恋愛は見ているだけで十分です

みん

文字の大きさ
28 / 61
第三章ー学園生活ー

巻き込まれる

しおりを挟む
「先ずは確認なんだが、オスニエルがそのペア組みを確認したのはいつ?」

「1週間前です。これが、その時ルシエント様に見せたモノです。」

清書したものはルシエント様に渡したままだけど、清書前に書いていたモノは、念の為においておいたのだ。

「───確かに。これで言うと、ペアはアルビーとエタシエル嬢になっているな。取り敢えず、これは預かって良いか?」

「はい。大丈夫です。清書したモノは、ルシエント様が持っていると思います。」

「分かった。」



それから、ここ最近での学園でのルシエント様や聖女達の事を訊かれたりしたが、このペアの事が起こる迄は、特に目に見えておかしいと感じた事はなかったと、素直に話をした。
でも…。

ーそこにオレリアが居たから、安心していただけかもしれないー

オレリアが第三王子から離れていないから、問題が無いと思っていたけど…。
それに、ルシエント様はいつから、あんな瞳をしていたんだろうか?

「あの……ルシエント様は、リゼットとは……」

月に2回程、リゼットとはお茶をしたり買い物に出掛けたりしているけど、リゼットからルシエント様の様子がおかしいなんて話は出ていなかった。それも、2週間前の事だけど。

「その前に…」と、モンテルアーノ様が口を噤むと、キン──と、耳鳴りのような音が鳴り、その場の空気がガラリと変わった。

この場に、結界が張られたのだ。

どうして?─と聞く前に、モンテルアーノ様が「申し訳無いが─」と、説明してくれた内容は─


以前から少しずつ様子がおかしくなって来ていた第三王子。それでも、何かがあった訳でも、何かをする訳でもなかった為、暫く様子を─と言うのが、学園1学期のおわり。
それからも、特に大きな変化はなかったが、ただ一つ。政略的な婚約者ではあったが、オレリア=エタシエルに対しては誠実に対応していたし、週に1度は城でお茶の時間を作って2人の仲を深めていたのに、学園が休みだった2週間以後は、城でお茶をする事がなくなったそうだ。何かあったのか?と訊いても、「時間が合わないだけだ」と言われるだけ。心配はしていたけど、学園が始まると、学園内では普通に話をしたり、ランチも一緒に食べていると言う事で、それ以降は見守るだけにしていた─と。

「この事は王太子リュカも把握していて、私もオスニエルも取り敢えずはアルビーの事を見守ろうと言っていたんだ。その時のオスニエルは普通だったと思う。さっきの質問の事だが…2週間ぐらい前に、ルシエントは“リゼットとデートなんだ!”と、嬉しそうに言っていたから、問題無いとは思うが……。」



「………この2週間で、何か変わった事や変化した事が…あったんですか?」

「……それが、結界を張った理由なんだが……2週間前から、オスニエルが聖女に光の魔力の特別指導をしているんだ。」

特別指導?知らなかった。そう言えば、暫くは城での執務が忙しくなるから、放課後はすぐに登城しなければならない─とは言っていたけど…その為だったのか。

「学園での授業が終わった後、聖女に登城してもらい、城内にある訓練室で指導してもらっていたんだ。魔力の扱いがスムーズにいくようになっても、“浄化”と“癒やし”の魔法が、あまりうまく発動できないようで……」

“癒やし”と“浄化”─は、光属性が得意とする魔法だ。他にも、風属性や水属性も扱えるが、光属性に関してはその2つの魔法に特化していると言えるのに、それがうまく発動できないとは…国にとっても放っておけない事だ。
でも、それを、わざわざ結界を張ってまで私に言うという事は──

「その聖女が……ルシエント様がおかしくなった事に、何か関係があると?」


「これは、公にはされなかった事なんだか……」

ー“口外禁止”と言う事だよねー

「オスニエルが以上、ナディア嬢を事になった。申し訳無い。」

モンテルアーノ様が、座ったままで軽く頭を下げながら謝罪を口にした。

「今の様な事が100年程前にもあったんだ。」

100年前──

ドクドクと、心臓が嫌な音を立てて騒ぎ出す。

「それは、王族─当時の第二王子を含む高位貴族の令息や令嬢も絡んでのものだった。それでも、王族が関わっていたから箝口令が敷かれて、あまり知られる事なく収束させた──つもりだったんだが……」

確かに、あれだけの高位貴族であった私達が関わったのにも関わらず、覚悟していた程の醜聞にはならなかった。暴力を振るった彼さえ、廃嫡にはなったが、婿入り先さえ見付かったのだから。

「収束したかと思ってから1年か2年経ってから……その時の関係者が、……亡くなってしまったんだ。」









❋エールを頂き、本当にありがとうございます❋
ε٩(๑˃ ᗜ ˂)۶з




しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜

ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。 しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。 生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。 それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。 幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。 「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」 初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。 そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。 これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。 これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。 ☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆

若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。

長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。 仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。 愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。 ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。 ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。 二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。 時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し…… 全ては、愛する人と幸せになるために。 他サイトと重複投稿しています。 全面改稿して投稿中です。

そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?

氷雨そら
恋愛
 結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。  そしておそらく旦那様は理解した。  私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。  ――――でも、それだって理由はある。  前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。  しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。 「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。  そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。  お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!  かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。  小説家になろうにも掲載しています。

皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。 この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。 そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。 ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。 なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。 ※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。

運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。

ぽんぽこ狸
恋愛
 気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。  その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。  だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。  しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。  五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。

ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜

嘉神かろ
恋愛
 魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。  妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。  これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので

ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。 しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。 異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。 異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。 公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。 『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。 更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。 だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。 ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。 モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて―― 奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。 異世界、魔法のある世界です。 色々ゆるゆるです。

聖女の妹、『灰色女』の私

ルーシャオ
恋愛
オールヴァン公爵家令嬢かつ聖女アリシアを妹に持つ『私』は、魔力を持たない『灰色女(グレイッシュ)』として蔑まれていた。醜聞を避けるため仕方なく出席した妹の就任式から早々に帰宅しようとしたところ、道に座り込む老婆を見つける。その老婆は同じ『灰色女』であり、『私』の運命を変える呪文をつぶやいた。 『私』は次第にマナの流れが見えるようになり、知らなかったことをどんどんと知っていく。そして、聖女へ、オールヴァン公爵家へ、この国へ、差別する人々へ——復讐を決意した。 一方で、なぜか縁談の来なかった『私』と結婚したいという王城騎士団副団長アイメルが現れる。拒否できない結婚だと思っていたが、妙にアイメルは親身になってくれる。一体なぜ?

処理中です...