神様自学

天ノ谷 霙

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過去のletter 眞里阿

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「ねぇ、かおくん。みりあは遠くに行っちゃうの」
小さなわたしは、小さなかおくんにそう言った。かおくんは眉を寄せて、なのに眉尻は下げて、悲しそうに顔を歪めた。わたしもそれにつられた。親同士も仲は良かったから、わたしたちが泣き出した時、近くにいた親は顔を見合わせて笑っていた。わたしたちは本当に悲しくて、声を上げて泣いているのになんでだろうと不思議だった。今思うと、ママ達も目が潤んでいたような気がする。
ひっく…ひっくとしゃくりあげながら、かおくんと別れの挨拶をした。
「きょうのだから、あしたはまたするんだよ」
「うん…うん…!」
泣き止むことも出来ずに、わたしたちはその日の別れを済まし、引っ越す日まで遊んでは泣き、別れを繰り返した。
そんな日も長くは続かず、とうとう引っ越しの日がやってきた。
「……ママぁ…」
「大丈夫よ、また会えるわ」
ママはおでこをくっつけて慰めてくれた。それでもわたしの目にたまった涙は、我慢出来るはずもなく流れ落ちた。
かおくんは来てくれた。かおくんママと一緒に手を繋いで来てくれた。最後っていうのがよく分からなかったけれど、わたしは今までとは別の場所に行くんだってことは分かった。どうしようもなくて、ただかおくんと手を握って泣いていた。
「お、れ…てがみ…かいた…あげる…」
「ほんと…?あり、がと…」
ほとんど涙でぐちゃぐちゃになりながら言ったから、ちゃんと言えていたか覚えていないけれど、わたしはそれで少しだけ安心した。繋がりができた、と思えた。引っ越しのトラックはしばらくしたら来て、荷物を連れて行った。わたしもパパとママと車に乗って、窓を開けた。
「ばいばい…!」
「ばいばい!」
「…またね!」
「またねっ…!」
見えなくなるまで手を振り続けて、わたしはまた泣き出した。30分くらい、ママに抱きしめられながら泣いていたみたいで、そのあとは泣き疲れて眠ってしまったらしい。

その後読んだ手紙の内容は、子供らしい拙い字で、だけど丁寧に書かれていた。わたしとかおくんとの思い出と、寂しいってことと、約束が書かれていた。何枚かあって、最後の手紙だけ絵が描かれていた。
それはかおくんとわたしが手を繋いでいて、家や虹がかかっている絵。
地面にそっと文字が書かれていた。
「みりあちゃん、だいすき」と。
わたしはその手紙を今も大事にとっている。ママにも見せたことのない大切な手紙。わたしはその手紙を読み返しながら、ぎゅっと涙を堪えた。
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