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1月27日 外堀埋込大作戦
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朝のSHRを終えて机に突っ伏していると、口角を上げた由芽が前の席に座り、遅れて紗奈と利羽がやって来た。
「おはよう。髪を下ろしてるなんて珍しいね」
「寝坊しちゃって…羅樹を待たせるのも嫌だったし…」
「最近は榊原と登下校一緒だよね。前は時間ある時だけって感じだったのに、毎日一緒になっちゃって。これは交際宣言も秒読みかぁ!?」
紗奈が揶揄うように告げてくる。そういえば報告してなかった、と私は言葉に詰まった。当の紗奈は怒られるのを警戒してか首を引っ込め、私の拳骨に備えている。しかし私が無反応だったためか、恐る恐る顔を上げて首を傾げた。
「夕音、もしかして榊原くんと何かあった?」
利羽に図星を突かれて、反射的に顔が赤く染まる。その反応に瞳を輝かせて、紗奈と利羽が詰め寄って来た。
「なになになに~!?何かあったなー!?教えろー!」
「まさか榊原くんと…?」
私が何も言えずに口を閉ざしていると、呆れ顔の由芽が足を組み直して事も無げに告げた。
「付き合い始めたんだって」
「ちょっと由芽!?」
私が慌てて止めようとすると、由芽は楽しそうに目配せした。その行動に私の考えが読み切られていることに気付く。言いにくかったことの口火を切ってくれたのは、正直ありがたかった。
「…そうだけど、でも羅樹は私を心配した上での判断だから、恋愛感情とかそういうのじゃないし」
拗ねるようにして言うと、意味がわからないといった表情を向けられた。掻い摘んで説明すると、納得したと共に怪訝そうな顔を向けられる。
「榊原の考えが読めない…」
「夕音のことを大事に思ってるのは伝わってくるけど…」
「大事!?えっ…あっ…そ、そっか…?」
考えもしなかった発想に、戸惑う。確かにその気がないのに交際関係に発展させてでも私を守りたい、という気持ちはあるのかもしれない。それは大事に思われているというのと同義である、というのは乙女的発想を抜きにしてもほぼ確定であると思う。
「そうね。少なくとも憎からず思われていることは確実なんだから、外堀から埋めちゃえば良いのよ」
由芽が悪戯を思い付いたような表情で、くすりと笑う。紗奈と利羽もそれに乗っかるように畳み掛けて来た。
「恋人になったことには変わりないんだから、夕音がリードしちゃえば?」
「デートとか、少しでも意識を幼馴染から恋人に変えるよう頑張るしかないわね」
「…そ、そうだね…」
曖昧に相槌を打つことしか出来ない。恋人らしくリードすると言われても、実感がないのにそんな行動する勇気も起きない。あの時私は羅樹の「好き」を家族愛と同一視していたし、今もそうだと思っている。だからこそ恋人としての恋情を拒否されたら、立ち直れない。怖くて足が竦んでしまいそうになる。でもきっと、そうやって進まないのが駄目なんだ、と反省する。
今度、どこか出掛けに誘ってみようかな。
そんな思考はチャイムの音に制された。
「おはよう。髪を下ろしてるなんて珍しいね」
「寝坊しちゃって…羅樹を待たせるのも嫌だったし…」
「最近は榊原と登下校一緒だよね。前は時間ある時だけって感じだったのに、毎日一緒になっちゃって。これは交際宣言も秒読みかぁ!?」
紗奈が揶揄うように告げてくる。そういえば報告してなかった、と私は言葉に詰まった。当の紗奈は怒られるのを警戒してか首を引っ込め、私の拳骨に備えている。しかし私が無反応だったためか、恐る恐る顔を上げて首を傾げた。
「夕音、もしかして榊原くんと何かあった?」
利羽に図星を突かれて、反射的に顔が赤く染まる。その反応に瞳を輝かせて、紗奈と利羽が詰め寄って来た。
「なになになに~!?何かあったなー!?教えろー!」
「まさか榊原くんと…?」
私が何も言えずに口を閉ざしていると、呆れ顔の由芽が足を組み直して事も無げに告げた。
「付き合い始めたんだって」
「ちょっと由芽!?」
私が慌てて止めようとすると、由芽は楽しそうに目配せした。その行動に私の考えが読み切られていることに気付く。言いにくかったことの口火を切ってくれたのは、正直ありがたかった。
「…そうだけど、でも羅樹は私を心配した上での判断だから、恋愛感情とかそういうのじゃないし」
拗ねるようにして言うと、意味がわからないといった表情を向けられた。掻い摘んで説明すると、納得したと共に怪訝そうな顔を向けられる。
「榊原の考えが読めない…」
「夕音のことを大事に思ってるのは伝わってくるけど…」
「大事!?えっ…あっ…そ、そっか…?」
考えもしなかった発想に、戸惑う。確かにその気がないのに交際関係に発展させてでも私を守りたい、という気持ちはあるのかもしれない。それは大事に思われているというのと同義である、というのは乙女的発想を抜きにしてもほぼ確定であると思う。
「そうね。少なくとも憎からず思われていることは確実なんだから、外堀から埋めちゃえば良いのよ」
由芽が悪戯を思い付いたような表情で、くすりと笑う。紗奈と利羽もそれに乗っかるように畳み掛けて来た。
「恋人になったことには変わりないんだから、夕音がリードしちゃえば?」
「デートとか、少しでも意識を幼馴染から恋人に変えるよう頑張るしかないわね」
「…そ、そうだね…」
曖昧に相槌を打つことしか出来ない。恋人らしくリードすると言われても、実感がないのにそんな行動する勇気も起きない。あの時私は羅樹の「好き」を家族愛と同一視していたし、今もそうだと思っている。だからこそ恋人としての恋情を拒否されたら、立ち直れない。怖くて足が竦んでしまいそうになる。でもきっと、そうやって進まないのが駄目なんだ、と反省する。
今度、どこか出掛けに誘ってみようかな。
そんな思考はチャイムの音に制された。
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