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第2章ー魔道士ー
魅力的なエサ
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リゼットは、お昼休みの20分前に魔法科に戻って来た為、ランチも一緒にとる事ができた。
特に新しい話はなく、王城付きになる為の必要事項の確認や書類の作成をした後、今後のスケジュールの確認をして終わったそうだ。
それとなく、私の事を訊いてくれたそうたけど、教えてはくれなかったそうだ。私としても、一体どんな提案なのかは気になるけど、仕方無い。兎に角、お昼休みが終わったら応接室に来て欲しいとの事だった。
「それにしても、ルシエント様ってイケメンだよね。恋人が居ないのが不思議だわ。」
「私からしたら、美人なリゼットに恋人が居ないのも不思議だけどね?」
「“美人”ってところは有り難く受け取っておくわ。恋人に関しては…私より強い人が居たら考えるわ。」
2属性持ちの攻撃タイプのエリート(確定)より強い人………もう、ルシエント様ぐらいしかいないんじゃないかなぁ?確か、ルシエント様も攻撃タイプじゃなかったっけ?ルシエント様の性格とかは知らないけど、見た目だけで言うと、2人並ぶとお似合いな2人だよね。同じ魔道士で同じ伯爵位だし。
ーうん。恋愛事は、見てる分には……楽しいかもー
と、少し明るい?気持ちのままお昼休みを過ごす事ができ、私はそのままの気持ちで応接室へと向かった。
******
「助手───ですか?」
「そう。助手。」
そう言って、ニッコリ微笑むのはオスニエル=ルシエント様。そのルシエント様の提案とは──
王都にある王立の学園は、15歳から18歳の子供が通う学校の一つであり、そこには主に貴族の子供達が通っている。学力があれば、平民でも通う事ができ、成績が優秀であれば、平民に限っては学費が免除されるシステムもあるそうだ。それは、100年前にはなかったシステムだ。
そして、その学園には色んな学びの科がある。
殆どの学生が普通科になるが、他に、経済科、騎士科、執事侍女科、魔法科がある。
その魔法科に、来年度からルシエント様が講師に就く事になったそうで、その為に、今助手を探している─との事だった。
「えっと…それで、どうして私が?私ではなくても、王都…ルシエント様の周りにもっと適任者が居るのでは?」
流石に、王城付きの魔道士を助手として連れて行くのは無理だとしても、王都ともなれば、私なんかよりもっと優れた魔道士が居る筈だ。
それに…この容姿だ。女性の魔道士なら、ルシエント様が誘えば喜んで助手をしてくれるだろう。勿論、男性でも箔が付く─と、喜んでするだろうけど。
「それはそうかも知れないけど………ハッキリ言うけど、私は、尻尾振って喜ぶ者と仕事をする事が嫌なんだよね。」
ーん?“尻尾振って”?ー
「男性でも女性でもね。身近に媚を売って来るような人間が居るのは…迷惑でしかないんだよね。」
ーうわぁ…この人、ハッキリ言うなぁ…ー
「特に、女性なんかの粘っこい視線は嫌悪感しかないからね。それで、丁度、王都に来るディシリス嬢なら適任だと思ったけど、流石に王城付きになる年に同時に助手も─とは無理があるからね。」
確かに、リゼットは適任だろうけど、初めての事を同時にスタートさせるのは……微妙なところだろう。
今回の魔道士入門試験の試験官として、補佐役のリゼットと対面した時、ルシエント様に対して普通の態度を取ったリゼットに好感を持ったそうだ。一体、この人はどれだけモテるのか……。
なんとか助手もさせられないか?と思案していたところ、またまた自分に対して何の感情も持たない女性─ナディアに会ったと。
「本当に…君は私に対して普通でもなく、無関心だよね?」
「…………」
ーなんとも返事がし難い質問ですよね?ー
「あ、怒ったり気を悪くした訳じゃないから。寧ろ、気持ちよかった位だから。」
ーえ?それはそれで…怖いんですけど?ー
「あーうん。何を言ってもある意味普通の対応をするのが良いよね。私は伯爵家の嫡男で、王城付きの魔道士で、更には王太子の側近だからね。それに、この容姿だから……どうしても周りは普通には接して来ないんだよね。まぁ、それはそれで仕方無い─と思ってはいるけどね。」
そのお陰で良い思いをする事もあるけど─と、ルシエント様は苦笑した。
兎に角、助手に関しては、多少の媚は仕方無いか─と思っていたところで、今回補佐役としてその務めをキッチリこなしたリゼットと私。オマケに自分に対して媚が全く無かった─と言う事で、私に声を掛けたと。
「それに、君の受験生達への対応は、本当に素晴らしかったしね。サポートするタイミングも完璧だったし…何より、最後の魔法の暴走に対する咄嗟の判断と対処は…目を見張るものがあった。君なら、助手としても、キッチリやってくれるだろう─と。」
だから、助手の話の事を考えてみて欲しい─
申し訳無いが、色々と準備があるから、返事は1週間以内で頼む─
引き受けてくれるなら、“魔法の書”だけではなく、王家所有の書も読めるように手配しよう─
