今更ですか?結構です。

みん

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ホラー?

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「おはよう」

「──おはよう…ございます。」
「「「おはようございます。」」」

新学期初日。
教室でいつもの4人で話していると、第一王子の方から挨拶をされた。しかも、とても爽やかな笑みを湛えて─。

ーえ?何かあった?ー

と思ったのは私だけではなかったようで、グレイシーはキョトンとして、リオとエルド様に至っては顰めた顔をしていた。

「あの笑顔は何?」
「ある意味怖くないか?」
「冬休みの間に何か…あったのか?例えば─関係回復?みたいな出来事とか。」

「「何もなかった(わよ)。」」

エルド様の質問に、私とリオの声が重なった。

「冬休みの間は、私もリオも領地に引き篭もっていたのよ?殿下どころか王城にも行っていないから。」

冬休み前に会ったお茶会の時だって、第一王子とはまともに話もしていなかった。

「もうね……行動が予測できなくて怖いかもしれないわ…。」

そう言うと、グレイシーには背中を撫でられ、リオとエルド様に至っては、更に顔を顰めて何かを考えるように第一王子を見ていた。




そんな、ちょっとホラー?な2学期が始まってから1週間後。第一王子が3日続けて学園を欠席した。その3日目の放課後。




「どうやら、第二王子が王都に戻って来たらしい。」

「第二─ジュリアス様が?」


今日はエルド様が、話がしたい─と言う事で、4人でオルコット邸にやって来た。

「うん。これは、別に極秘でも何でもないから、ここで話しても問題無いから安心してくれ。どうせ、すぐに知れ渡ると思うし。」

このタイミングで王都─王城に帰って来るって──。

第一王子の二つ年下の第二王子。来年度から学園に通う事になるから。

若しくは──

第二王子が立太子するかだ。

そう言えば、側近候補の兄が、カレイラ様から王妃様からの手紙をもらっていたよね。きっと、エルド様ももらってるだろう。

「もう、婚約者も王太子も決まってるのかもしれないな。あぁ、これは俺の推測だけだし、エルドに答えを求めていないから答えなくていいよ。」

少し困った顔をしたエルド様に、リオは手をフリフリと振る。

「兎に角、フェリシティがされる迄後半年ね。解放されたら、オルコット邸ウチでお祝いでもする?きっと、お母様も喜んで準備してくれると思うわ。」

「喜んで─って、それも不敬罪だからね?」

「うん。笑ってるフェリシティも同罪だからね?」

なんて、グレイシーと笑い合っていると

「そうだな。今のうちにエルドとグレイシーといっぱい思い出を作っておかないとな。卒業後は、俺がフェリをカルディーナに連れて行くから。」

「ぬぁっ──!?」

リオが当たり前のようにしれっと言う。普段は幼馴染みの範囲内で接してくるくせに、急に、ポンッと男の顔を出すのだ。心臓に悪いから勘弁して欲しい。

「カルディーナと言ってもエルダイン領の隣でしょう?すぐに会いに行けるわ。」

ーいや、私、またカルディーナに行くとは…言ってないからね?ー

軽くリオを睨めば、リオは嬉しそに笑っているだけだった。






*ティアリーナ視点*


メルヴィル様の卒業迄、後3ヶ月。
私が卒業してからは、週に一度はテレッサ様と登城してお茶をしている。そして、そこに他の3人の候補者が加わる事もある。それでも、私は必ずメルヴィル様の視界に入る場所をキープしている。勿論、フェリシティを、メルヴィル様の視界に入れさせたりはしない。



エスタリオン=チェスター

彼の事を、一応は調けど、“若いながらも辺境伯を引き継いだ”としか分からなかった。いや、それだけだと言う事だろう。

ただ、彼が留学生としてやって来てから、色々とうまくいかないようになった。

今迄、フェリシティを見下していた者達も、彼のフェリシティに対する態度を見て、“本当はそんな人ではないのでは?”と疑うようになったのだ。

ニコリとも笑わない。
殿下に対して無礼だ。
殿下に見放された婚約者候補。

もっと蹴落とすつもりだったのに。

メルヴィル様は、いつしか彼とフェリシティの姿を目で追うようになった。それも、少し切なそうな目をして。それがまた、余計に腹がたった。




ある日の5人揃ってのお茶会の後。

「フェリシティ様は、相変わらずメルヴィル様とは…あまりお話ししませんのね。」

と、メルヴィル様に言えば

「フェリシティ嬢は、遠慮しているのかもしれないね。」

と、フェリシティを庇うような発言をするようになった。
そして、自分からも動くようになり、私が何を言っても以前のように鵜呑みする事がなくなった。

それでも──

メルヴィル様は、私と話をする時は、私の目を見て優しく微笑んでくれる。
フェリシティとは、視線を合わせる事はない。
フェリシティ本人が、メルヴィル様を拒絶している。
だから、私はメルヴィル様と目を、視線をしっかり絡ませる。
私の瞳の色を、メルヴィル様に刻み付けるように。

私は、様を愛している。
王太子にならなくてもいい。
ただただ、メルヴィル様の側に居られれば───



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