終焉列島:ゾンビに沈む国

ねむたん

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作業は順調に進んでいた。

高橋と藤木 は玄関の補強に取り掛かり、俺と安田 は露天風呂側のバリケード作成に取り組んでいた。

夕方になる前に終わらせるため、それぞれ黙々と手を動かす。

「この板、結構重いな……」

藤木が板を持ち上げながら言う。

「それだけ丈夫ってことだ。どう固定する?」

高橋が釘と金槌を手にする。

「内側から斜めに打ち付けて、さらに支えを入れる。これなら人間でも簡単には突破できない」

「なるほどな……」

玄関は引き戸で強度が低いため、補強の仕方が重要だった。

「全部封鎖するんじゃなくて、一部は開け閉めできるようにしておくんだよな?」

「そうだ。完全に閉じると、外の様子が見えなくなるし、もし生存者が来たときに交渉すらできない」

二人は慎重に作業を進め、玄関の内側からしっかりと補強した。

「……よし、これで簡単には突破されないはずだ」

高橋が満足げに頷く。

「人間の生存者が来たら、内側から外して対応するって感じか」

「まあ、問題はそれよりゾンビだけどな」

藤木が玄関の様子を確認しながら呟いた。


いっぽう俺たちは、旅館内にあった壊れた座卓や家具を使い、露天風呂側の開放部を塞ぐ作業をしていた。

「ここ、完全に開けっ放しだからな……このままだと夜に何が来るか分からん」

俺が呟くと、安田がため息をつく。

「普通、こんなとこ開放しねえだろ……まあ、客用には開けた方が景観がいいんだろうけどさ」

「とにかく、できるだけ堅くしとくしかないな」

俺たちは座卓を立てかけ、ロープで固定しながらバリケードを作っていく。

「うーん、これでどれくらい持つか……」

安田が腕を組んでバリケードを眺める。

「まあ、ゾンビは器用じゃねえし、これだけあれば簡単には突破できねえだろ」

「でも、いずれ補強は必要になるな……もう少し頑丈にする方法を考えた方がいい」

「明日以降、旅館の周囲を調べて、使えそうなものを探そうぜ」



斉藤は、一人で封鎖されたエリアの確認を進めていた。

増改築の影響で使えなくなったエリアには、板が打ち付けられ、完全に閉鎖されている部分が多い。

「……やっぱり、こっち側には何かあるんだな」

板の隙間から覗き込むが、中は暗くて何も見えない。

「無理に開けるのは、やめといた方がいいか」

ゾンビが潜んでいる可能性も考え、斉藤は無理に扉を壊すことはしなかった。

「とりあえず、後回しだな」

斉藤はその場を後にした。


俺たちはそれぞれの作業を終え、宴会場に戻った。

「なんとか、最低限の防衛はできたな」

藤木が玄関の補強の確認をしながら言う。

「露天風呂側も、一応バリケードを作った。でも、これで完全に安心ってわけじゃない」

俺も頷く。

「明日以降、さらに補強が必要だな」

「それと、水の確保も」

安田が井戸の方を見ながら言った。

「旅館の水道は完全に止まってる。もし井戸水が使えるなら、それだけでかなり助かる」

「明日はまず、井戸の水を汲んで使えるか確かめてみよう」

「そうだな。念のため、簡易的な濾過装置も作っておくか」

夜が迫る中、俺たちはそれぞれの寝床を決め、休息を取ることにした。

外はまだ静かだった。

だが、この静けさがいつまで続くのかは分からない。
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