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あるあるではなかった王太子
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「来月、1ヶ月宜しくな!」
「え?何が??」
「………。」
ここは、蒼の邸のハルの部屋。
今日は久し振りに、ミヤさんと休みの日が一緒になった為、私の部屋で一緒にお茶をしていたところ、またまたリュウが転移魔法で隣国からやって来た。
「あ、ミヤ様も居たのか…。王太子との婚約、おめでとうございます。来月は、宜しくお願いします。」
リュウは、相変わらずミヤさんには低姿勢だ。
「ねぇ…リュウ…私の気のせいだったらごめんなさいね?確認なんだけど…貴方、今、何処から来たのかしら?」
「──え?」
ミヤさんからの質問に、リュウはキョトンとした顔になる。
ーあれ?ミヤさん、怒ってる?ー
はい、ここでは、私は何も言いません。ここに入ってはいけません。静かに見ているだけです。
「ここって、ハルの部屋よね?」
「そう…です────」
「あぁ、それは分かっていたのね。なら、リュウ、貴方は先触れも何もなく、転移魔法を使って勝手に人妻の部屋に侵入して来た───と言う事なのね?」
「あ゙っ────」
ミヤさんは目を細めてニッコリ微笑み、それとは反対にリュウの顔は一気に引き攣った。
私もすっかり慣らされてた…。最初の頃は、私もリュウに注意してたけど、何度言ってもやって来るから、「親戚のおじさんって、こんな感じなのかな?」なんて感化されてた。
「リュウ、後でキッチリ話をしましょうか?勝手に帰る事は…許さないわよ。」
「ハイ。ワカリマシタ。」
ーリュウ、ご愁傷様ですー
勿論、私は助けませんよ?フォローもしません。ミヤさんには逆らってはいけませんからね。
「それで?“1ヶ月宜しく”って、どう言う事?」
取り敢えずは、ルナさんにリュウのお茶を用意してもらい、リュウが持って来た隣国のお菓子も並べてもらった。
「ミヤ様は知ってると思うけど、来月、国王の代理で俺がこの国の視察をする事になったんだ。」
「視察?」
「そう。俺達の国は、前王のせいで地方の土地が荒れていてな。この国と俺の国って、土地や気候が似ているんだ。それで、色々と倣う処があるのでは?と、ウォーランドの国王が声を掛けてくれたんだ。それに、ほら、ミヤ様達が浄化してから、未だに穢れが出てないだろう?今なら安全に視察ができるだろうって。」
確かに、ミヤさん達が浄化して3年経つけど、未だに穢れが出たと言う報告はない。一番最初に出るのでは?と思われているパルヴァンの森でさえ、穢れが出ていない。
お姉さん達は、本当にハイスペだったんだなぁ…と、つくづく思う。今や、ミヤさんなんてこの国の神様みたいな存在だからなぁ…。普通に働いているけど。
「やっぱり、リュウが代理で来る事になったのね。」
「あぁ。流石に、国王直々とは…ね。ただ、本人としては、自分が行きたかった─って、少し拗ねていたけどね。ま、ミヤ様と王太子の結婚式には来れるから、今回は我慢すると言っていた。」
「ふふっ。私も、会えるのを楽しみにしているわ─と、伝えておいて。」
ちなみに、ミヤさんと王太子様の結婚式は、1年半後に執り行われる事が決まっている。
『ランバルトが浮かれ過ぎて気持ち悪い』
と言っていたのは、ネロをもふもふしていたクレイル様だった。王太子様も、6年越しにやっと実った恋だもんね…浮かれても仕方無いよね?
「ラノベでは、王太子には婚約者がいるけど、異世界から来た聖女と恋に落ちて、婚約者は婚約破棄されて─ってあるあるだけど、ランバルト王子はどうだったんだ?」
流石は乙女ゲーム作成に携わっていただけあって、色々知ってるよね。私にはよく分からないけど…。
「それね。ランバルト様には、婚約者はいなかったのよ。今代で聖女を召喚する事は決まっていたから、敢えて婚約者は立てなかったそうよ。」
王族にとって、聖女と結ばれる事は喜ばしい事だ。ただ、それを王族側から強要する事はない。
聖女側が、王子を望んでくれるのならば、王族側はソレを喜んで受け入れるだけ。
なので、一応、王族の立場として王妃教育の事も考慮し、婚約者を立てた方が良いのではないか?との意見もあったのだが──
『もし、有り難い事に、聖女様が私を選んでくれたら…その婚約者はどうなるのだ?王妃教育は遊びでは無い。苦労しながら教育を受けたのにそれら全てが無になる。しかも、その令嬢の大切な時間を奪っておいて─だ。私は、そんな事を強いるつもりは無い。聖女様が私を選ばなければ、その時に婚約者を決めれば良い。王妃教育が間に合わない─と言うなら、それは、私がカバーすれば良いだけの事だろう?』
と、まだ聖女─私達が召喚される前に王太子は、貴族の前で言い張ったそうだ。
「なんだそれ?意外と……男前だな?」
と、リュウがニヤニヤとしている。
「リュウ、今日は色々とゆっくり話がしたいから…ゆっくりして行きなさいね?」
「ハイ、ワカリマシタ。ヨロコンデ…。」
ミヤが、リュウにキッチリ釘を刺すと、私の横でクスクスと笑うハル。
ヘタレなやらかし王太子だったけど──
今では愛しい人になっている。本当に、人生とはどうなるか…分からないものね?