ルシエント様は、「これでもか!」と言う程のエサをばら撒いてから、応接室から出て行った。
特に新しい話はなく、王城付きになる為の必要事項の確認や書類の作成をした後、今後のスケジュールの確認をして終わったそうだ。
それとなく、私の事を訊いてくれたそうたけど、教えてはくれなかったそうだ。私としても、一体どんな提案なのかは気になるけど、仕方無い。兎に角、お昼休みが終わったら応接室に来て欲しいとの事だった。
「それにしても、ルシエント様ってイケメンだよね。恋人が居ないのが不思議だわ。」
「私からしたら、美人なリゼットに恋人が居ないのも不思議だけどね?」
「“美人”ってところは有り難く受け取っておくわ。恋人に関しては…私より強い人が居たら考えるわ。」
2属性持ちの攻撃タイプのエリート(確定)より強い人………もう、ルシエント様ぐらいしかいないんじゃないかなぁ?確か、ルシエント様も攻撃タイプじゃなかったっけ?ルシエント様の性格とかは知らないけど、見た目だけで言うと、2人並ぶとお似合いな2人だよね。同じ魔道士で同じ伯爵位だし。
ーうん。恋愛事は、見てる分には……楽しいかもー
と、少し明るい?気持ちのままお昼休みを過ごす事ができ、私はそのままの気持ちで応接室へと向かった。
******
「助手───ですか?」
「そう。助手。」
そう言って、ニッコリ微笑むのはオスニエル=ルシエント様。そのルシエント様の提案とは──
王都にある王立の学園は、15歳から18歳の子供が通う学校の一つであり、そこには主に貴族の子供達が通っている。学力があれば、平民でも通う事ができ、成績が優秀であれば、平民に限っては学費が免除されるシステムもあるそうだ。それは、100年前にはなかったシステムだ。
そして、その学園には色んな学びの科がある。
殆どの学生が普通科になるが、他に、経済科、騎士科、執事侍女科、魔法科がある。
その魔法科に、来年度からルシエント様が講師に就く事になったそうで、その為に、今助手を探している─との事だった。
「えっと…それで、どうして私が?私ではなくても、王都…ルシエント様の周りにもっと適任者が居るのでは?」
流石に、王城付きの魔道士を助手として連れて行くのは無理だとしても、王都ともなれば、私なんかよりもっと優れた魔道士が居る筈だ。
それに…この容姿だ。女性の魔道士なら、ルシエント様が誘えば喜んで助手をしてくれるだろう。勿論、男性でも箔が付く─と、喜んでするだろうけど。
「それはそうかも知れないけど………ハッキリ言うけど、私は、尻尾振って喜ぶ者と仕事をする事が嫌なんだよね。」
ーん?“尻尾振って”?ー
「男性でも女性でもね。身近に媚を売って来るような人間が居るのは…迷惑でしかないんだよね。」
ーうわぁ…この人、ハッキリ言うなぁ…ー
「特に、女性なんかの粘っこい視線は嫌悪感しかないからね。それで、丁度、王都に来るディシリス嬢なら適任だと思ったけど、流石に王城付きになる年に同時に助手も─とは無理があるからね。」
確かに、リゼットは適任だろうけど、初めての事を同時にスタートさせるのは……微妙なところだろう。
今回の魔道士入門試験の試験官として、補佐役のリゼットと対面した時、ルシエント様に対して普通の態度を取ったリゼットに好感を持ったそうだ。一体、この人はどれだけモテるのか……。
なんとか助手もさせられないか?と思案していたところ、またまた自分に対して何の感情も持たない女性─ナディアに会ったと。
「本当に…君は私に対して普通でもなく、無関心だよね?」
「…………」
ーなんとも返事がし難い質問ですよね?ー
「あ、怒ったり気を悪くした訳じゃないから。寧ろ、気持ちよかった位だから。」
ーえ?それはそれで…怖いんですけど?ー
「あーうん。何を言ってもある意味普通の対応をするのが良いよね。私は伯爵家の嫡男で、王城付きの魔道士で、更には王太子の側近だからね。それに、この容姿だから……どうしても周りは普通には接して来ないんだよね。まぁ、それはそれで仕方無い─と思ってはいるけどね。」
そのお陰で良い思いをする事もあるけど─と、ルシエント様は苦笑した。
兎に角、助手に関しては、多少の媚は仕方無いか─と思っていたところで、今回補佐役としてその務めをキッチリこなしたリゼットと私。オマケに自分に対して媚が全く無かった─と言う事で、私に声を掛けたと。
「それに、君の受験生達への対応は、本当に素晴らしかったしね。サポートするタイミングも完璧だったし…何より、最後の魔法の暴走に対する咄嗟の判断と対処は…目を見張るものがあった。君なら、助手としても、キッチリやってくれるだろう─と。」
だから、助手の話の事を考えてみて欲しい─
申し訳無いが、色々と準備があるから、返事は1週間以内で頼む─
引き受けてくれるなら、“魔法の書”だけではなく、王家所有の書も読めるように手配しよう─
ルシエント様は、「これでもか!」と言う程のエサをばら撒いてから、応接室から出て行った。
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