氷の騎士は、還れなかったモブのリスを何度でも手中に落とす

みん

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兄妹

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「ねろーきょうもかーいいね!」

も可愛いの!』

蒼の邸の裏庭で、今日もセオがネロをもふもふしていた。



ーセオドア=アーサー=カルザインー

ハルと同じサラサラのプラチナブロンドの髪に、カルザインを表す青い瞳の男の子で、それなりの魔力を持って生まれた。魔力が大きかったり強過ぎると、幼いうちはコントロールが出来ず暴走したりするのだが─流石は規格外の魔法使いなハルの息子である。暴走する事が全く無い。ハルと同じように、セオドア自身に生まれる前から魔力が馴染んでいたと言う事もるが、それに輪を掛ける様に、ハル母親とリュウから守護や保護の魔法が掛けられた魔石を身に着けているからだ。
隣国の魔法使いリュウ。彼も…立派な伯父(?)馬鹿のようになっていて、一週間に一度は蒼の邸にやって来てはセオドアと一緒に魔法で遊んだりしている。

他人のリュウでもこの状態。ゼンとロンは──言わずもがなである。ゼンもロンも、2、3日に一度は蒼の邸にやって来ては、伯父馬鹿、爺馬鹿を発揮しまくっている。

そしてネロ。見た目はまだまだ小型犬だけど、セオドアが生まれてからは『お姉ちゃんなの!』と、セオドアを守るようにいつも寄り添ってくれている。その様子が蒼の邸では癒やしの一コマになっている。






「セオ、やっぱりここに居たのか。」

「じーじ!」

セオは、じーじ─ゼン─を目にすると、パッと顔を明るくさせてゼンに飛び付いた。

「かーしゃま、だいじょーぶ?あえる?」

「あぁ、母さんには勿論──にも会えるぞ!」

「はい!あいにいくの!」

「ネロも行くか?」

『ネロも行くの!!』



そう。セオドアが生まれてから2年半が経ち、2日前にセオドアに妹が生まれた。これが──ハルそっくりの女の子だった。ハルと同じプラチナブロンドの髪に、淡い水色の瞳。少し違うのは、髪がハルやエディオルとは違い、緩く波打っていると言う事。

「───ユイ……」

と、ゼンが少し…少しだけ目が潤んでいたのは、皆は見て見ぬふりをした。


ーヴィオラ=ユイ=カルザインー

セオドアが生まれた時も、カルザインとパルヴァンはお祭り騒ぎになった。
そして、今回は女の子。ハル似の女の子。勿論、またまたお祭り騒ぎになったのは言うまでもない。しかも──

「あ、この子、魔法使いだ。」

と、リュウに断言されたのだ。

「あ…やっぱりそうなんですね。お腹に居る時から、あれ?って思ってたんですよね……どうしようかなぁ……」

「ハル、その辺は俺に任せろ。」

と言ったのはゼン。恐ろしい程の笑顔だった。

ー何を”任せろ”なのかー

その場に居た者は皆思ったが、その笑顔のゼンには誰にも突っ込む事はできなかった。


産後、ハルはまた少し貧血気味になり、そのままベットの住人ヨロシク!を強制させられ、エディオルは勿論、セオドアもハルに会う事を我慢した。なので、セオドアもまだ妹に会っていなかったのだ。そして今日、ようやくその妹に会える事となった。






「かーしゃま!」

「セオ!」

ハルの部屋に入ると、ソファに座っていたハルの元へ、セオがトテトテと駆け寄り抱き付く。

「セオ、元気だった?2日も会えなくてごめんね?」

「ぼくはげんきだし、だいじょーぶ。かーしゃまもだいじょーぶ?」

「ふふっ。母様も元気よ?セオ、妹──ヴィオラを見てくれる?」

ハルがそう言うと、寝室の方からルナが赤ちゃんを抱っこしてやって来た。

「坊っちゃん、この子が妹のヴィオラ様ですよ。」

「ふわぁーっ!かーいーねっ!!ふわぁー」

ルナの腕の中でスヤスヤと眠るヴィオラを、キラキラした瞳で見つめる兄─セオドア。

“兄馬鹿”が誕生した瞬間であった。









*****


「にいさまー!」

「ヴィー、走ったらあぶないよ?」

ポスンッ─と、兄であるセオドアの所迄走ってやって来たヴィオラは、そのままの勢いでセオドアに飛び付いた。

「にい様、今からネロの所に行くの?」

「あぁ。クレイル様が来てるって聞いたから、挨拶がてらに行こうかと思ってね。ヴィーも、一緒に行く?」

「うん、ヴィーも行く!」

現在、セオドア7歳、ヴィオラ5歳─兄妹は仲良しで、セオドアは兄馬鹿まっしぐらである。ヴィオラは─見た目だけではなく、性格もハルにソックリの──天然炸裂娘だった。





「「クレイル様、こんにちは」」

裏庭に行くと、こちらも相変わらずで、クレイルがネロに果物をあげているところだった。

「セオ、ヴィー、こんにちは。うーん…相変わらず可愛いね。」

「ありがとー!」

と、純粋に喜んでお礼を言うのはヴィオラだけで、セオドアとネロに至っては──

ー母様(あーじ)には言えないのに…本当に律儀?な人だよねー

と、幼いながらも、悟った様な微笑みをクレイルに向けていた。


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