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10月3日 眞里阿の志望校
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4人で学校内を巡り、たくさん楽しんだ。いつの間にか時間が経ち、編茶乃ちゃんと蓮乃くんは準備があるから、とホールの方へ向かった。私は若干疲れてきたが、眞里阿が楽しそうに駆け回るので我慢して着いて行く。結構きつい。眞里阿の体力は底無しなのか…と疑い始めた時、眞里阿が時計を確認して、12時半であることを教えてくれた。
「編茶乃ちゃんと蓮乃くんは人気だから、ホール交代の30分前から行かなきゃ」
そう言って、眞里阿は私の先をさくさく歩いて行った。ホールへの道を、人混みなどなんのそので歩いて行く。
「眞里阿?」
「ん?何?」
「いや、道覚えてるの?」
「…うん、覚えてる。ずっと憧れだったから」
「え?」
「…私も、ここの高校目指してたんだ。でも中3の時に、両親に反対されちゃった」
眉を下げながら、寂しそうな笑顔を向ける眞里阿。初めて聞いた眞里阿の家庭の話に、私は動揺を隠せず目が泳ぐ。
「小さい頃から音楽が好きで、そういう道に行きたかったの。昔から勉強して、周りの大人に認められるように礼儀正しくして、敬語を使う癖までつけたの。でもね、音楽なんて不安定な職業は駄目って、目の前で願書が入ったパンフレット、破られちゃった」
笑顔で話しているけれど、どこか辛そうな眞里阿に、胸がきゅうっと締め付けられる。
「…編茶乃ちゃんとは、逆なの」
「…逆って?」
「…編茶乃ちゃんの家系は、音楽で有名な人が多いの。名前を聞いたら顔が出てくるぐらいの人もいる。だから、絶対に有名な音楽学校に入って成績優秀で卒業しなきゃいけないらしいの。ね、逆でしょ」
ホールの中に入り、真ん中ぐらいに座る。
そういえば、神社で編茶乃ちゃんがボロボロになって泣いていた時も、同じようなことを言っていたような気がする。編茶乃ちゃんは家のプレッシャーから逃げたくて、神社に来た。眞里阿は、音楽の道に進みたかった自分の本心を編茶乃ちゃんに投影しながら、文化祭を楽しんでいる。2人の本心が交差して、透けて、溶けて、混ざり合う。
あれ?
2人の本心がそれなら、間に挟まれた蓮乃くんの心は?
1度も聞こえない、双子の姉を心から尊敬している男の子の声。
「…次、夏目さん達だっけ」
「あぁ…また双子か」
「狡いよな。出来る姉と一緒に、なんて」
「才能ないくせに、な」
ひそひそと聞こえる悪口が、私の耳に届いてしまった。
もしかして、ずっとこの状況のまま育って来たのだろうか。
そんな嫌な考えが、頭の中に浮かんでしまった。
「編茶乃ちゃんと蓮乃くんは人気だから、ホール交代の30分前から行かなきゃ」
そう言って、眞里阿は私の先をさくさく歩いて行った。ホールへの道を、人混みなどなんのそので歩いて行く。
「眞里阿?」
「ん?何?」
「いや、道覚えてるの?」
「…うん、覚えてる。ずっと憧れだったから」
「え?」
「…私も、ここの高校目指してたんだ。でも中3の時に、両親に反対されちゃった」
眉を下げながら、寂しそうな笑顔を向ける眞里阿。初めて聞いた眞里阿の家庭の話に、私は動揺を隠せず目が泳ぐ。
「小さい頃から音楽が好きで、そういう道に行きたかったの。昔から勉強して、周りの大人に認められるように礼儀正しくして、敬語を使う癖までつけたの。でもね、音楽なんて不安定な職業は駄目って、目の前で願書が入ったパンフレット、破られちゃった」
笑顔で話しているけれど、どこか辛そうな眞里阿に、胸がきゅうっと締め付けられる。
「…編茶乃ちゃんとは、逆なの」
「…逆って?」
「…編茶乃ちゃんの家系は、音楽で有名な人が多いの。名前を聞いたら顔が出てくるぐらいの人もいる。だから、絶対に有名な音楽学校に入って成績優秀で卒業しなきゃいけないらしいの。ね、逆でしょ」
ホールの中に入り、真ん中ぐらいに座る。
そういえば、神社で編茶乃ちゃんがボロボロになって泣いていた時も、同じようなことを言っていたような気がする。編茶乃ちゃんは家のプレッシャーから逃げたくて、神社に来た。眞里阿は、音楽の道に進みたかった自分の本心を編茶乃ちゃんに投影しながら、文化祭を楽しんでいる。2人の本心が交差して、透けて、溶けて、混ざり合う。
あれ?
2人の本心がそれなら、間に挟まれた蓮乃くんの心は?
1度も聞こえない、双子の姉を心から尊敬している男の子の声。
「…次、夏目さん達だっけ」
「あぁ…また双子か」
「狡いよな。出来る姉と一緒に、なんて」
「才能ないくせに、な」
ひそひそと聞こえる悪口が、私の耳に届いてしまった。
もしかして、ずっとこの状況のまま育って来たのだろうか。
そんな嫌な考えが、頭の中に浮かんでしまった。
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