今更ですか?結構です。

みん

文字の大きさ
22 / 55

3人の密談

しおりを挟む
❋お気に入り登録が5000を越えました。
∑(๑⊙_⊙๑)
登録していただき、ありがとうございます。
( ๑>ㅿ<)ゞシュピ
感謝の気持ちを込めて、今日は本編をもう1話投稿しに来ました❋

















「俺が留学生としてここに来たは…フェリをカルディーナに連れて行く為なんだ。」

「はい?」
「…………」

グレイシーはキョトンとして、エルドの表情は変わらなかった。

「えっと…ちょっと待って。いや…うん。エスタリオンがフェリを好きだって事は…知ってたけどね?残念な事だけど、フェリは…一応、この国の王子の婚約者候補なのよ。知らずに来たの?」

「いや、知ってたよ。あくまで、候補でしかないだろう?だから、フェリとメルヴィルの様子をみて、もし、2人が思い合ってるなら、俺も諦めようと思ってたんだ。幼い頃の2人は…本当に仲が良かったからな。でも、違うと分かった。フェリ本人も婚約者になる事を拒否しているなら、問題無いだろう?メルヴィルがなら、俺も遠慮はしない。勿論、候補者であるうちは、フェリが不利になるような行動はしない。」

「あぁ…“外堀を埋める”事から始める─と…言う事か?」

「エルドは理解が早いな。」

俺がニヤリと笑えば、エルドもニヤリと笑う。

「俺は、メルヴィルの側近候補の1人だから、表立ってエスタリオンの味方はできないけど、俺はエスタリオンとフェリシティ嬢の仲を応援するよ。」

「応援はありがたいけど─エルドの立場もあるから、何もしなくて良いよ。ただ、俺の気持ちをグレイシーとエルドには言っておこうと思っただけだからな。それで、一応の確認なんだが…メルヴィルが婚約者を決定するのは、学園を卒業した後なのか?」

「後─と言うか、卒業式が行われた日の夜に、卒業を祝うと共に立太子の儀が執り行われるんだ。そこで、初めて第一王子であるメルヴィルが王太子として認められる予定だ。その時に、婚約者候補5人の中から1人だけが、その候補者の瞳の色と同じ色の宝石を付けたティアラを身に付けるんだ。ソレで、婚約者の決定となる。そのティアラは、メルヴィル自身が準備をして、その当日迄極秘扱いにされるから、候補者の本人達も、当日迄誰が婚約者になるのか分からないようになっている。」

調べた通りだな…なら…ー

「瞳の色─か。」

「今の5人の候補者って、皆瞳の色が違うのよね。だから、きっと分かりやすいわね。」

ティアリーナは青、ミンディは茶色、ノーラは緑、テレッサは黒。

フェリは薄藤色だけど──

きっと、メルヴィルは。フェリも、を分かっている筈だ。の為にも、隠しているだろう。

ーフェリは、面白い事を考えるよなぁー

「あ、ひょっとして…エスタリオンも思ってたりする?」
「グレイシーもか?」

と、2人で笑っていると、「何がだ!?俺にも分かるように説明してくれ!」と、エルドに言われて、グレイシーと2人で笑いながら説明した。


ーきっと、鹿なら、やってくれるだろうー








******

「今日で、リオと一緒に登園するのも最後ね。」

今朝はエルダイン邸から登園するが、学園寮の手続きと準備が整った為、リオは今日からは、授業が終われば寮に帰る事になる。
なので、馬車に乗って一緒に登園するのも、これで最後だ。

「え?何?フェリは…寂しいの?」

ーニヤニヤと嗤って…悔しいけど!ー

「───そうね。少し寂しいかもね。」
「──────えっ!?」

私が素直に言うとは思わなかったのか、リオが固まっている。

「何?私は、リオにとっても冷たい幼馴染みなの?久し振りに会えて素直に嬉しかったのよ?だから、また離れると思ったら…少し寂しいなって思ったんだけど…でも、リオにとっては嬉しい事なのよね。ようやく妹から開放されるんだものね。ふふっ。良かったわね。」

そうだ、すっかり忘れてたけど、リオもこれで穏やか?な日々を過ごせるようになるのよね。本当に申し訳無かったわ。
と、1人ホクホクとした気持ちで納得している私の横で、リオが「違う。そうじゃない!」と、呟いている事には気付かなかった。




新学期が始まってからは、グレイシー、エルド様、リオの4人で居る事が当たり前のようになっている。リオに関しては、所謂イケメンで、色んな令嬢達から秋波を送られていて、いつも側に居る私やグレイシーは睨まれたりするけど、グレイシーには常に婚約者であるエルド様が側に居るし、私は先生からリオのお世話役を頼まれた上に、一応第一王子の婚約者候補と言う事もあり、表立って絡んで来るような令嬢は居なかった。

なので、今日も平和に4人で中庭でランチをしていたのに──



「フェリ……シティ。明日は久し振りに、王城にお茶をしに来てくれ。待っているから。」



それだけ言って、第一王子は去って行った。



「───明日?お茶?お茶って…何だったっけ?」

「フェリ、現実逃避は駄目よ。“明日は週末で学園が休みだから、城に来て俺とお茶をしろ”って事よ!」

「──グレイシー、ご丁寧な説明、ありがとう。」

「大丈夫か?」

「大丈夫──じゃないけど大丈夫よ。」

と、心配そうな顔をするリオに、私は引き攣った笑顔を向ける事しかできなかった。













❋相変わらずの拙い文章、ゆるふわ設定ですが、読んでいただき、ありがとうございます。最後迄読んでいただけるように、頑張っていきますので、宜しくお願いします❋
(    ᴗ͈ˬᴗ͈  )*✧°







しおりを挟む
感想 373

あなたにおすすめの小説

私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです

風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。 婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。 そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!? え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!? ※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。 ※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。 ※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。

本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います <子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。> 両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。 ※ 本編完結済。他視点での話、継続中。 ※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています ※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります

初恋を奪われたなら

豆狸
恋愛
「帝国との関係を重視する父上と母上でも、さすがに三度目となっては庇うまい。死神令嬢を未来の王妃にするわけにはいかない。私は、君との婚約を破棄するッ!」

廃妃の再婚

束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの 父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。 ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。 それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。 身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。 あの時助けた青年は、国王になっていたのである。 「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは 結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。 帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。 カトルはイルサナを寵愛しはじめる。 王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。 ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。 引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。 ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。 だがユリシアスは何かを隠しているようだ。 それはカトルの抱える、真実だった──。

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬申し上げます、婚約破棄致しましょう

さこの
恋愛
「真実の愛を見つけた」 殿下にそう告げられる 「応援いたします」 だって真実の愛ですのよ? 見つける方が奇跡です! 婚約破棄の書類ご用意いたします。 わたくしはお先にサインをしました、殿下こちらにフルネームでお書き下さいね。 さぁ早く!わたくしは真実の愛の前では霞んでしまうような存在…身を引きます! なぜ婚約破棄後の元婚約者殿が、こんなに美しく写るのか… 私の真実の愛とは誠の愛であったのか… 気の迷いであったのでは… 葛藤するが、すでに時遅し…

【完結】あなたのいない世界、うふふ。

やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。 しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。 とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。 =========== 感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。 4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。

完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。

音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。 王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。 貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。 だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……

処理中です...