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1月22日 かくれんぼ
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モヤモヤを抱えながらもいつも通り羅樹と帰宅した直後、私は忘れ物に気付いた。月曜日提出のそれは、土日にやる前提の量を誇る課題である。取りに行かなければ困ることは明白だったため、玄関に入った瞬間踵を返して家を出て行く。チラリと羅樹の家を横目で見て、すぐに前を向く。
いちいち同行してもらうようなことじゃないしね。
そう思いながら、鞄を引っ提げて今帰って来た道を戻って行った。
教室は施錠されてはおらず、自分の引き出しを漁れば簡単に目当てのものは出て来た。ミッションクリアだ。鞄にしまい、2度目の帰宅を開始する。
「…雨?」
聞こえて来た音に窓を見上げるが、晴天である。ということは私にしか聞こえないもの。音を頼りに目的地を目指すと、最近来たばかりの被服室に辿り着いた。ドアの小窓から様子を伺うと、どうやら中には1人しかいない。そしてその人物はよく見知った相手であった。彼女は外を見つめて、涙を流している。その目線の先には、運動部の声が響く体育館がある。
「…千夏?」
ドアを静かに開けて呼び掛けると、ビクッと大きく体を震わせた。慌てて涙を拭い、私に笑い掛ける。1年生の時と似た状況に、私はフラッシュバックを起こした。千夏が体育倉庫に籠って泣いていたあの日。私が音を頼りに探し出して、気付いた友達も皆集まってくれたあの日。場所も浮かべる表情も、何もかも違うけど。それでもまた千夏は自分の痛みを隠して、抱え込もうとしている。かつて心を凍らせて何もかも忘れようとした女の子。不器用で、本当に頼りたい人には素直になれない、可愛い人。
「…夕、音?」
気付いたら私は千夏を抱き締めていた。きっと今必要なのは私ではないのだろうけど、今ここで私がやるべきことがある。私は、"恋使"である。
「千夏って本当、不器用だよね」
「…えっ?急に、何?」
「隠さなくて良いんだよ。泣きたい時は泣いて良いんだよ。頼ってよ、友達なんだから」
私の言葉に、千夏がビクッと肩を震わせる。
「なん、っ…隠してなんか、ないよ」
震えた声が、隠しきれていない本心を表していた。私は千夏の頭を撫でて、精一杯の笑顔を浮かべて口を開く。
「見つけ出すって言ったでしょ。忘れちゃったの?」
「…っ!」
届いていた言葉に、千夏は堰を切ったように泣き出した。私はそれを肩で受け止めて、背中まで両腕で包み込む。押し殺したような嗚咽混ざりの声が、苦しみに滲んでいた。
「いいの、千夏。かくれんぼはもう、おしまい」
本心を隠すのは、もう、おしまいにしよう。
続く言葉は、口の中で呟いた。
いちいち同行してもらうようなことじゃないしね。
そう思いながら、鞄を引っ提げて今帰って来た道を戻って行った。
教室は施錠されてはおらず、自分の引き出しを漁れば簡単に目当てのものは出て来た。ミッションクリアだ。鞄にしまい、2度目の帰宅を開始する。
「…雨?」
聞こえて来た音に窓を見上げるが、晴天である。ということは私にしか聞こえないもの。音を頼りに目的地を目指すと、最近来たばかりの被服室に辿り着いた。ドアの小窓から様子を伺うと、どうやら中には1人しかいない。そしてその人物はよく見知った相手であった。彼女は外を見つめて、涙を流している。その目線の先には、運動部の声が響く体育館がある。
「…千夏?」
ドアを静かに開けて呼び掛けると、ビクッと大きく体を震わせた。慌てて涙を拭い、私に笑い掛ける。1年生の時と似た状況に、私はフラッシュバックを起こした。千夏が体育倉庫に籠って泣いていたあの日。私が音を頼りに探し出して、気付いた友達も皆集まってくれたあの日。場所も浮かべる表情も、何もかも違うけど。それでもまた千夏は自分の痛みを隠して、抱え込もうとしている。かつて心を凍らせて何もかも忘れようとした女の子。不器用で、本当に頼りたい人には素直になれない、可愛い人。
「…夕、音?」
気付いたら私は千夏を抱き締めていた。きっと今必要なのは私ではないのだろうけど、今ここで私がやるべきことがある。私は、"恋使"である。
「千夏って本当、不器用だよね」
「…えっ?急に、何?」
「隠さなくて良いんだよ。泣きたい時は泣いて良いんだよ。頼ってよ、友達なんだから」
私の言葉に、千夏がビクッと肩を震わせる。
「なん、っ…隠してなんか、ないよ」
震えた声が、隠しきれていない本心を表していた。私は千夏の頭を撫でて、精一杯の笑顔を浮かべて口を開く。
「見つけ出すって言ったでしょ。忘れちゃったの?」
「…っ!」
届いていた言葉に、千夏は堰を切ったように泣き出した。私はそれを肩で受け止めて、背中まで両腕で包み込む。押し殺したような嗚咽混ざりの声が、苦しみに滲んでいた。
「いいの、千夏。かくれんぼはもう、おしまい」
本心を隠すのは、もう、おしまいにしよう。
続く言葉は、口の中で呟いた。
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