家ごと異世界ライフ

ねむたん

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森の橋を渡る者たち

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その日、朝早くから森の入口付近で妖精たちがざわめいていた。光を揺らしながら飛び回るルミが、紬の家に急いで飛び込んでくる。

「紬!紬!森の入口にたくさんの人が来てるよ!」

「えっ?」紬はハーブティーを淹れていた手を止めた。「たくさんの人って……どれくらい?」

「10人くらい!ドワーフも獣人もいるみたい!」

驚いた紬は急いでライルとオルドを呼び、入口まで向かった。そこには、まさに妖精が言った通りの光景が広がっていた。

頑丈そうな体格で短躯のドワーフたち、動物の耳や尻尾を持つ獣人たち――彼らは皆、疲れ切った様子で橋の前に集まっていた。

「こんにちは!」紬が橋のこちら側から声をかけると、先頭にいたドワーフの男性が驚いたように振り返った。

「おお、君がこの森の管理人か?」ドワーフの男性は大きな斧を背負っていたが、どこか穏やかな目をしていた。

「そういうわけじゃないけど、この森で暮らしてる紬だよ。」紬は少し緊張しながらも微笑んだ。「みんな、どうしてここに?」

「俺たちは、町から追い出されて行き場をなくしていたんだ。」男性は真剣な表情で答えた。「町の人間たちは、俺たちを異質な存在として疎んじていた。ここに来れば、新しい生活ができるって聞いたんだ。」

その言葉に、オルドが小さく息をついた。「ああ、そうか……俺の話を聞いて来たのか。」

「オルドさんが?」紬が驚いて振り向くと、オルドは少し申し訳なさそうに笑った。「悪いな。森での暮らしを自慢したら、こんなことになっちまった。」

「いいよ。森は広いし、みんなが掟を守ってくれるなら大歓迎だよ!」紬はすぐに明るく答えた。その言葉に、橋の向こうのドワーフと獣人たちは安堵の表情を浮かべた。

「ありがとう……」先頭のドワーフが頭を下げた。「俺はドルン。これからよろしく頼む。」

「私はリュカ!」耳の長い獣人の少女が元気に手を挙げた。「森でどんな仕事をすればいいの?」

「えっと、まずはみんなでお家を作ろうか!」紬は笑顔で答えた。

個性豊かな新たな住人たち

新たに加わった10人はそれぞれ個性が強く、紬たちの生活を賑やかにしてくれた。
• ドルン(ドワーフの長)
頼れるリーダー格で、無口ながらも周囲をよく見て行動する職人気質。金属加工や鍛冶が得意で、森の資源を活かして便利な道具を次々と作り出す。
• リュカ(獣人の少女)
快活で人懐っこい性格。動物と心を通わせる力を持ち、森の動物たちと協力して食材の採集や森の見回りを担当する。
• バルト(ドワーフの戦士)
大柄な体格で、力仕事を一手に引き受ける頼れる存在。見た目は怖いが、実は裁縫が趣味で森の住人たちの衣服を直してくれる。
• フィン(獣人の青年)
控えめな性格だが、森の中を走る速さは誰にも負けない。情報伝達や森の警備に貢献する。
• ガリック(ドワーフの年長者)
森の伝説や外の世界の知識に詳しく、子どもたちに物語を語ることが好き。森の歴史に関するアドバイザー的存在になる。
• ミア(獣人の女性)
料理が得意で、森で採れる食材を使った新しいレシピを考案するのが趣味。紬と一緒に料理を作りながら、森の住人たちの胃袋を支える。

ほかにも、手先の器用なドワーフたちや、森での探索が得意な獣人たちが加わり、森の生活は一気に賑やかになった。

新しい家と森の発展

知恵の木の協力を得て、住人たちは自分たちの家を作り始めた。樹木と共存する家や地下に掘られた頑丈な住居、木の上に作られた隠れ家的な住処――それぞれの性格や特技を活かした家々が森の中に次々と出来上がっていく。

「なんだか、森が町みたいになってきたね!」紬は完成した家々を眺めながら、嬉しそうに言った。

「町っていうより、家族だな。」ライルが笑いながら肩をすくめた。「みんなで力を合わせれば、もっと良くなるさ。」
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