このまま、平和な日々が過ごせますように──。
なんて、ハルと私が居る限り……無理かもしれないわね…と、思ってしまった事は、心の中だけにしまっておきましょう。
「え?何が??」
「………。」
ここは、蒼の邸のハルの部屋。
今日は久し振りに、ミヤさんと休みの日が一緒になった為、私の部屋で一緒にお茶をしていたところ、またまたリュウが転移魔法で隣国からやって来た。
「あ、ミヤ様も居たのか…。王太子との婚約、おめでとうございます。来月は、宜しくお願いします。」
リュウは、相変わらずミヤさんには低姿勢だ。
「ねぇ…リュウ…私の気のせいだったらごめんなさいね?確認なんだけど…貴方、今、何処から来たのかしら?」
「──え?」
ミヤさんからの質問に、リュウはキョトンとした顔になる。
ーあれ?ミヤさん、怒ってる?ー
はい、ここでは、私は何も言いません。ここに入ってはいけません。静かに見ているだけです。
「ここって、ハルの部屋よね?」
「そう…です────」
「あぁ、それは分かっていたのね。なら、リュウ、貴方は先触れも何もなく、転移魔法を使って勝手に人妻の部屋に侵入して来た───と言う事なのね?」
「あ゙っ────」
ミヤさんは目を細めてニッコリ微笑み、それとは反対にリュウの顔は一気に引き攣った。
私もすっかり慣らされてた…。最初の頃は、私もリュウに注意してたけど、何度言ってもやって来るから、「親戚のおじさんって、こんな感じなのかな?」なんて感化されてた。
「リュウ、後でキッチリ話をしましょうか?勝手に帰る事は…許さないわよ。」
「ハイ。ワカリマシタ。」
ーリュウ、ご愁傷様ですー
勿論、私は助けませんよ?フォローもしません。ミヤさんには逆らってはいけませんからね。
「それで?“1ヶ月宜しく”って、どう言う事?」
取り敢えずは、ルナさんにリュウのお茶を用意してもらい、リュウが持って来た隣国のお菓子も並べてもらった。
「ミヤ様は知ってると思うけど、来月、国王の代理で俺がこの国の視察をする事になったんだ。」
「視察?」
「そう。俺達の国は、前王のせいで地方の土地が荒れていてな。この国と俺の国って、土地や気候が似ているんだ。それで、色々と倣う処があるのでは?と、ウォーランドの国王が声を掛けてくれたんだ。それに、ほら、ミヤ様達が浄化してから、未だに穢れが出てないだろう?今なら安全に視察ができるだろうって。」
確かに、ミヤさん達が浄化して3年経つけど、未だに穢れが出たと言う報告はない。一番最初に出るのでは?と思われているパルヴァンの森でさえ、穢れが出ていない。
お姉さん達は、本当にハイスペだったんだなぁ…と、つくづく思う。今や、ミヤさんなんてこの国の神様みたいな存在だからなぁ…。普通に働いているけど。
「やっぱり、リュウが代理で来る事になったのね。」
「あぁ。流石に、国王直々とは…ね。ただ、本人としては、自分が行きたかった─って、少し拗ねていたけどね。ま、ミヤ様と王太子の結婚式には来れるから、今回は我慢すると言っていた。」
「ふふっ。私も、会えるのを楽しみにしているわ─と、伝えておいて。」
ちなみに、ミヤさんと王太子様の結婚式は、1年半後に執り行われる事が決まっている。
『ランバルトが浮かれ過ぎて気持ち悪い』
と言っていたのは、ネロをもふもふしていたクレイル様だった。王太子様も、6年越しにやっと実った恋だもんね…浮かれても仕方無いよね?
「ラノベでは、王太子には婚約者がいるけど、異世界から来た聖女と恋に落ちて、婚約者は婚約破棄されて─ってあるあるだけど、ランバルト王子はどうだったんだ?」
流石は乙女ゲーム作成に携わっていただけあって、色々知ってるよね。私にはよく分からないけど…。
「それね。ランバルト様には、婚約者はいなかったのよ。今代で聖女を召喚する事は決まっていたから、敢えて婚約者は立てなかったそうよ。」
王族にとって、聖女と結ばれる事は喜ばしい事だ。ただ、それを王族側から強要する事はない。
聖女側が、王子を望んでくれるのならば、王族側はソレを喜んで受け入れるだけ。
なので、一応、王族の立場として王妃教育の事も考慮し、婚約者を立てた方が良いのではないか?との意見もあったのだが──
『もし、有り難い事に、聖女様が私を選んでくれたら…その婚約者はどうなるのだ?王妃教育は遊びでは無い。苦労しながら教育を受けたのにそれら全てが無になる。しかも、その令嬢の大切な時間を奪っておいて─だ。私は、そんな事を強いるつもりは無い。聖女様が私を選ばなければ、その時に婚約者を決めれば良い。王妃教育が間に合わない─と言うなら、それは、私がカバーすれば良いだけの事だろう?』
と、まだ聖女─私達が召喚される前に王太子は、貴族の前で言い張ったそうだ。
「なんだそれ?意外と……男前だな?」
と、リュウがニヤニヤとしている。
「リュウ、今日は色々とゆっくり話がしたいから…ゆっくりして行きなさいね?」
「ハイ、ワカリマシタ。ヨロコンデ…。」
ミヤが、リュウにキッチリ釘を刺すと、私の横でクスクスと笑うハル。
ヘタレなやらかし王太子だったけど──
今では愛しい人になっている。本当に、人生とはどうなるか…分からないものね?
このまま、平和な日々が過ごせますように──。
なんて、ハルと私が居る限り……無理かもしれないわね…と、思ってしまった事は、心の中だけにしまっておきましょう。
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