召喚から外れたら、もふもふになりました?

みん

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杏子のお願い

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謁見室に、予めお願いして国王陛下以外に─

王妃陛下、カミリア王女、宰相、第一と第二の騎士団長、魔導士団長、神官長、3人の魔女が同席していた。
昨日の召喚の儀に関わった主立った者達だ。

召喚されたハルマが「もう一人居るはずだ」と、あの場で訴えた事で、キョウコの存在を隠すことが難しいと判断した為、その主立った者達にも話す事にした。勿論、キョウコに関しては、ここだけの話に留まらせる事が第一条件になる。


に水の精霊が居るから───





「─────と、言う事です」

「……あの……白狼が………」

アシーナが一通りの説明をした後、国王陛下がポツリと呟いた。心なしか、顔色が悪いのは─気のせいではないだろう。水の精霊のルーナへの過保護ぶりを実際に目で見て、肌で色々と感じたのだ。これからどうなるのか?と、恐ろしくなってしまうのは仕方が無いだろう。

「そこで、ルーナ──キョウコに、これからどうするのか…と、本人の意思確認をすると、キョウコにあるお願いをされました」

「願い?」

「はい。それは───」




******

召喚の儀が行われてから一週間後。召喚された4人の鑑定が行われた。結果──

ハルマ─剣士(Lv.30)。魔力無し。加護無し。
イツキ─魔導士(Lv.30)。火属性。加護無し。
サヤカ─聖女(Lv.30)。光属性。加護無し。
ミオ─魔導士(Lv.30)。風属性。加護無し。

聖女はサヤカだけだったが、レベル30は、国内の聖女達よりも遥かに上のレベルだった。どのタイプにおいても、30を超えると大したモノで、50となるとほぼ無敵状態と言っても良い程である。
訓練もせずに、世界を跨いでやって来ただけでレベルが30もあると言う事は、訓練をすれば……。何故、繰り返し召喚の儀が行われるのかは、理由は明らかである。



一週間が経てば、4人も少しずつ落ち着いて来た。“死に直面していた”とは言え、本人達が死を感じる前に召喚される為、その真実を告げたところで受け入れられず、更に混乱するのでは?と思われていたが、イツキが、高さのある壁が崩れて来て危ない─と目にしていた事もあり、それは事実なんだろうと、辛い事には変わらないが、なんとかそれを事実として受け入れた様子だった。

それから、この国の今の状況や、これからの事の話をした。
そして、一通りの説明が終わると

「「「「ラノベ定番!」」」」

と、4人の言葉がハモった。





聖女─サヤカの訓練を行うのは東西南北の魔女達。
訓練初日、「女の子ばっかりなんだね」と呟いていたけど、アシーナは軽くスルーした。

剣士─ハルマの訓練を行うのは第一騎士団の副団長。
「やるからには頑張ります」と、好印象で初日はスタートした。

魔導士─イツキとミオの訓練は、勿論魔導士達が行う。
「「宜しくお願いします」」こちらも、好印象でスタートした。





******


「ねぇ……何故、が聖女なの?」

「俺に聞かないで下さい」

聖女達の訓練を見にやって来たカミリア王女が眉を顰める。それに答えたのは、近衛として付き添っているリュークレインと─

『昔からあんな感じで……変わってませんね』

リュークレインの足元でお座りをしている白狼ルーナだった。

4人が召喚されてから1ヶ月。この日、ルーナは初めてその4人を見に来たのだ。杏子である事は隠して。



杏子が願い出たのは、杏子と言う事を隠して、先ずはルーナとして会って4人の様子を窺ってから、これからの対応を考えたいと言う事だった。

あの4人が、この世界に来てから変わったのなら良いけど、変わらずなら、杏子として会う必要は無いと思ったからだ。

ーどちらにしても、4人と一緒に歩んで行く事は無いけどー

ルーナは、ジッと聖女達の訓練を見つめていて、時折耳をピクピクとさせている。

「………あの耳!可愛いっ!もふりたいっ!」
「……殿下…………」

そんなルーナを見たカミリアが、傍から見ると表情は一切崩れてはいないが、近くに居るリュークレインにだけ聞こえるような声で呟き、それをリュークレインが窘める。

「レ…リュークレインは良いわよね。もふり放題なんでしょう?それに、魔力の相性が良いなんて……ふふっ。キョウコは可愛らしいんでしょうね?」

「そうですね。可愛らしいですね。どちらの姿でも」

「惚気られたわ!!リナに聞かせてあげたいわ!!」

「……殿下………」

と、ルーナの後ろで繰り広げられているやり取りの声は、ルーナの耳には入ってはいない。ルーナは、遠くに居る聖女達の声を拾うのに必死だったのだ。

耳に入って来る会話からして、やっぱり、サヤカの聖女としてのレベルは高いらしく、他の聖女達よりも群を抜いていた。魔女が褒めるとサヤカはにこやかに微笑むが、他の聖女達に向ける眼差しは───杏子わたしに向けると、同じだった。



ー大森彩香は、何一つ…変わってないんだー



と、ルーナはため息を吐いた。


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