”のハードルが低過ぎる!」

「コトネ限定だと言っただろう?それで、久し振りのパルヴァンはどうだった?」

エディオルさんは、いつもサラッと“コトネが特別だ”と言う事を、言葉や態度で表してくれる。

「皆、元気でした。カテリーナ様のお腹も大きくなってて、レオン様も幸せそうで…。家族が増えるって良いなぁ─って、私まで幸せな気持ちになれました。」

「そうか。」

エディオルさんが、私の手を握って優しく微笑んでくれる。そのエディオルさんの手の上に、私のもう片方の手を添える。

「でも、そんなレオン様とカテリーナ様を見てると…あの…無性に…ディに会いたくなって…。予定より少し早目に帰って、ディの帰りを待とうかな─なんて思ってたら、ディに出迎えてもらって…すごく嬉しかったです。へへっ──。」

「出迎えただけで喜んでもらえるなら、いつでも出迎えるよ。」

「ふふっ。ありがとうございます。」

ポスッと、エディオルさんの肩にオデコをくっつけると、フワリと、私の大好きな香りがした。









*****


『あぁ、その話なら、かなり昔に耳にした事はあります。胎内にある子の核は、高値で売れるから─と。最近では、殆ど聞きませんから、忘れていましたが…。』

目の前で、擬人化したノアが、眉間に皺を寄せている。

ネージュがお昼寝をしているうちに─と、ノアに話があるからと、擬人化してもらい小屋の近くにあるベンチに座って、昨日シルヴィア様から聞いた話をした。 

「シルヴィア様も、昔の話だし、ここは王都だし、ネージュは見た目は犬だから大丈夫だろう─とは言っていたんだけど。一応、ノアには言っておこうと思って。でもね、私は…何があっても、誰にもネージュには指一本も触れさせるつもりはないし…ネージュにも人を傷付けさせる気はないから。」

『ハル様…。』

「あ、勿論、ノアもね。ノアは、ネージュにとってとても大切な相手だから。それと、例えばなんだけど。もし、私に危険な事が迫って、ネージュが身を呈して私を助けようとした時は…ノアは何も迷わずに、ネージュだけを守ってね。」

『……後でネージュには怒られそうですが…。ハル様の事は、きっと我が主が守ってくれると思うので、私はネージュだけを…守ります─必ず。』

「ありがとう。ノア。」

『いえ。こちらこそ─と言うか…ハル様とネージュは、本当にお互いを思い合っているんですね。ハル様が女性でも、嫉妬してしまう程です。』

「ふふっ。ネージュを好きな気持ちは、誰にも負けないか────」
「俺の事は?」
「ひゃいっ!?」

急に、ベンチに座っている私の横に誰かが来たと思ったら、そのまま腰からお腹に腕が回された。勿論─

「ディ!?あ…あれ?仕事は?」

「ん?今日は半日だけだったんだ。」

「え!?あれ?私…聞いてたっけ?」

「いや─。驚かそうと思って…内緒にしてた。」

「もう、驚きはいりませんよ?」

むぅ─っとなって、エディオルさんの腕をペシペシと叩いておく。

「ハル─」

「はい?」

名前を呼ばれて振り返ると、キスをされる。

「なっ!?ノアが──っ」

「ノア?ノアなら、俺がここに座ったと同時位に、小屋の方へと戻って行ったが?」

「えっ!?」

ノアが居た筈の所に視線を向けると、そこにはもうノアは居なかった。

ーネージュと言い、ノアと言い…魔獣は空気を読む能力が高いのだろうか?ー

「それでもですね?外で…キスとか…恥ずかしいんですけど!!」

「ん?外じゃなければ良いのか?─よし!」

「いや、そうじゃなく──ってひぁ──っ!?」

何の前触れもなく、エディオルさんが私を抱えたまま、ヒョイッと立ち上がり、スタスタと歩きだした。

「え?ちょっ…ディ?私、自分で歩けます!下ろして下さい!」

「危ないから、おとなしくしておこうか。このまま、俺の部屋まで行こう。」

「え?何で?」

「ん?分からない?」

エディオルさんは目を細めて

「俺の部屋なら…もっとキスをしても…良いんだろう?」

「───っ!!??」

ー違う!そう言う意味じゃないんですけど!?ー



と言う前に部屋に到着。



そのまま砂糖漬けの攻撃を受けた。








“氷の騎士”って─誰の事だったっけ?








と、クラクラする頭で……問い掛けた。








しおりを挟む
感想 134

あなたにおすすめの小説

喪女なのに狼さんたちに溺愛されています

和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です! 聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。 ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。 森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ? ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。

【完結】秀才の男装治療師が女性恐怖症のわんこ弟子に溺愛されるまで

恋愛
「神に祈るだけで曖昧にしか治らない。そんなものは治療とは言わない」  男尊女卑が強い国で、女であることを隠し、独自の魔法を使いトップクラスの治療師となり治療をしていたクリス。  ある日、新人のルドがやってきて教育係を押し付けられる。ルドは魔法騎士団のエースだが治療魔法が一切使えない。しかも、女性恐怖症。  それでも治療魔法が使えるようになりたいと懇願するルドに根負けしたクリスは特別な治療魔法を教える。  クリスを男だと思い込み、純粋に師匠として慕ってくるルド。  そんなルドに振り回されるクリス。  こんな二人が無自覚両片思いになり、両思いになるまでの話。 ※最初の頃はガチ医療系、徐々に恋愛成分多めになっていきます ※主人公は現代に近い医学知識を使いますが、転生者ではありません ※一部変更&数話追加してます(11/24現在) ※※小説家になろうで完結まで掲載 改稿して投稿していきます

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果

てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。 とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。 「とりあえずブラッシングさせてくれません?」 毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。 そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。 ※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

元貧乏貴族の大公夫人、大富豪の旦那様に溺愛されながら人生を謳歌する!

楠ノ木雫
恋愛
 貧乏な実家を救うための結婚だった……はずなのに!?  貧乏貴族に生まれたテトラは実は転生者。毎日身を粉にして領民達と一緒に働いてきた。だけど、この家には借金があり、借金取りである商会の商会長から結婚の話を出されてしまっている。彼らはこの貴族の爵位が欲しいらしいけれど、結婚なんてしたくない。  けれどとある日、奴らのせいで仕事を潰された。これでは生活が出来ない。絶体絶命だったその時、とあるお偉いさんが手紙を持ってきた。その中に書いてあったのは……この国の大公様との結婚話ですって!?  ※他サイトにも投稿しています。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる

藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。 将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。 入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。 セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。 家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。 得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。

処理中です...