神様自学

天ノ谷 霙

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自分とanswer 桜

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日野ひのさんという女の子は、どういう人だったのだろう。
俺はそんな疑問を抱いても、傷付くだろうかという思いで水奈月さんには聞けなかった。単なる興味だけではなく、何故か聞いたことがあるのだ。その名前を。交通事故だったから、ニュースで聞いたのかと思ったがどこかひっかかる。
そんな休日だった。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
「桜」
ふと名前を呼ぶ声がした。静かで、優しさで包んだような温かい声だった。聞いたことがあるこの声は、俺の中学で一番仲が良かった人だ。
そら?」
「正解。偶然だね、何していたの?」
「えぇと、一ヶ月前くらいに、事故で亡くなった女の子がどういう人なのかって…考えてた」
すると、空は少しだけびくっとした。首元にはトレードマークだったカメラは無く、優しいオレンジや黄色の花束を持っていた。
「どうした?」
「…いや、何で考えてたの?」
「えっと…仲良くなった女の子の、大切な人だったから」
「そ…うか…その子の名前はわかる?」
「おう、確か…日野、夕暮ゆうぐれさん…」
名前を聞いた途端、空は目眩を起こしたのかぐらりと揺れた。呼吸が少し浅くなっていた。
「!?大丈夫か、空!」
「はぁ…っ…ふ、ぅ…大丈夫、だから、慌てるな…」
俺は空を支える。やがて呼吸が安定し、空は礼を言った。そして静かに話し出した。
「その子は、俺の…大切な人だったんだ。俺が思わずシャッターを切ったぐらい、温かい本当に夕陽のような女の子だった。けど…交通事故で亡くなって、それから毎日、花束を届けているんだ」
「そう、だったのか。ごめんな、思い出させちゃって」
「いいよ。桜も来るか?後味悪いだろ」
「でも…いいのか…?」
「ほら、行こう」
俺は空について行った。墓地につき、その中で一番手入れをされているであろう墓石の前に静かに腰を下ろした。そこに刻まれていた名前は「日野家之墓  夕暮」だった。俺は本当に、亡くなっていたのだと実感した。
掃除をし、花束を添え、冥福を祈った。俺も手伝ったけれど、ほとんどは空が丁寧に行なっていた。一瞬だけ見えた雫には、見て見ぬ振りを決めた。

帰り道。俺は空と電車に乗った。案外空いていたので椅子に座る。
「何かわかった?」
「あぁ。『答え』が見つかった気がする」
「そうか…良かった」
大切な人が眠る墓に、友人を連れて行くのはすごく怖かったかもしれない。ただの興味で、静かにお祈りが出来ないかもしれないから。
だから、連れて来てくれた空に感謝している。本当に俺は、友人に恵まれている。
「ありがとう、空」
隣では、寝息を立てている空がいた。また雫が流れ落ちた。
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