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風邪ひき由芽さん(短編)
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「由芽ー、戻ってきたよー」
霙が布団に隠れた私に話しかける。目だけを布団から出して確認すると、霙の隣には海斗がいた。
「ん…おかえり」
「はいはい、ただいま」
霙は私の頭を撫で、手を握ってくれた。私は安心して、少し笑った。
「んー…霙…」
私ははっきり喋っているつもりなのだけど、実際は舌足らずになっているらしい。そんなこと考えている余裕、今の私には無いけれど。
「私より小野ちゃんの方が良い?」
「んー…霙も良いー…けど海斗も良いー…」
「あー。じゃあ私色々取ってくるから、小野ちゃん交代」
「えっ!?」
海斗がびっくりして赤くなっているのが見えた。私はよく分からなかったので、もう少しだけ布団から顔を出した。
あぁ、そういえば私は今、寝起きだ。パジャマだし、髪もといてないし、恥ずかしい。
そんなことを考えていたら、泣きそうになってきた。じんわりと目頭が熱くなっていく。
「えっ、ちょっ、由芽、なんで泣いて…?」
「…え…?」
確かに目の近くに水滴の落ちる感覚がする。悲しいわけではないのに、何故だか涙が出てくる。そんな私の姿を見て、そこそこ付き合いのある霙は何か察したらしい。
「タオル持ってくる。それまで小野ちゃん、由芽の手を握ってあげて」
「あ、お、おう…?」
海斗のごつごつした男の人の手が、私の手に重なる。霙とは違う安心感が私を包む。ぎゅっと少し力を入れようとしてみたが、上手く入らない。私は諦めて、手を握ったまま眠った。
「あ、由芽寝た?」
「あぁ…なんかいつもと違うな…やけに素直というか…」
「由芽は体調崩すと不安で泣いちゃうんだよ。普段自分を偽って生活してることが多いから、それも不安の種なのかもね。手を握ってあげたり、安心させてあげれば落ち着くし、素直で可愛いよね」
「うん…まぁ…」
「とりあえず涙拭いてあげなきゃ。よく寝てるね。小野ちゃんの側は相当安心するみたいだ」
「ばっ…からかうの…やめろっ」
「え?あーからかう意図は無かったんだけど、そういう反応されるとなー」
「やーめーろーっ!」
やがて目が覚めると、私の側にはタオルが置いてあった。海斗はずっと手を握ってくれていたようで、今も私の手と繋がっている。眠っているようで、ベッドに伏している。
「あれ、由芽起きた?」
「んー…起きた…」
「それじゃ、良い頃合いかもね。そろそろ帰るよ」
「あー…了解…ありがと」
私はさっきまでの言動を覚えている。霙の顔が見れない。
「…大丈夫だよ、他の人には言わないから」
私以上にエスパーなのでは、と思う霙の発言に、私の頬が熱を帯びる。霙は海斗を起こして、私の部屋を後にした。
明日は、学校行けると良いな。
霙が布団に隠れた私に話しかける。目だけを布団から出して確認すると、霙の隣には海斗がいた。
「ん…おかえり」
「はいはい、ただいま」
霙は私の頭を撫で、手を握ってくれた。私は安心して、少し笑った。
「んー…霙…」
私ははっきり喋っているつもりなのだけど、実際は舌足らずになっているらしい。そんなこと考えている余裕、今の私には無いけれど。
「私より小野ちゃんの方が良い?」
「んー…霙も良いー…けど海斗も良いー…」
「あー。じゃあ私色々取ってくるから、小野ちゃん交代」
「えっ!?」
海斗がびっくりして赤くなっているのが見えた。私はよく分からなかったので、もう少しだけ布団から顔を出した。
あぁ、そういえば私は今、寝起きだ。パジャマだし、髪もといてないし、恥ずかしい。
そんなことを考えていたら、泣きそうになってきた。じんわりと目頭が熱くなっていく。
「えっ、ちょっ、由芽、なんで泣いて…?」
「…え…?」
確かに目の近くに水滴の落ちる感覚がする。悲しいわけではないのに、何故だか涙が出てくる。そんな私の姿を見て、そこそこ付き合いのある霙は何か察したらしい。
「タオル持ってくる。それまで小野ちゃん、由芽の手を握ってあげて」
「あ、お、おう…?」
海斗のごつごつした男の人の手が、私の手に重なる。霙とは違う安心感が私を包む。ぎゅっと少し力を入れようとしてみたが、上手く入らない。私は諦めて、手を握ったまま眠った。
「あ、由芽寝た?」
「あぁ…なんかいつもと違うな…やけに素直というか…」
「由芽は体調崩すと不安で泣いちゃうんだよ。普段自分を偽って生活してることが多いから、それも不安の種なのかもね。手を握ってあげたり、安心させてあげれば落ち着くし、素直で可愛いよね」
「うん…まぁ…」
「とりあえず涙拭いてあげなきゃ。よく寝てるね。小野ちゃんの側は相当安心するみたいだ」
「ばっ…からかうの…やめろっ」
「え?あーからかう意図は無かったんだけど、そういう反応されるとなー」
「やーめーろーっ!」
やがて目が覚めると、私の側にはタオルが置いてあった。海斗はずっと手を握ってくれていたようで、今も私の手と繋がっている。眠っているようで、ベッドに伏している。
「あれ、由芽起きた?」
「んー…起きた…」
「それじゃ、良い頃合いかもね。そろそろ帰るよ」
「あー…了解…ありがと」
私はさっきまでの言動を覚えている。霙の顔が見れない。
「…大丈夫だよ、他の人には言わないから」
私以上にエスパーなのでは、と思う霙の発言に、私の頬が熱を帯びる。霙は海斗を起こして、私の部屋を後にした。
明日は、学校行けると良いな。
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