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携帯の電波を探してくると言って宴会場を出て行った安田と藤木が大浴場から戻ってきた。携帯の電波が比較的入りやすい場所だったため、そこで情報を収集していたらしい。安田が息をつきながら座り込み、スマホを机に置いた。
「……まあ、わかっちゃいたけど、もうめちゃくちゃだな」
藤木が腕を組んで続ける。「高速も主要道路も大渋滞で、車が立ち往生してるらしい。ガソリンスタンドも営業停止して、給油できなくなってる車が増えてるそうだ」
「食料とか物資の流通も、もう完全に止まりかけてるな」と安田が苦笑する。「トラックが動かないから、スーパーとかコンビニの補充がされない。当然、物流センターも混乱してるみたいだ」
斉藤が無言でスマホを操作しながら頷く。「鉄道も地下鉄も、ほぼ全部運休だな。政府は『安全が確認されるまで』とか言ってるが、もうどうしようもない状況だろうな」
高橋がぽつりとつぶやいた。「電気と水道は?」
「今のところはまだ動いてる。ただ、発電所とか水道施設の管理者が逃げたり、出勤しなくなったら終わる」と藤木が説明する。「ガスは遠隔操作で止められる可能性が高いけど、電気と水道はしばらくは持つかもしれない。ただ、いずれ止まるのは時間の問題だろうな」
「通信はどうなんだ?」俺が尋ねると、安田がスマホを掲げてみせた。「一部のデータセンターが止まり始めてるらしい。それと、ネットの遅延とか、特定のサービスの障害も出てる。でも、まだ完全に使えなくなったわけじゃない」
「今のうちに情報を集められるだけ集めたほうがいいな」と藤木が言う。「ニュースサイトはもうあてにならない。SNSがメインの情報源になってる」
「テレビは?」高橋が首をかしげる。
「民放は次々と放送停止してるらしい。スタッフが出勤しなくなったのと、放送局が暴徒化した感染者に襲撃されたせいで」と安田がスマホの画面を見ながら言った。「今のところNHKだけは緊急放送を続けてるけど、どこまで持つかはわからないな」
「最終的にはネットニュースと個人発信だけになるってことか」斉藤が静かに言う。「政府の公式発表がどうなるかも気になるな」
「今のところは『秩序の維持を』とか、『冷静な行動を』とか言ってるけど、もうそんな段階じゃないよな」と安田が肩をすくめた。「警察や病院もパンクしてるし、結局、みんな自分で生き残るしかないってことだ」
一同が静かになる。状況は想像していたよりもはるかに悪い。都市部の混乱が広がる中、ここが本当に安全なのかもわからない。誰もがそれを考えているのが、空気で伝わってきた。
「……とにかく、今夜は休んで、明日からのことを決めよう」と俺が言う。
「そうだな」と藤木が頷いた。「朝になれば、もっとはっきりすることもあるだろう」
俺たちはそれぞれ、旅館の薄暗い室内で寝床を作り、交代で見張りを立てることにした。今のところは静かだが、それがいつまで続くかはわからない。
「……まあ、わかっちゃいたけど、もうめちゃくちゃだな」
藤木が腕を組んで続ける。「高速も主要道路も大渋滞で、車が立ち往生してるらしい。ガソリンスタンドも営業停止して、給油できなくなってる車が増えてるそうだ」
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斉藤が無言でスマホを操作しながら頷く。「鉄道も地下鉄も、ほぼ全部運休だな。政府は『安全が確認されるまで』とか言ってるが、もうどうしようもない状況だろうな」
高橋がぽつりとつぶやいた。「電気と水道は?」
「今のところはまだ動いてる。ただ、発電所とか水道施設の管理者が逃げたり、出勤しなくなったら終わる」と藤木が説明する。「ガスは遠隔操作で止められる可能性が高いけど、電気と水道はしばらくは持つかもしれない。ただ、いずれ止まるのは時間の問題だろうな」
「通信はどうなんだ?」俺が尋ねると、安田がスマホを掲げてみせた。「一部のデータセンターが止まり始めてるらしい。それと、ネットの遅延とか、特定のサービスの障害も出てる。でも、まだ完全に使えなくなったわけじゃない」
「今のうちに情報を集められるだけ集めたほうがいいな」と藤木が言う。「ニュースサイトはもうあてにならない。SNSがメインの情報源になってる」
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