終焉列島:ゾンビに沈む国

ねむたん

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俺たちは宴会場に戻り、座卓を囲んで話し合った。

「まず確認したいのは、この旅館がどれだけ安全かってことだな」

斉藤が地図を広げ、旅館の構造を指さす。

「この建物は、外壁がしっかりしているし、主要な出入り口も限られてる。ゾンビが来ても、すぐに侵入されることはなさそうだ」

「でも、それは今の話だろ?」

藤木が腕を組む。

「確かに、まだゾンビの姿は見てない。でも、ここがいつまでも安全とは限らない」

「問題なのは、露天風呂の開放部と、増改築で分断されたエリアか」

俺は図面を見ながら続ける。

「露天風呂側はほぼ無防備だから、山の方からゾンビが降りてきたら、そのまま侵入される」

「バリケードを作る必要があるな」

高橋が静かに言う。

「旅館の壊れた家具を使えば、ある程度は補強できるかもしれない。ただし、ゾンビが押して倒せるようなものじゃ意味がない」

「簡易的なバリケードを作って、様子を見ながら補強していくしかないな」

「玄関の方は?」

安田が訊ねる。

「玄関は引き戸だから、強度が低い。ただ、木製の分厚い板が倉庫にあったから、それを内側から打ち付ければ簡単には破られないはずだ」

「完全に封鎖しちまうと、人間の生存者が来たときに交渉すらできなくなるな」

「それなら、内側から支えを入れて、簡単には開かないようにするくらいがいいかもな」

「増改築で封鎖されたエリアは?」

藤木が廊下の奥にある、板で打ち付けられた扉を見つめる。

「何があるか分からないのは、逆にリスクだ」

「でも、今のところ無理に開けるのは危険だな。防衛を固めてから、後で開放するかどうか決めよう」

「……で、井戸のことだけど」

安田が腕を組み、じっと考え込む。

「さっき、音がするまでやけに時間がかかったよな?」

「ああ……」

俺は井戸のことを思い返す。

小石を落としたとき、音がするまで妙に間があった。

「もしかして、かなり深いのか?」

藤木が井戸の構造を思い浮かべながら言う。

「それか、底が普通の井戸とは違う構造になってるか……」

「何にせよ、まずは水が使えるかどうか確かめるのが先決だ」

「確かに。旅館にある水道はもう動いてないし、もし井戸水が使えるなら、貴重な資源になる」

「でも、あの札が気になるな……」

高橋が小さく呟いた。

「あんなの、ただの迷信だろ?」

安田が軽く笑う。

「まあ、実際に水を汲んでみれば分かることだ」

「それは明日に回すとして、今日は防衛を固めるのが先だな」

俺たちは、旅館を本格的な拠点にするための作業に取りかかることにした。

作業の分担
• 玄関の補強(高橋・藤木)
• 内側から板を打ち付け、支えを入れる。完全封鎖はせず、開閉できる構造に。
• 露天風呂側のバリケード作成(安田・俺)
• 旅館の壊れた家具を使い、侵入を防ぐための障壁を作る。
• 封鎖エリアのチェック(後回し、準備はしておく)
• 後々の探索対象としてマークする。
• 井戸の調査は翌日以降
• まずは水源として使えるかどうかを確認する。

夜になる前に、作業を終えなければならない。

俺たちはそれぞれの持ち場に散り、旅館の防衛を固めるための作業を開始した。
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